10月第5週も、電炉メーカーが11月契約分の値上げを打ち出した。メーカーの値上げを受けて、関東と関西の形鋼流通も11月から売値を上げる。東京ではH形鋼と一般形鋼が高値寄りで、厚板は続伸した。

大阪製鉄が一般形鋼を11月契約からトン3000円上げ

大阪製鉄は10月22日、一般形鋼(等辺山形鋼、不等辺山形鋼、溝形鋼)の11月契約価格を前月からトン3000円上げると発表した。10月契約までは3カ月続けて据え置いていた。理由は、電炉の主原料の鉄スクラップが高値にあることと、電力・燃料などのコスト上昇で、悪化する収益の改善を図る。日刊鉄鋼新聞も10月30日の東京市況で、大阪製鉄と東京製鉄などが11月販価を3000円上げたと伝えている。

今週は共英製鋼、中部鋼鈑、王子製鉄も11月契約分の値上げを発表した。

メーカー 品目 値上げ幅(トン当たり) 対象
大阪製鉄 一般形鋼(等辺・不等辺山形鋼、溝形鋼) 3000円 11月契約分から
共英製鋼 異形棒鋼(全事業所の実行価格) 5000円 11月分から(記事)
中部鋼鈑 厚板 5000円 11月契約分から(記事)
王子製鉄 平鋼・角鋼(全サイズ) 3000円 11月契約分から(記事)

形鋼の流通が11月から売値を3000円上げ

H形鋼を中心に、昨秋からのメーカーの値上げは累計でトン約2万円になる。流通が売値に転嫁できたのはそのうち約1万円にとどまり、10月中旬以降には東京製鉄、日本製鉄グループ、ヤマトスチールがさらに3000円上げた。

関東の形鋼流通の各社は、H形鋼と一般形鋼の売値を11月からトン3000円上げる。直近のメーカーの値上げ幅に合わせるもので、これまでの仕入れ値上昇分も需要家にまだ十分には転嫁できていない。関西の形鋼流通は11月2日受注分から、H形鋼、一般形鋼、不等辺山形鋼、I形鋼、平鋼などを3000円上げる。I形鋼の11.5×150×300以上のサイズはさらに2000円上乗せする。

東京の形鋼は高値寄り、厚板は1000円高

東京のH形鋼は上値を試す展開で、置き場・ベースで12万2000〜12万3000円。等辺山形鋼と溝形鋼は高値寄りで、12万〜12万1000円どころ。全国鉄鋼建材流通連合会(全鉄連)の9月の調査では、東京地区の販売量はH形鋼が前月比10.8%増の1万4553トン、山形鋼が11.3%増の6572トンだった。軽量C形鋼(2.3×100×50×20)は強含みで、カラーが19万〜19万3000円、めっきが21万5000〜21万7000円どころ。

東京の厚板は1000円上がり、続伸している。高炉・電炉メーカーが追加値上げを相次いで発表し、海外のメーカーも日本向けの価格を上げた。メーカーの出荷が遅れ気味で市中は品薄になっており、まとまった注文が入ると規格・サイズ・板厚によっては在庫が欠けかねないと販売店はみている。

関東の異形棒鋼は横ばい。鉄筋メーカーは売り腰を強めているが、需要家の買い意欲は乏しく、需給も締まっていない。薄板は10月の期末明けに上がる見通し。

日刊鉄鋼新聞サイトの市況表(10月29日時点)は次のとおり。厚板は前週の13万6000円から1000円上がった。

品種 東京(円/トン) 大阪(円/トン)
異形棒鋼 SD295 直送 16〜25ミリ 117,000 105,000
冷延薄板 1.0×(3×6) 133,000 125,000
厚板 16〜25×(5×10) 無規格 137,000 135,000
黒ガス管 高炉品 50A 257,000 245,000

木材は北関東の丸太が乱高下、チリ材は横ばい

北関東の国産材丸太は値動きが荒れている。栃木県で一時、市場渡しで立方メートル2万3000円近くまで上がった杉3メートル柱取り丸太は、10月上旬をピークに下がり始めた。一方、9月まで下がっていた桧の土台取り丸太が急に反発した。

チリのアラウコの5番船(11月下旬〜12月中旬積み、2027年1月下旬以降に川崎港入港予定)は、ラジアタ松製材の産地価格が立方メートル350ドル(C&F)で、4番船と同じだった。欧州産地との2026年第4四半期の交渉は、ラミナ(集成材の原板)より先に輸入の完成品が決着し、2四半期続けて上がった。

確認先: 大阪製鉄の11月契約値上げ(日刊産業新聞)、関西形鋼流通の値上げ(日刊鉄鋼新聞)、北関東の国産材丸太(日刊木材新聞)