10月第4週は、鋼材メーカーが11月分の値上げを相次いで打ち出した。東京製鉄は11月契約分を全品種トン3000円、日鉄建材は軽量形鋼・角形鋼管・ロールコラムを12月分からトン5000円上げ、JFEスチールは11月契約分から店売り鋼管を5%上げる。市中では東京の薄板と首都圏の厚板が上がり、異形棒鋼は横ばいにとどまった。
ヤマトスチールがH形鋼などを11月分から値上げ
ヤマトスチール(兵庫県姫路市)は10月20日、11月分の販売価格の引き上げを発表した。店売り向けH形鋼の値上げは8月積み以来3カ月ぶりで、理由に電力・ガスなどのエネルギーをはじめとするコストの上昇を挙げている。
| 品目 | 値上げ幅(トン当たり) | 適用 |
|---|---|---|
| 店売り向けH形鋼 | 3000円 | 11月積み(出荷)分から |
| 溝形鋼 | 3000円 | 11月契約分から |
| I形鋼(300×150×10ミリ以下の6サイズ) | 3000円 | 11月契約分から |
| I形鋼(300×150×11.5ミリ以上) | 5000円 | 11月契約分から |
| 鋼矢板 | 5000円 | 11月契約分から |
今週出たほかのメーカーの値上げは、東京製鉄、11月契約分を全品種トン3000円値上げと日鉄建材、12月分から建築建材製品をトン5000円追加値上げにまとめた。店売り鋼管についてはJFEスチール、店売り鋼管を5%値上げにある。
東京の薄板と首都圏の厚板が上昇
東京の冷延鋼板は10月16日時点で2000〜3000円上がり、板厚1.0ミリ(3×6)で12万8000〜13万1000円を中心に動いた。22日には、熱延の酸洗鋼板に続いて冷延鋼板も上昇ピッチを速めていると伝えられた。末端の実需は弱いものの、流通は必要な分だけ仕入れており市中在庫が少ないため、供給が細って値が上がる局面に移りつつある。値上げ後の仕入れ品が入り次第、市中価格に反映される見通しだ。
首都圏の厚板は、建築需要の低迷で他の品種より値上がりが遅れていた。メーカーの値上げが重なって仕入れ値が上がり、流通が販売価格への転嫁を急いでいる。
店売り:メーカーが鉄鋼流通を通じて市中に売る取引。物件ごとに価格を決める取引(ヒモ付き・物件向け)と分けて値決めされる。
異形棒鋼は横ばい、黒ガス管は先高観
東京の異形棒鋼(SD295、16〜25ミリ)は弱含みの横ばいで、直送は11万5000〜11万7000円。荷動きと引き合いは振るわず、中小規模の需要が伸び悩む一方、大型物件の発注は少しずつ増えている。一部の流通は局所的に安値を出している。
東京の黒ガス管は強含みで、呼び径50A(2インチ)は高炉品が25万5000〜25万7000円、専業品が21万〜21万3000円。母材の鋼板が上がり続けており、在庫店は仕入れ値の上昇に備えて転嫁の時期をうかがっている。
日刊鉄鋼新聞サイトの市況表(10月23日時点)は次のとおり。
| 品種 | 東京(円/トン) | 大阪(円/トン) |
|---|---|---|
| 異形棒鋼 SD295 直送 16〜25ミリ | 117,000 | 105,000 |
| 冷延薄板 1.0×(3×6) | 133,000 | 125,000 |
| 厚板 16〜25×(5×10) 無規格 | 136,000 | 135,000 |
| 黒ガス管 高炉品 50A | 257,000 | 245,000 |
鉄スクラップ購入値は関東と九州で上げ
東京製鉄は17日から関東の2拠点(宇都宮工場と東京湾岸サテライトヤード)で特級(H2)などの購入価格を1000円上げ、関東の電炉メーカーの購入価格はトン1000円ほどの続伸となった。22日入荷分からは九州工場でも1000円上げ、他の拠点は据え置いた。
木材はSPFが小幅高、国産合板は価格維持
カナダ西部内陸産のSPF2×4製材は、第4四半期価格がJグレード2×4〜8で前回比5〜10ドル高の585〜590ドル(C&F、1000BM当たり)になった。引き合いは前回から変わっていない。
国産針葉樹構造用合板(12ミリ厚、3×6判)は、問屋着1430円が上限で、一部で1400円を割る取引も出ている。プレカットなど直需の実需は堅調で、生産コストも高止まりしているため、合板メーカーと建材商社は値下がりの見方を打ち消そうと価格の引き締めに取り組んでいる。
確認先: ヤマトスチールの値上げ(日刊産業新聞)、東京地区の薄板市況(日刊鉄鋼新聞)、SPF2×4の第4四半期価格(日刊木材新聞)



