「16513で」と伝えて話が通じるのは、幅1650mm、高さ1300mmという内法までの話。躯体の開口をいくつで開けるか、外法がいくつになるかは、その5桁には入っていない。工法が変われば同じ呼称でも外法とチリが変わる。

日本サッシ協会の標準規格寸法は、この呼称記号を全メーカーで揃えた体系で、木造在来工法用とツーバイフォー工法用の新築サッシ、玄関ドア、玄関引戸、勝手口ドア、テラスドアが対象になる。網戸や面格子、窓手すり、雨戸、シャッターといった付属製品も適用対象に含まれる。

呼称記号5桁が指しているもの

呼称記号は幅と高さともに内法基準寸法を基本として設定され、幅3桁と高さ2桁の合わせて5桁で表す。関東間で幅1650mm、高さ1300mmなら16513、幅740mm、高さ500mmなら07405。幅の3桁は1000mm、100mm、10mmの位までで1mmの位を表記せず、高さの2桁は1000mmと100mmの位までで10mm以下の位を表記しない。スクエアサイズのように10mmの位が2桁表示と食い違う場合だけ3桁で書く。1000mm未満は頭に0を付けて桁を揃える。

内法基準寸法とは、窓周辺の内装工事で寸法割り付けをするときに最も扱いやすいサッシ寸法のおさえを指し、おおむね製品の内法寸法と一致する。図面での書き分けは決まっていて、内法寸法は小文字のwとh、外法寸法は大文字のWとHを使う。

高さの内法基準寸法は100mm単位で半端のない設定にしてある。掃き出しタイプは室内ドアの高さ2000mmに合う内法2000mmを基本に、1800mm、2200mm、2400mmを加えた4つが基準高さ。樹脂サッシは素材の特性からアルミやアルミ樹脂複合より枠と框の見付けが大きいが、外法と内法はアルミ系と同じ寸法に揃えてある。

工法で変わる外法とチリ

高さ方向の基準寸法は、在来工法の半外付、在来工法の外付、ツーバイフォー工法の半外付で別々に定まっている。半外付けサッシは躯体の外面よりやや外側に張り出して取り付け、サイディングの見切りが出しやすい納まり。内付けサッシは躯体の外面より内側に取り付ける。

基準寸法 在来 半外付 内法基準 在来 半外付 外法 在来 半外付 チリ 在来 半外付 開口 在来 外付 内法基準 在来 外付 チリ 在来 外付 開口 2×4 半外付 内法基準 2×4 半外付 外法 2×4 半外付 チリ 2×4 半外付 ROH
300 300 370 5 375 303 0〜6 300 300 370 10 380
500 500 570 5 575 503 0〜6 500 500 570 10 580
700 700 770 5 775 703 0〜6 700 700 770 10 780
900 900 970 5 975 903 0〜6 900 900 970 10 980
1100 1100 1170 5 1175 1103 0〜6 1100 1100 1170 10 1180
1300 1300 1370 5 1375 1353 0〜6 1350 1300 1370 10 1380
1500 1500 1570 5 1575 1553 0〜6 1550 1500 1570 10 1580
1800 1800 1830 5 1835 1803 0〜6 1800 1800 1845 10 1855
2000 2000 2030 5 2035 2003 0〜6 2000 2000 2045 10 2055
2200 2200 2230 5 2235 2203 0〜6 2200 2200 2245 10 2255
2400 2400 2430 5 2435 設定なし 設定なし 設定なし 設定なし 設定なし 設定なし 設定なし

ツーバイフォー工法のチリが10mmなのは、まぐさ受けののめり込みを5mm見込んで上乗せしたため。外付の内法基準寸法だけ末尾が3mm大きいのは、チリ寸法を3mmとして計算しているから。真壁納まりの1353mmと1553mmは、畳面から地袋上端までの寸法の慣例を優先し、掃き出し内法1800mmと2000mmに対応させた値になっている。

ツーバイフォー用は下枠の見付けが27mmから30mmの場合に別の設定があり、内法1800mmで外法1860mm、2000mmで2060mm、2200mmで2260mm、2400mmで2460mmとなる。

呼称では寸法が決まらない商品

標準規格寸法から外れる製品があり、これらは特寸で扱う。丸窓のように形状の関係で特殊な寸法になるもの、天窓、室内側のタイル納まりを考慮して特殊な寸法を設定するもの、大開口対応や意匠と機能の対応で特殊な寸法が要るもの、アパート用ドア、勝手口引戸、玄関引戸のうち片引き(壁引き込み形式)タイプ、プレハブ用オリジナル製品などの客先指定寸法品、北米モジュールなど海外の寸法体系に対応する製品、仮設ハウス用製品、RC用やALC用といった非木造建築物用サッシ、そしてリフォーム専用製品。

勝手口引戸が外れている理由は、片引き戸のため実開口寸法とサッシ開口寸法が一致せず、内動と外動、外付と半外付のどれを標準納まりにするかも定まらなかったこと。玄関引戸の片引き形式も同じ扱いになる。

