東リのタイルカーペットGA-400シリーズは7月27日で廃番になった。同じ告知に載った定型ラグや定型マットを含め、大半の品番に後継の指定がない。一方、TOTOのウォシュレットUD(TCF570)には代替品番TCF5210Rが示されている。タカラスタンダードは小型電気温水器を除く給湯器全シリーズを8月末で販売終了とし、住宅用トイレ「ティモニ」については販売終了後も修理対応と部品供給を続けると案内した。後継品番が付く廃番と付かない廃番があり、付かない側では代替品の選定が発注する側に回ってくる。

廃番の告知が最初に出る場所

メーカーごとに公表の場が違う。カタログの改訂を待つと、在庫が切れてから知ることになる。

メーカー 公表の場 載る情報
TOTO COM-ETの年度版「廃番予定品リスト」(PDF) 廃番日、対象品番、代替品番とおすすめ品番
LIXIL ビジネスユーザー向けサイトの販売終了商品検索 販売終了時期、対象商品の分類
東リ ニュースリリースの新発売・改廃案内 廃番日、対象品番、後継の有無
タカラスタンダード 製品ページと販売終了のお知らせ(PDF) 販売終了予定時期、修理対応と部品供給の継続可否

告知の書き方は「在庫がなくなり次第」と「期日をもって」に分かれる。前者は残数で終了日が動くため、社内の在庫と発注残の数量が終了日そのものになる。品目別の廃番情報は納期・在庫・廃番トラッカーで追っている。

部品はいつまで出るか

廃番の影響は新規の発注だけでは終わらない。引き渡し済みの物件の修理が、部品の保有期間で切れる。

メーカー 起算点 保有期間
TOTO 生産終了後 大便器10年(洗浄関連部品は15年)、ウォシュレット10年、ウォシュレット一体形便器は2020年4月以降の生産終了分が15年で以前は10年、システムトイレ10年(洗浄関連部品は15年)、システムバス10年、洗面化粧台10年、システムキッチン10年、水栓金具10年、浴室換気暖房乾燥機10年
LIXIL 製造打切後 6ヶ年(BL認定品は10ヶ年)。キッチンと洗面化粧室の保証ページが同じ年数を示す
パナソニック 製造打ち切り後 キッチン本体7年、レンジフード6年、ビルトインIH8年、システムバス本体7年、浴室換気乾燥機10年、洗面化粧台7年、照明器具6年

同じ住設でもメーカーで4年の開きがある。TOTOは保有期間の経過後について、修理できない場合があり代替品での提供になる場合があると案内している。パナソニックは販売年で保有期間が変わる商品があり、取扱説明書の保証とアフターサービスの欄が個別の答えになる。

代替品の突き合わせ

後継品番の指定がないとき、同等品かどうかを決めるのは寸法と見た目ではなく、法規上の性能区分になる。壁や天井の内装材、外壁材、防火設備は、認定番号で性能が特定できる。

国土交通大臣の認定を受けた構造方法等は、認定番号の記号で対象が分かれる。不燃材料と準不燃材料と難燃材料がNM、QM、RM。耐火構造がFP、準耐火構造がQF、防火構造と準防火構造がPCとQP、防火設備と特定防火設備がEAからEDになる。国土交通省は認定の帳簿を公開しているが、記載は認定を受けた時点の情報で、直近の状態は建築性能基準推進協会の認定情報検索システムで確認する形になっている。同システムは防耐火材料、防火材料と防火設備、指定建築材料、構造規定、建築物と建築設備の5分類を検索できる。

確認先: 認定情報検索システム

確認済証の交付後に建材を変える

確認済証が出た後の変更は、軽微な変更で収まるか、計画変更の確認申請に戻るかで手間が変わる。線引きは建築基準法施行規則3条の2にある。同条は軽微な変更を「変更後も建築物の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの」に限ったうえで、材料の変更については13号の表で、変更前の区分ごとに認められる変更後の区分を指定している。建材の差し替えで効く行を抜く。

