輸入した建材を基礎や主要構造部に使うとき、建築基準法37条が認める道は2つしかない。大臣が指定するJISかJASに適合するか、大臣の認定を受けるか。海外製だから使えないのではなく、どちらも通っていない材料が使えない。JISマークは外国の工場にも付くし、輸入業者が認証を取って付けることもできる。

対象になる部分は、基礎と主要構造部のほか、構造耐力上主要な部分で基礎と主要構造部以外のもの、耐火構造・準耐火構造・防火構造の構造部分で主要構造部以外のもの、施行令109条の防火設備、内装または外装で安全上または防火上重要なもの、間仕切壁や屋外階段など防火上重要なもの、建築設備が入る(法37条、施行令144条の3)。

指定建築材料の23区分

平成12年建設省告示1446号第1が、法37条の対象になる建築材料を23区分で列挙している。この表に載る材料を上の部分に使うなら、JIS/JAS適合か大臣認定かのどちらかが要る。

建築材料
構造用鋼材及び鋳鋼
高力ボルト及びボルト
構造用ケーブル
鉄筋
溶接材料(炭素鋼、ステンレス鋼及びアルミニウム合金材の溶接)
ターンバックル
コンクリート
コンクリートブロック
免震材料
木質接着成形軸材料
十一 木質複合軸材料
十二 木質断熱複合パネル
十三 木質接着複合パネル
十四 タッピンねじその他これに類するもの
十五 打込み鋲
十六 アルミニウム合金材
十七 トラス用機械式継手
十八 膜材料、テント倉庫用膜材料及び膜構造用フィルム
十九 セラミックメーソンリーユニット
二十 石綿飛散防止剤
二十一 緊張材
二十二 軽量気泡コンクリートパネル
二十三 直交集成板

木質系が十から十三と二十三の5区分ある。十は木材の単板を積層接着または小片を集成接着した軸材、十一は製材や集成材を接着剤でI形や角形に複合構成した軸材、十二は有機発泡剤の両面に構造用合板等を接着した枠組のないパネル、十三は木材の枠組に構造用合板等を接着したパネル。輸入のエンジニアードウッドは名前が違っても定義で当たることがある。

この告示には適用除外がある。法20条1項1号の大臣認定を受けた構造方法を用いる建築物に使う建築材料で平成12年建設省告示1461号第9号ハに適合するもの、法85条5項の許可を受けた仮設建築物に使う建築材料、既存の建築物に使われている建築材料は外れる。

JISもJASも無い材料が通る道

法37条2号の認定は、法68条の25の構造方法等の認定として申請する。大臣は審査にあたって性能に関する評価に基づくものとされ、指定を受けた性能評価機関がその評価を行う。申請者は性能評価書を申請書に添えて出す(法68条の25第2項から第5項)。

外国で事業を行う者には別の入口がある。大臣は、外国にある事務所で性能評価を行おうとする者を承認性能評価機関として承認でき、外国で事業を行う者はその承認性能評価機関が作成した性能評価書を添えて認定を申請できる(法68条の25第6項・第7項、法77条の57)。海外のメーカーが日本の機関に材料を持ち込まずに評価を受ける経路になる。

審査の中身は材料の試験だけで終わらない。告示1446号第3が定める技術的基準は、別表第二の品質基準への適合と別表第三の検査に加えて、製造・運搬・保管の方法、検査設備の精度と性能、社内規格の整備、工程ごとの管理と不良品の処置、製造設備と検査設備の点検・校正・保守、外注管理、苦情処理と改善、記録の保存まで並ぶ。品質管理推進責任者を製造部門から独立した権限で選任し、品質水準の評価や出荷の承認を行わせることも条件に入る。品質保証の確保と国際取引の円滑化に資すると認められる場合は、品質マネジメントシステムの規格に適合していることを軸にした代替基準によれる(告示1446号第3第2項)。

工場の体制まで見るため、認定は材料の型式ごとかつ製造工場ごとに紐づく。同じ品番でも工場が変われば認定がそのまま乗るとは限らない。

JISマークは外国の工場にも輸入業者にも付く

産業標準化法30条1項は製造業者、2項は輸入業者と販売業者に、登録認証機関の認証を受けてJISマークを付ける道を開いている。37条1項は外国で事業を行う製造業者、2項は外国で事業を行う輸出業者を同じ枠に入れる。認証は、試験用の製品について製品試験を行って規格適合を審査し、あわせて製造品質管理体制が主務省令の基準に適合するかを審査して行う(30条3項)。日本産業標準調査会は、認証を受けた事業者が適合するJIS番号と登録認証機関名をマークに併記すると説明している。

輸入品の販売には制限がかかる。輸入業者は、認証によらないJISマークやこれと紛らわしい表示が付いた輸入品を販売できない(38条1項)。認証を受けて付けられたものであれば販売できる。主務大臣は、検査の結果、表示に係るJISに適合しない場合や製造品質管理体制が適正でない場合に、表示の除去・抹消や販売の停止を命じられる(36条1項)。