玄関ドアは外法で押さえてある

出入り口商品も内法寸法を基準として踏襲しているが、統一の主体は外法寸法に置かれている。窓と違って出入り口の内法寸法には、住宅性能表示制度の光・視環境で使う単純開口率の算出のような法的要求がない。枠の見付け寸法も、電気錠や防犯錠、電動機構を枠に内蔵するかどうかで変わり、全商品を同じ寸法にはできない。そこで躯体取り付け時のおさえとして効く外法寸法を主体に統一した。

系列 ROW 内法基準 w 外法 W ランマ無し ROH2035(h2000・H2030) ランマ無し ROH2335(h2300・H2330) ランマ付き ROH2335(h2300・H2330)
3尺系(関東間) 790 740 780 設定なし 07423 設定なし
3尺系(バリアフリー対応) 890 840 880 08420 08423 08423
4.5尺系(入隅) 1145 1095 1135 10920 10923 10923
4.5尺系(関東間) 1245 1195 1235 11920 11923 11923
6尺系(入隅) 1600 1550 1590 設定なし 15523 設定なし
6尺系(関東間) 1700 1650 1690 設定なし 16523 設定なし

ROH2335の列では、ランマ無しとランマ付きが同じ呼称記号になる。08423と伝えただけではランマの有無が決まらない。

バリアフリー対応の890系は、ドア厚さ40mm系で有効開口750mm以上を想定した寸法。有効開口800mm以上を設定した個別寸法の商品は標準設定から外れる。玄関ドアの入隅寸法は外額縁の見付けなどを考慮して100mm減としてあり、窓の50mm減、シャッターの150mm減とは値が違う。

内法基準寸法wとhの採り方は在来工法の半外付サッシ(掃き出しタイプ)に準拠していて、幅はROWから50mmを引いた値、高さは下枠上面を下端のおさえとしてROHから35mmを引いた値。枠見付けがこの前提から外れる商品では、内法基準寸法のおさえ位置が実在しない架空線になる。

玄関引戸は6尺系のROW1650と1700、9尺系の2610、12尺系の3520が標準規格で、ランマ無しはROH1935と2235、ランマ付きはROH2335。呼称記号は16019、16519、16022、16522、16023、16523、25619、25623、34719、34723。

断熱の値は戸の中身で決まる

開口部の熱貫流率Uは4通りの求め方があり、建具とガラスの組み合わせ表による値、簡易的評価による値、代表試験体の窓種とサイズで計算または測定した値、WindEyeなどで窓種とサイズごとに計算した値から選んで使う。計算はJIS A 2102-1とJIS A 2102-2、測定はJIS A 4710(建具の断熱性能試験方法)による。

組み合わせ表は、建築研究所が公開していた技術情報の付録B表3(窓)と表8(ドア)が2021年3月に削除されたのを受け、日本サッシ協会が住宅用の簡易的評価をベースに取りまとめたもの。旧表の熱貫流率から逆算して建具とガラスの仕様に落としてあり、簡易計算の結果よりも安全側に丸めてある。

玄関ドアの側は、戸の構造とポストの有無、ドア内ガラスの有無で値が段階的に動く。枠が金属製熱遮断構造の場合が次の表になる(単位はW/(m²・K)、付属部材なしの値)。

戸の仕様 ポスト ドア内ガラスなし Low-E複層ガラス(ガス封入あり・所定の中空層厚以上) 複層ガラス
金属製高断熱フラッシュ構造 なし 1.60 1.90(7mm以上) 2.33
金属製高断熱フラッシュ構造 あり 1.60 1.90(9mm以上) 2.33
金属製断熱フラッシュ構造 なし 1.90 2.33(10mm以上) 2.91
金属製断熱フラッシュ構造 あり 1.90 2.33(14mm以上) 2.91
金属製フラッシュ構造 なし 1.90 2.91 2.91
金属製フラッシュ構造 あり 2.33 2.91 2.91
金属製ハニカムフラッシュ構造 なし 2.91 3.49 3.49
金属製ハニカムフラッシュ構造 あり 2.91 3.49 3.49

金属製フラッシュ構造の戸では、ポストを付けるだけでドア内ガラスなしの値が1.90から2.33へ動く。高断熱フラッシュ構造と断熱フラッシュ構造では、ポストの有無が中空層の厚さの条件を変える形で効く。ガス封入なしの場合は必要な中空層厚が厚くなり、たとえば高断熱フラッシュ構造でポストありなら12mm以上で1.90、12mm未満で2.33。風除室に面する場合はいずれの行も値が下がり、金属製高断熱フラッシュ構造でドア内ガラスなしなら1.38になる。

袖付きと欄間付きのドアには、建築研究所が示した評価方法があり、日本サッシ協会が運用方法を定めている。袖や欄間を後から足す変更は、ドア単体の値では計算が済まなくなる。

