FP060NE-9305 という認定番号は、記号の並びだけで中身の見当がつく。FPが耐火構造、060が60分、NEが外壁の非耐力壁を指す。この番号は吹付けロックウール被覆外壁で、認定年月日は2002年5月17日、旧認定番号は「耐火(通)Wn1111」。認定情報データベースの詳細ページに旧番号まで載っている。
記号と対象条文の対応は国土交通省が「認定区分と対象条文」で公表している。数字は要求される時間で、030が30分、045が45分、060が1時間、120が2時間、180が3時間。防火材料には時間の数字がなく、記号のあとに通し番号が続く。
認定記号が指す部位と条文
| 記号 | 対象 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| FP***BE | 耐火構造の外壁(耐力壁) | 法2条七号、令107条一号から三号 |
| FP***BP | 耐火構造の間仕切壁(耐力壁) | 法2条七号、令107条一号と二号 |
| FP***NE | 耐火構造の外壁(非耐力壁) | 法2条七号、令107条二号と三号 |
| FP***NP | 耐火構造の間仕切壁(非耐力壁) | 法2条七号、令107条二号 |
| FP***CN | 耐火構造の柱 | 法2条七号、令107条一号 |
| FP***FL | 耐火構造の床 | 法2条七号、令107条一号と二号 |
| FP***BM | 耐火構造のはり | 法2条七号、令107条一号 |
| FP***RF | 耐火構造の屋根 | 法2条七号、令107条一号と三号 |
| FP***ST | 耐火構造の階段 | 法2条七号、令107条一号 |
| QFBE から QFST | 準耐火構造の各部位(FPと同じ並び) | 法2条七号の二、令107条の2 |
| QF***RS | 準耐火構造の軒裏 | 法2条七号の二、令107条の2第二号 |
| QF***CE | 準耐火構造の天井 | 帳簿の認定区分にあり |
| PC030BE | 防火構造の外壁(耐力壁)30分 | 法2条八号、令108条一号と二号 |
| PC030NE | 防火構造の外壁(非耐力壁)30分 | 法2条八号、令108条二号 |
| PC030RS | 防火構造の軒裏30分 | 法2条八号、令108条二号 |
| QP020BE | 準防火構造の外壁(耐力壁)20分 | 法23条、令109条の6 |
| NM | 不燃材料 | 法2条九号、令108条の2第一号から三号 |
| NE | 不燃材料(外部の仕上げに用いる場合に限る) | 法2条九号、令108条の2第一号と二号 |
| QM | 準不燃材料 | 令1条五号、令108条の2第一号から三号 |
| QE | 準不燃材料(外部の仕上げに用いる場合に限る) | 令1条五号、令108条の2第一号と二号 |
| RM | 難燃材料 | 令1条六号、令108条の2 |
| RE | 難燃材料(外部の仕上げに用いる場合に限る) | 令1条六号、令108条の2第一号と二号 |
| EA | 特定防火設備(防火区画の開口部) | 令112条1項 |
| EB | 耐火建築物等の外壁防火設備(20分間の遮炎性能) | 法2条九号の二ロ、令109条の2 |
| EBN*** | 防火地域等の外壁防火設備 | 法61条1項 |
| EC | 防火地域等の外壁防火設備(20分間の準遮炎性能) | 法61条1項、令137条の10第一号ロ(4) |
| ED | 小規模な竪穴区画の開口部 | 令112条12項 |
| EH*** | 火熱遮断壁等の防火設備(遮熱) | 令108条の3第一号、令109条の8 |
| CAT | 防火設備の作動性能等(熱感知器連動) | 令112条14項一号 |
| CAS | 防火設備の作動性能等(煙感知器連動) | 令112条14項二号 |
| CC | 柱の防火被覆 | 令70条 |
| CCN | 不燃性を有する建築物の部分 | 令115条1項三号ロ |
| NH***FL | 防火壁の設置を要しない建築物の床等 | 令109条の3第二号ハ、令115条の2第1項四号 |
| FI***RF | 防火壁を設けた部分の屋根の構造等 | 令109条の3第一号、令113条1項三号 |
| DR、DW | 防火地域または準防火地域内の建築物の屋根 | 法63条、令136条の2の2 |
| UR、UW | 法22条1項の区域内にある建築物の屋根 | 法22条1項、令109条の5 |