変更前の材料または構造 軽微な変更として認められる変更後
不燃材料 不燃材料
準不燃材料 不燃材料または準不燃材料
難燃材料 不燃材料、準不燃材料または難燃材料
耐火構造 耐火構造
準耐火構造 耐火構造または準耐火構造(非損傷性、遮熱性、遮炎性の各時間が変更前以上の場合に限る)
防火構造 耐火構造、準耐火構造または防火構造
特定防火設備 特定防火設備
第二種ホルムアルデヒド発散建築材料 第一種ホルムアルデヒド発散建築材料以外の建築材料
第三種ホルムアルデヒド発散建築材料 第一種および第二種ホルムアルデヒド発散建築材料以外の建築材料

読み方は一方向で、性能区分が上がる向きの差し替えは軽微に収まり、下がる向きは収まらない。準不燃の内装材が廃番になって不燃の代替品に変えるのは表の範囲内、逆に難燃へ落とすのは範囲外になる。

部位によって適用される号も違う。屋根ふき材、天井を除く内装材、外装材、帳壁、壁、手すりの材料や構造の変更は11号で、13号の表の範囲に収まることが条件になる。天井は12号が別に置かれ、特定天井では変更後の建築材料が変更前と異なる変更や強度が減る変更が除かれ、特定天井以外の天井を特定天井にする変更も除かれる。構造耐力上主要な部分の部材は9号で、「変更後の建築材料が変更前の建築材料と異なる変更」と強度または耐力が減少する変更が除かれる。構造材で材料そのものが別のものに替わる差し替えは、性能が上でも軽微な変更からは外れる。

検査のときに出す書類

軽微な変更に収まった場合、その場で申請をやり直す手続きはない。書類は検査の申請時にまとめて出す。施行規則4条1項5号が、完了検査申請書について、直前の確認または中間検査を受けた日以降に3条の2に該当する軽微な変更が生じたときは変更の内容を記載した書類を添えると定める。中間検査申請書にも4条の8第1項3号に同じ定めがある。差し替えのたびに変更内容と、性能区分が表の範囲に収まる根拠(新旧の認定番号など)を残しておく形になる。

既契約の物件で直すもの

工事の請負契約が済んだ後に建材が変わると、契約書面の側も動く。建設業法19条1項は、請負契約の当事者が契約締結時に書面へ記載して相互に交付する事項を並べており、1号に工事内容、2号に請負代金の額、6号に「当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め」が入る。8号には価格等の変動または変更に基づく工事内容の変更と請負代金の額の変更の定めもある。

同条2項は、1項に掲げる事項に該当するものを変更するときは、変更の内容を書面に記載して署名または記名押印のうえ相互に交付しなければならないとしている。廃番による仕様変更は1号の工事内容に当たり、代替品の単価差が出れば2号にも及ぶ。口頭やメールの了解だけで進めると、この2項の書面が抜ける。3項により、相手方の承諾を得たうえで政令と省令の定める電子的な方法を使えば、書面と同じ扱いになる。

廃番の連絡を受けた日の確認リスト

# 確認項目
1 廃番日が期日指定か「在庫がなくなり次第」かを告知の原文で確認した
2 自社の発注残と、着工前の物件の必要数量を突き合わせた
3 後継品番または代替品番の指定が告知にあるかを確認した
4 代替品の防火性能とホルムアルデヒド区分を認定番号で照合した
5 変更が施行規則3条の2の13号の表の範囲に収まるかを部位ごとに判定した
6 範囲外なら計画変更の確認申請、範囲内なら検査申請に添える変更内容の書類を用意した
7 承認図と施工図の差し替え版を関係者へ配り、旧版の回収先を決めた
8 単価差と工期への影響を出し、建設業法19条2項の変更書面を作った
9 引き渡し済み物件について、部品の保有期間の残りを確認した

代替品の単価を複数の商社から取り直す段取りは建材の相見積もりの取り方にまとめている。個別の廃番と新製品の告知は新製品・廃番ダイジェストで日次で拾っている。