現物のマークを見るときの確認点は3つになる。マークが付いているか、JIS番号が併記されているか、登録認証機関名が併記されているか。番号も機関名も無いマークは、この制度によるものではない。

木材のJAS格付は誰が付けたかで見る

JAS法10条は、登録認証機関の認証を受けた事業者が、その取扱いや生産行程の管理に係る農林物資に格付の表示を付けるとしている。輸入品には12条の道があり、輸入業者があらかじめ事業所と農林物資の種類ごとに登録認証機関の認証を受けたうえで、証明書またはその写しが添付された農林物資に格付の表示を付けられる。この証明書は、日本の格付制度と同等の水準にあると認められる国として主務省令で定める国の政府機関等が発行したものに限られる(12条2項)。

37条は、これらの場合を除いて格付の表示を付けることを禁じる。40条は、格付の表示や適合の表示、これらと紛らわしい表示が付いた輸入品について、輸入業者が譲り渡し、譲渡しの委託をし、譲渡しのために陳列することを禁じ、認証を受けた外国の事業者が付けた表示などを例外として並べている。

輸入合板や輸入集成材のJASマークで見るのは、外国の製造業者が登録認証機関の認証を受けて付けたものか、輸入業者が12条の認証を受けて付けたものか、という点になる。

内装材はF☆☆☆☆等の等級が無いと第1種

居室の壁、床、天井とこれらの開口部の建具の室内に面する部分(回り縁と窓台等を除く)が、内装の仕上げとして規制される(施行令20条の7第1項1号)。区分と等級の対応は国土交通省が次のように整理している。

夏季の発散速度 区分 対応するJIS・JASの等級 内装の仕上げの制限
0.12mg/㎡h超 第1種ホルムアルデヒド発散建築材料 旧E2、Fc2相当、無等級 使用禁止
0.02mg/㎡h超 0.12mg/㎡h以下 第2種ホルムアルデヒド発散建築材料 F☆☆ 使用面積を制限
0.005mg/㎡h超 0.02mg/㎡h以下 第3種ホルムアルデヒド発散建築材料 F☆☆☆ 使用面積を制限
0.005mg/㎡h以下 区分に該当しない F☆☆☆☆ 制限なし

等級表示のない輸入材料は無等級として第1種の扱いになり、居室の内装仕上げには使えない。使う経路は大臣認定で、第1種のうち0.12mg/㎡h超を発散させないと認定されたものは第2種とみなされ、0.02mg/㎡h超を発散させないと認定されたものは第3種とみなされ、0.005mg/㎡h超を発散させないと認定されたものはどの区分にも当たらないものとみなされる(施行令20条の7第2項から第4項)。

第2種と第3種を使うときは、使用部分の面積に係数を掛けた面積の合計が居室の床面積を超えないこと、という縛りがかかる(同条1項2号)。係数は居室の種類と換気回数で変わる。

居室 換気の条件 第2種の係数 第3種の係数
住宅等の居室 換気回数0.7以上の機械換気設備等 1.2 0.20
住宅等の居室 その他 2.8 0.50
住宅等の居室以外 換気回数0.7以上の機械換気設備等 0.88 0.15
住宅等の居室以外 換気回数0.5以上0.7未満の機械換気設備等 1.4 0.25
住宅等の居室以外 その他 3.0 0.50

天井裏、小屋裏、床裏、壁、物置についても、機械換気設備または中央管理方式の空気調和設備を設ける場合は流入を抑える措置が要る。下地材や断熱材に第1種と第2種を使わないか、気密層または通気止めで区画するか、居室の空気圧が天井裏等以上になるよう機械換気で調整するかの3択になる。輸入の断熱材を下地側に回すときにここへ当たる。

規制物質はホルムアルデヒドとクロルピリホスの2つで、クロルピリホスを添加した建築材料は使えない(施行令20条の5、20条の6)。

型式適合認定は建築物の部分の制度

法68条の10の型式適合認定は、建築材料または主要構造部、建築設備その他の建築物の部分で政令で定めるものの型式が、構造上の基準その他の技術的基準に関する一連の規定に適合することの認定を指す。対象と一連の規定は施行令136条の2の11が定め、防火設備、換気設備、屎尿浄化槽、合併処理浄化槽などが表で個別に挙がっている。

これに続く仕組みが法68条の11の型式部材等製造者の認証で、規格化された型式の建築材料や建築物の部分、建築物を製造する者を大臣が認証する。認証を受けた型式部材等は、確認の審査でその型式に適合するものとみなされ、表示を付けたものは完了検査等でも同じ扱いになる(法68条の20)。

法37条の材料の品質の話とは別の手続で、一方を取れば他方が要らなくなる関係ではない。施行令136条の2の11の一連の規定には法37条も含まれるため、型式適合認定を受ける側でも材料の品質の要件は残る。