| PSWL、PSFL | 防火区画を貫通する管 | 令129条の2の5第1項七号ハ |
| SOI | 界壁の遮音構造 | 法30条、令22条の3 |
外部仕上用の記号は室内には使えない。NEとQEとREの対象条文は令108条の2の第一号と第二号までで、発煙係数を定める第三号が外れているためで、同じ不燃材料でもNMとNEは適用できる部位が違う。
DWとUWは屋根の記号のうち不燃性の物品を保管する倉庫用のもので、一般の建築物向けはDRとURになる。
番号を照合できる先は3つ
構造方法等の認定に係る帳簿:施行規則10条の5の22第1項が「認定書をもつて申請者に通知するとともに、次に掲げる事項を記載した帳簿を作成し、一般の閲覧に供するものとする」と定めるもので、国土交通省が認定区分ごとにPDFで公開している。載るのは認定を受けた者の氏名または名称と住所、認定を受けた構造方法等の名称、認定番号、認定年月日、性能評価を行った指定性能評価機関または承認性能評価機関の名称の5項目。
認定情報データベース:一般社団法人建築性能基準推進協会が国土交通省建築指導課の指導のもとで提供している検索システム。認定番号、申請者の氏名または名称、構造方法等の名称、管理会社名、製品名、認定日、性能評価機関で絞り込める。一般に開示されるのは「構造方法等の名称」「認定番号」「認定日」「認定取得者」の4項目。
認定を受けた者:仕様そのものは認定書の別添にあり、公開されていない。国土交通省は帳簿のページで「認定を受けた構造方法等の内容(具体的な仕様等)に関するお問い合わせには御回答いたしかねます」として、詳細は認定取得者に直接問い合わせるよう案内している。
帳簿PDFは認定区分ごとに分かれ、掲載範囲は認定日が平成25年4月1日から令和8年7月31日まで。それより前の認定は同じ区分の別のPDFに載る。分量は耐火構造の帳簿で360ページあり、表示は認定日の新しい順。
帳簿には3つの限界がついている。記載内容は認定を受けたときの情報であること、同一の申請者が同様の認定を受けたことで過去の認定が廃止されている場合があること、一部が整備中で掲載されていないこと。直近の状況を追うなら認定情報データベースのほうで、こちらは認定の状況として「認定取消」「失効」「(誤記訂正の為)認定取消」が区別され、誤記訂正で取り消された認定は詳細ページに新しい認定番号が書かれている。事業譲渡や社名変更があっても「現在の管理会社名」で追える。
認定書の別添が現場に回ってこない理由
2010年6月1日から、建築材料(防火材料とシックハウス建材)、防耐火構造、防火設備、区画貫通の管、遮音構造の認定書の写しは、構造方法等の認定データベースを通じて特定行政庁と指定確認検査機関と構造計算適合性判定機関に閲覧提供されている。施行を知らせた同年5月26日付けの技術的助言は建築主事等に対し「既に認定書の写しを有している場合や構造方法等の認定データベース等によりその内容を確認できる場合には、申請図書の簡素化の趣旨を踏まえ、申請者等に対して認定書の写しの提出を求めないよう留意されたい」としている。
認定情報データベース側の表記では、「認定書写しの公開」が「公開中」なら確認申請時等に大臣認定書のコピーと別添の添付は不要(一部の審査機関を除く)。仕様が書かれた別添は確認申請の図書として残らず、現場が手元に持つのはメーカーの施工要領書とカタログになる。
括弧数字と枝番号の読み方
認定番号の末尾には2種類の付加がある。ひとつは仕様のバリエーションを表す括弧数字で、認定書はバリエーションの数だけ交付され、番号もバリエーションごとに割り振られる。ABCD-1234(1) から ABCD-1234(n) の形になる。試験を実施した仕様を仕様1とし、試験を実施した仕様よりも有利な仕様のものに限って、1通の認定申請書でまとめて申請できる。
もうひとつは試験なし評価で取得したときの枝番号で、試験を実施したときの認定番号に -1 が付き、ABCD-1234-1(1) の形になる。2回目以降の試験なし評価なら ABCD-1234-2(1) になる。
ここに落とし穴がある。国土交通省の資料は「当初の認定番号の括弧数字の仕様と、試験なし評価の認定番号の括弧数字の仕様が、対応するとは限らない」と明記している。ABCD-1234(2) と ABCD-1234-1(2) は別の仕様でありうる。カタログの型番と認定番号を突き合わせるときは、括弧数字だけを見て同じ仕様と判断できない。
現場仕様が認定仕様とずれたときの分岐
