建材の素材相場が上を向いた。鋼材では、電炉最大手の東京製鉄が2026年7月契約の販売価格で建材向けの主要品種を2カ月ぶりに引き上げた。木材でも、日刊木材新聞が杉や輸入米材、国産の構造用集成材で値上がりを伝えている。仕入れ値の底が上がり始めている。
鋼材は7月契約で1トン3000円高
東京製鉄は6月15日に公表した7月契約の販売価格で、H形鋼、I形鋼、溝形鋼、U形鋼矢板、異形棒鋼、厚板を1トンあたり3000円、熱延コイルや溶融亜鉛めっきコイルなど熱延系を2000円値上げした。5月契約以来2カ月ぶりの引き上げになる。
公表された価格を1トンあたりで見ると、H形鋼の中巾(148×100〜294×200)が11万6000円、異形棒鋼(SD295等・D13〜D25)が9万3000円、厚板(SS400ベース)が板厚により10万9000〜11万2000円。
| 品種 | 7月契約価格(円/トン) | 前月比 |
|---|---|---|
| H形鋼 中巾 | 116,000 | +3,000 |
| 異形棒鋼 D13〜D25 | 93,000 | +3,000 |
| 厚板 SS400 | 109,000〜112,000 | +3,000 |
このうち異形棒鋼は木造のベタ基礎で使う配筋材で、工務店の基礎工事の原価に直接効く。H形鋼や厚板、角形鋼管は鉄骨造や土木向けが主で、鋼材を扱う建材商社の仕入れに近い。
川上の鉄スクラップは反対に下げた。関東鉄源協同組合の輸出入札(H2換算)は6月の1トン5万4506円から7月は5万2508円へ、1998円下がった。海外市況の軟調が背景で、スクラップ安が続けば電炉各社の次の契約価格を下押しする要因になる。7月契約の値上げは、スクラップ安より副資材費や労務費など他のコスト上昇が上回った形になる。
特殊鋼でも、愛知製鋼が7月契約分から構造用鋼・ばね鋼・軸受鋼を1トン5000円以上、工具鋼を2〜5%値上げすると7月8日に発表した。用途は自動車部品や機械が中心で建材への直接の関わりは薄いが、鋼材全体が値上げ基調にあることの傍証になる。
木材は杉・輸入米材・集成材で値上がりの報
木材は、日刊木材新聞が第3・四半期にかけての値上がりを複数の品目で伝えている。九州の製品市況では杉の値上げが進み、輸入米材の製品ではKD小角が1年ぶりに値上がりに転じた。国産の構造用集成材も一段高となっている。カナダ西部内陸産のSPFは第3・四半期の交渉で前回値が据え置かれ、引き合いは二極化しているという。
木材相場は市況表の確定値が公開されないため、ここでは値上がりの方向だけを日刊木材新聞の報として示す。杉と国産集成材は木造の構造材に、輸入米材のKD小角は羽柄材に使う。方向としては、鋼材と木材の両面で新築の材料費が上ぶれしやすい局面にある。
確認先: 鋼材は東京製鉄の販売価格表と関東鉄源協同組合の輸出落札価格、木材は日刊木材新聞の各記事(杉、輸入米材KD小角、国産構造用集成材)。