窓側の建具とガラスの組み合わせと熱貫流率は省エネ基準に届く断熱材の厚さと窓の構成にまとめている。

日射側で決まるもの

日射熱取得率ηは、ガラスの仕様に枠の材質を織り込んだ仕様η値と、JIS A 2103による計算η値の2種類がある。仕様η値は、ガラス単体の値に枠の材質で決まる係数を掛ける形。枠が木製または樹脂製なら0.72、木と金属の複合材料製、樹脂と金属の複合材料製、金属製熱遮断構造、金属製なら0.8を乗じる。

枠が金属系または複合材料製の場合の窓の垂直面日射熱取得率が次の値になる。

ガラスの仕様 付属部材なし 和障子 外付けブラインド
Low-E三層複層ガラス(2枚以上にLow-E膜)日射取得型 0.43 0.27 0.10
同 日射遮蔽型 0.26 0.18 0.06
Low-E三層複層ガラス 日射取得型 0.47 0.30 0.11
同 日射遮蔽型 0.30 0.20 0.08
三層複層ガラス 0.58 0.30 0.14
Low-E複層ガラス 日射取得型 0.51 0.30 0.12
同 日射遮蔽型 0.32 0.21 0.09
二層複層ガラス 0.63 0.30 0.14
単板ガラス 0.70 0.30 0.15

同じLow-E複層ガラスでも、日射取得型と日射遮蔽型で0.51と0.32に分かれる。この2つを分けているのはLow-E金属膜の位置で、膜をコーティングしたガラスが室外側にあるものが遮熱タイプ、室内側にあるものが断熱タイプ。YKK APの区分では日射取得型がη0.50以上、日射遮蔽型が0.49以下で、日射遮蔽型の断熱タイプだけブルーとブロンズから色を選べる。ガラスの色は、Low-Eのタイプを決めた後にしか選べない項目になる。

窓の性能表示制度は省エネ法に基づく国の制度で、断熱性能を6つの星、日射熱取得率を3区分で表示する。断熱性能のJIS等級と熱貫流率の対応はH-1が4.7、H-2が4.1、H-3が3.5、H-4が2.9、H-5が2.3、H-6が1.9、H-7が1.5、H-8が1.1。日射熱取得率0.45の窓はN-2に入る。

開き勝手と防犯部品

開きドアの勝手は室外側から見て判定する。丁番が右に見えれば右勝手、左に見えれば左勝手。引戸は全閉時に室外側から見て扉が右側になるものが右勝手。片開き、親子、片袖FIX、両袖FIX、両開きの別も発注の段階で決まる項目で、片袖FIXと両袖FIXは袖の固定窓の分だけ開口が広がる。

防犯部品は指定しなければ付かない。警察庁、国土交通省と建物部品関係団体で構成する官民合同会議が、抵抗時間5分間以上を確認した部品を防犯性能の高い建物部品目録に載せ、掲載品だけがCPマークを使える。対象はドア、錠、サッシ、ガラス、雨戸、面格子、窓シャッターなどに及ぶ。

発注前に固める項目

項目 確定させる内容 決めずに出すと起きること
寸法の伝え方 呼称記号5桁と、在来半外付か在来外付かツーバイフォー半外付か 同じ呼称でも外法とチリが変わり、躯体開口が合わない
標準規格の対象か リフォーム専用品、勝手口引戸、片引きの玄関引戸、非木造用、北米モジュールは対象外 呼称が通じず、特寸として実寸を出し直すことになる
玄関ドアのおさえ ROWとROH、ランマの有無、入隅サイズか否か ROH2335ではランマ無しと付きが同じ呼称で、有無が伝わらない
有効開口 ドア厚さ40mm系で有効開口750mm以上か、800mm以上の個別寸法か バリアフリー対応の寸法にならず、800mm以上は標準設定外
ガラスの構成 Low-E膜の位置(遮熱タイプか断熱タイプか)、中空層の厚さ、ガス封入の有無 熱貫流率と日射熱取得率が計算の前提とずれる
玄関ドアの戸仕様 戸の構造、ポストの有無、ドア内ガラスの有無、袖と欄間の有無 ポスト追加だけで熱貫流率が1.90から2.33へ動く
枠の材質 木製・樹脂製か、複合材料製・金属系か 日射熱取得率に掛ける係数が0.72と0.8で分かれる
付属製品 網戸、面格子、窓手すりは本体と別に呼称寸法が設定されている 本体だけの発注になり、後から寸法を拾い直すことになる
付属部材 雨戸、シャッター、和障子、外付けブラインドの有無 開口部の熱貫流率と日射熱取得率が計算の前提とずれる
開き勝手 室外側から見た丁番の位置、片開きか親子か袖付きか 現場では反転できない
防犯部品 防犯性能の高い建物部品目録の掲載品を使うか 指定しなければCPマークの付いた部品にならない

代替品への差し替えが必要になったときの承認図の扱いは廃番・供給停止への対応手順、既存品番の特定はリフォーム案件の拾い出しの型にまとめている。

呼称記号は寸法の話を短くするための道具で、発注書を確定させる道具ではない。躯体に効くのはROWとROHで、性能に効くのは戸とガラスの中身。5桁の外側にある項目のほうが、後から直せない。