まず計画変更確認が要るかどうかで分かれる。施行規則3条の2第1項が定める軽微な変更は「変更後も建築物の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの」に限られ、防耐火については同項13号の表が変更前と変更後の組み合わせを列挙している。
| 変更前 | 軽微な変更として扱える変更後 |
|---|---|
| 不燃材料 | 不燃材料 |
| 準不燃材料 | 不燃材料または準不燃材料 |
| 難燃材料 | 不燃材料、準不燃材料または難燃材料 |
| 耐火構造 | 耐火構造 |
| 準耐火構造 | 耐火構造または準耐火構造(下の条件付き) |
| 防火構造 | 耐火構造、準耐火構造または防火構造 |
| 令109条の3第一号の技術的基準に適合する構造 | 耐火構造、準耐火構造または同号に適合する構造 |
| 令115条の2第1項四号の技術的基準に適合する構造 | 耐火構造、準耐火構造または同号に適合する構造 |
| 特定防火設備 | 特定防火設備 |
| 令109条の2の防火設備(20分遮炎) | 特定防火設備、令114条5項で準用する令112条21項の防火設備、令109条の2の防火設備 |
| 令110条の3の防火設備 | 上の3つに令110条の3の防火設備を加えたもの |
準耐火構造から準耐火構造への差し替えには条件が付く。変更後の構造について、加熱開始後に構造耐力上支障のある変形や溶融や破壊その他の損傷を生じない時間、加熱面以外の屋内に面する面の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しない時間、屋外に火炎を出す原因となる亀裂その他の損傷を生じない時間の3つが、それぞれ変更前の構造の時間以上でなければならない。同じ45分準耐火の認定同士でも、内訳のひとつが変更前を下回れば軽微な変更にならず、計画変更確認の対象になる。
2010年の技術的助言は軽微な変更の対象を広げた際に、「中間検査及び完了検査において、検査をした建築物等が建築基準関係規定に適合しない場合は、是正命令等の対象となる」と付言している。
認定外壁にタイルを張る場合
耐火構造の認定を取った外壁に、認定書に書かれていない仕上げを後から張ると認定仕様から外れる。この点は2015年2月13日付け国住指第4291号の技術的助言が範囲を示した。認定仕様に適合する外壁のうち外装材に窯業系サイディングを用いるものに、屋外側に有機系接着剤で次の材料を張ったものは、認定を受けた仕様に適合する外壁として取り扱って支障がないとされている。
| 外壁の種類 | 張れる材料 |
|---|---|
| 耐火構造の外壁 | 平成12年建設省告示1400号(不燃材料)1号から15号までの材料、告示1399号第1第4号から第7号までの屋外側の防火被覆に用いる材料 |
| 1時間準耐火構造の外壁(令115条の2の2第1項1号イからハ) | 上に加えて告示1380号第1第3号と第4号の屋外側の防火被覆に用いる材料 |
| 準耐火構造の外壁 | 上に加えて告示1358号第1第3号から第5号までの屋外側の防火被覆に用いる材料 |
| 防火構造の外壁 | 上に加えて告示1359号第1各号の屋外側の防火被覆に用いる材料 |
| 準防火構造の外壁(令109条の6各号) | 上に加えて告示1362号第1と第2の屋外側の防火被覆に用いる材料 |
対象は窯業系サイディングを外装材とする仕様に限られ、接着方法も有機系接着剤による張り付けが前提になっている。
メーカー側の変更で番号が変わったとき
認定そのものが変わって番号が動くこともある。国土交通省は2021年6月30日付け国住指第1233号ほかで、変更のための申請を要さず字句を読み替えてよい類型を定め、2026年3月12日付け国住指第462号ほかで1類型を追加した。
| 変更の中身 | 読み替え | 条件 |
|---|---|---|
| 認定書別添に載る部材や材料の製品名、社名、製造工場名の変更 | 変更前の製品名等を変更後の製品名等に読み替え | 性能と品質と製造方法に変更がないことを製造者が国土交通省に届け出て、国土交通省が読み替えて差し支えない旨を周知したもの |
| 法37条2号の指定建築材料で品質管理の変更に伴い新認定を取得 | 新認定の番号を変更前の番号に読み替え | 申請時に読み替えを申請し、告示1446号第3第1項1号の品質基準等に変更がなく、新認定書に変更前の認定に適合するものとみなして差し支えない旨が付記されたもの |
| 認定書別添の誤記の校正に伴う新認定 | 校正前の番号を新認定の番号に読み替え | 要求性能に影響を及ぼさない誤記として大臣が認め、国土交通省が周知したもの |
