セメント大手の太平洋セメント、UBE三菱セメント、住友大阪セメントと、日本製鉄グループの日鉄高炉セメントの4社が、2027年4月からセメントと固化材をトン当たり3,000円以上値上げする。4社の発表は2026年4〜6月に出そろった。セメントは生コンクリートやモルタルの原料、固化材は地盤改良に使う材料で、基礎や外構の材料原価に関わる。

4社の改定内容

改定額は4社とも同じ水準で、適用の起点(出荷・荷渡し)と対象外の品種が社ごとに違う。

メーカー 対象 改定額 実施 発表
UBE三菱セメント セメント・固化材(すべての荷姿) トン当たり+3,000円以上 2027年4月1日荷渡し分から 2026年4月6日
太平洋セメント セメント・セメント系固化材 現行価格+3,000円/トン 2027年4月1日出荷分から 2026年5月12日
住友大阪セメント セメント・固化材(特殊セメント・混合セメントを除く) トン当たり+3,000円以上 2027年4月1日から 2026年6月1日
日鉄高炉セメント セメント及びセメント関連製品 現行価格+3,000円/トン以上 2027年4月1日出荷分から 2026年6月

対象外の品種は別に額を決める。太平洋セメントはシリカフュームプレミックスセメントとホワイトセメントを個別に設定する。住友大阪セメントは高炉セメントB種、早強セメント、中庸熱セメント、低熱セメント、フライアッシュセメント、中庸熱フライアッシュセメントを別途設定とし、額はまだ示していない。

値上げの理由

4社とも、国内のセメント需要の減少と、エネルギー・物流費・人件費の上昇を挙げる。太平洋セメントは、国内需要が前年度まで7年連続で減り、2023年度以降の3年間は毎年200万トン前後のペースで落ちたと説明する。UBE三菱セメントは、九州工場苅田第二地区のセメント生産停止を2025年12月に決めており、これ以上の出荷拠点の見直しは供給体制に支障が出るおそれがあるとする。同社は2030年までのコスト上昇をトン当たり少なくとも5,000円と見積もり、今回の改定を「まずもって」実施するものと位置付けた。

日鉄高炉セメントは2026年4月1日に日鉄セメントと経営統合した。統合後の効率化だけではコスト上昇を吸収できないとし、高炉セメントや高炉スラグ微粉末など低炭素型製品の供給地域を広げる設備投資も理由に挙げた。

発表から実施まで約1年空く理由

太平洋セメントは、関係業界の商習慣や製品価格への転嫁に一定の準備期間が要るため、この時期に発表したと説明している。

確認先: UBE三菱セメント、太平洋セメント、住友大阪セメント、日鉄高炉セメントの各公式告知。