輸入木材は合法性の確認が義務

クリーンウッド法(合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律)は、2025年4月1日施行の改正で、川上と水際の事業者に合法性の確認を義務づけた。林野庁は、国内市場に最初に木材を持ち込む輸入商社や製材工場を第1種木材関連事業者と呼び、原材料情報の収集、合法性の確認、記録の作成、情報の伝達を義務としている。第2種は情報の受取、保存、伝達が努力義務にあたる。記録の保存期間は作成から5年。

法律の側から見ると、木材関連事業者には木材等の製造、加工、輸入、輸出、販売の事業のほか、木材を使用して建築物その他の工作物の建築または建設をする事業も含まれる(法2条4項)。工務店も木材関連事業者に入る。

合法性の確認が義務になるのは、素材生産販売事業者からの素材の譲受け、外国において日本へ輸出される木材等の譲渡しをする事業を営む者からの木材等の譲受け、自ら伐採した樹木を材料とする素材の加工の3つの場合(法6条1項)。原材料情報:樹木の樹種と伐採された地域、および森林法10条の8第1項の届出書の写しか原産国の政府機関が発行した適法伐採の証明書の写し、またはこれらに代わる政令で定める情報(法6条2項)。

記録は原材料情報に関するものと、合法性確認木材等であるか否かの別とその理由に関するものの2本を作り、保存する(法7条)。他の木材関連事業者へ譲り渡すときは、記録に関する情報と合法性確認木材等であるか否かの別を伝達する(法8条)。

守らない場合は、指導・助言の後に勧告があり、勧告に従わなければ公表、公表後もなお正当な理由なく措置をとらなければ命令に進む(法10条、法11条)。取扱量または取扱額が主務省令の基準以上の事業者は、毎年1回、取り扱った木材等の総量とそのうちの合法性確認木材等の数量を主務大臣に報告する(法12条)。

輸入許可までに何日かかるか

貨物を輸入しようとする者は、品名、数量、価格その他必要な事項を税関長に申告し、必要な検査を経て許可を受ける(関税法67条)。他の法令で輸入に許可や承認が要る貨物は、輸入申告の際にそれを受けている旨を税関に証明し、検査や条件の具備が要る貨物はその完了と具備を証明して確認を受ける。証明されず、確認を受けられない貨物は輸入を許可しない(関税法70条)。植物防疫や合法性の書類が揃わないまま船が着いても、貨物は動かない。

財務省の第13回輸入通関手続の所要時間調査(令和6年3月11日から17日)の平均値は次のとおり。

区分 入港~搬入 搬入~申告 申告~許可 総所要時間
海上貨物(全体) 27.4時間 25.9時間 1.0時間 54.3時間(2.3日)
海上貨物(小口貨物を除く) 45.9時間 46.3時間 1.6時間 93.7時間(3.9日)
航空貨物 15.4時間 7.6時間 0.3時間 23.3時間(1.0日)

前回の第12回(平成30年)は海上貨物が61.9時間、航空貨物が12.3時間だった。海上は7時間ほど短くなり、航空は11時間ほど延びている。第13回では通販貨物や課税価格1万円以下の免税対象貨物のような小口貨物が増えた影響が大きく、財務省は単純比較ができないとして小口を除いた数値を併記している。

工程別に見ると、申告から許可までは海上で1.0時間、航空で0.3時間。日数を作っているのは入港から搬入までと、搬入から申告までの区間になる。書類が揃わずに申告できない期間がそのまま滞留時間になる構造で、税関の審査そのものは1時間前後で終わっている。

前倒しの制度も2つある。予備審査制:貨物が到着する前に予備申告を行い、税関の審査を先に受けておく制度。他法令の手続と同時並行で税関の審査を受けられ、保税地域への搬入後に正式な申告を行った時点では審査が済んでいる。到着即時輸入申告制度:NACCSで予備申告した貨物のうち検査が不要とされたものについて、到着が確認されれば保税地域へ搬入する前に申告して許可を受けられる制度。

発注前に押さえる書類

確認すること 見るもの 根拠
告示1446号第1の23区分に当たるか 材料の定義と使う部位 法37条、施行令144条の3
当たる場合、JIS/JASに適合しているか JISマークとJIS番号、登録認証機関名/JASの格付表示 法37条1号、告示1446号第2
適合しない場合、大臣認定を取っているか 認定書の写し、認定番号、対象の製造工場 法37条2号、法68条の25
輸入品のJISマークが認証に基づくか 認証事業者名と登録認証機関名 産業標準化法30条2項、37条1項、38条1項
JAS格付を誰が付けたか 外国の製造業者の認証か、輸入業者の12条の認証か JAS法12条、37条、40条
内装仕上げに使うか F☆☆☆☆等の等級表示、無ければ大臣認定 施行令20条の7
木材か 樹種と伐採地域、合法性を証する書類 クリーンウッド法6条、7条
他法令の許可・承認が要るか 申告時に証明できる書類 関税法70条
納期の起点 入港日ではなく書類が揃う日 財務省 第13回所要時間調査

確認先: 指定建築材料の品質に関する性能評価(法第37条性能評価)クリーンウッド法の制度について(林野庁)