| 防耐火構造、防火設備、防火材料で、当初の試験結果により認められる範囲内の仕様への変更(2026年3月12日追加分) | 新認定の番号を変更前の番号に読み替え | 指定性能評価機関が新たな試験を要しない性能評価を行って大臣の確認を受け、新認定書に上と同じ付記があること |
2026年に追加された類型が想定するのは、当初の認定で認められていた複数の仕様が変更認定でその一部だけに絞られていたものを、再び複数の仕様に戻す場合など。読み替えの対象になるのは型式適合認定、型式部材等製造者の認証、住宅型式性能認定、型式住宅部分等製造者の認証で、構造方法等の認定と特殊構造方法等認定と特別評価方法認定については法37条2号の認定変更の場合に限られる。
読み替えが認められた個別の件は国土交通省が一覧で公表している。製品名等の変更の一覧、品質管理の変更の一覧が帳簿のページからたどれる。
認定不適合が起きたときに走る手続
どの類型にも当たらず、供給されていた材料や部材が認定に定められた仕様に適合していなかったときは、認定の取り直しになる。国土交通省は「認定不適合状態の解消のために取得された大臣認定一覧」を公開しており、2018年度以降に取得されたものを順次掲載している。
一覧の掲載は410件。備考が「認定不適合の解消(元の認定は有効)」のものが353件、「(元の認定は取消)」のものが29件で、大半は元の認定が有効なまま新しい認定が並ぶ形になっている。残る28件は備考の書き方が行ごとに違い、引き続き有効な認定番号と無効になる認定番号を個別に列挙したものや、誤記校正に伴うものがある。最新の認定年月日は2026年4月27日。記載項目は認定を受けた構造方法等の名称、認定を受けた者の氏名と住所、問い合わせ先の電話番号と受付時間、性能評価機関の名称、元の認定の番号と認定年月日、新たに取得された認定の番号と認定年月日。
一覧に出てくる認定番号は防火設備のEBが最も多く、不燃材料のNM、コンクリートのMCON、防火構造の外壁のPC030BEが続く。並びは個社ごとで、LIXILの防火窓はEB-1885-6(2024年2月16日)が2026年2月24日のEB-1885-7へ、ニチハの軒裏はQF045RS-0060(2005年1月14日)が2025年11月10日のQF045RS-0528へ、いずれも元の認定は有効のまま置き換わっている。
国土交通省はこの一覧について「当該認定に定められた仕様等に適合しない材料・部材等であって、必要な性能等を満たしていることが確認されたものについて、実際に供給されていた仕様等で新たに取得された大臣認定を一覧にしたもの」と説明している。連絡経路は事業者からの通知で、「事業者に対しては、事業者から所有者・設計者・施工者等宛てに連絡するよう指示しております」「建築物に同表に掲載されたものが用いられたおそれがある場合は、設計者・施工者等にご依頼するなどして、同表の問い合わせ先にご確認ください」としている。問い合わせ窓口は一覧の各行に書かれている。
2026年10月1日から条件が付くウレタン系の防火材料
吹付けウレタンフォームとポリイソシアヌレートフォームの防火材料は、2026年3月の「防火材料の安全性向上に関するガイドライン」を受けて既存の大臣認定が整理された。2026年4月1日付けの事務連絡が扱いを示している。
過去に製造と出荷の実績がなく今後の予定もない既存認定は、申請者からの取下げ申請に基づき2026年4月1日付けで取り消された。実績がある、または今後の予定がある既存認定は変更申請に基づいて変更認定が順次行われ、変更後の認定書別添に次の注意事項が入る。
本仕様を 2026 年 10 月 1 日以降に着工する建築物において建築基準法にて難燃性能以上の材料が要求される部分に施工するにあたっては、所定の性能を発揮するように無機系の材料(火熱により溶融・脱落の危険性のあるもの(アルミニウム合金はく・アルミニウム合金板など)を除く)で適切に被覆し、表面を室内に露出させないこと。
認定書の側には「認定番号NM―〇〇については、今後本認定番号NM―〇〇-1に読み替えて運用することとし、認定番号NM―〇〇については取り消す」と記載される。設計図書に従前の認定番号が書かれている場合は、変更後の認定書の記載に従って読み替える扱い。変更前の認定に基づいて既に使われている防火材料は変更後の認定に包含される。
事務連絡の別紙に載る認定番号は59件で、不燃材料のNMが48件、準不燃材料のQMが8件、難燃材料のRMが3件。



