栃木県の国産スギ3メートル柱材が2万2,000円台前半まで上がり、ヒノキ3メートル柱材の1万8,000円台半ばを上回った。日本木材総合情報センターが10月20日に公表した10月の木材価格・需給動向による。9月の同じ調査ではスギ3メートル柱材は1万6,000円台半ばで、ウッドショック以来の高値とされていた水準からさらに上がった。
長雨で丸太の出荷が前年の57%に
栃木県では長雨で伐採作業が進まず、丸太の生産が遅れている。前月の出荷量は前年の57%まで落ち込んだ。10月前半も傷んだ搬出路の復旧で入荷は少ないが、天候が戻れば伐採は通常に戻り、供給も順調に進むとみられている。スギ材は品不足から引き合いが強く、4メートル中目材も1万7,000円台後半と、9月の1万4,000円台半ばから上がった。ヒノキ材は4メートル中目材が2万2,000円台前半。
群馬県でも長雨で原木の集荷が低調で、スギ柱と間柱は値上がり傾向、ヒノキ土台と柱は弱い。製材工場の原木在庫はスギが100%、ヒノキが70%の状況で、原木消費は100%程度。製品の売れ行きは鈍く、ガラ貫や大貫の在庫が多い。
米材は在庫率1.19カ月に上昇
米材の産地では、カナダBC州の沿岸部で降雨が続き、山火事のシーズンは終わった。産地の港の在庫はカナダがごく少ない状態が続き、米国は船積みに必要な分が出ている。太平洋のバルク船の運賃は例年の夏の値下がりがなく高止まりし、船の燃料はピークの70%程度まで下がった後、中東情勢で再び上がった。
価格と数量は次のとおり。米マツIS級並の対日輸出価格(推定)は$990/千SCで前月と同額。ランダムレングス紙の15種平均価格は10月6日時点で$494/Mと、9月初めから2.18%下がった。8月の原木入荷は99.7千立方メートル(うち合板用4.2千立方メートル)で、米国産の累計は621千立方メートル(前年同期比9.4%減)、カナダ産の累計は220千立方メートル(同37.2%減)。出荷は85.0千立方メートル(前月比21.1%減)にとどまり、8月末の在庫は137千立方メートル、在庫率は1.19カ月と前月の1.05カ月から上がった。
東京木材埠頭の9月の米材は、入荷量6,846立方メートル(前月比8.3%減)、出荷量8,103立方メートル(同20.4%増)、月末在庫量18,312立方メートル(同6.4%減)。国内では大手製材メーカーの米マツ平角で乱尺サイズが入りにくくなっており、今後の供給に注意が要るとされる。
欧州材は国産材とLVLへの切り替えが進む
欧州材は第3四半期(10〜12月積み)の交渉が始まったが、主要サプライヤーのオファー数量は少ないままで、日本側の引き合いも強くない。オファー価格は上がったものの、円高で円建てのコストは下がった。東京木材埠頭の9月末在庫は2万立方メートルを下回る低い水準になったが、欧州産間柱類は荷動きが鈍く、価格は下がり気味。国産材やLVLへの切り替えがはっきり進んでいる。集成柱と集成梁には値上げの動きがあるが、各社は慎重な姿勢を崩していない。
北洋材は産地で夏の伐採が続き冬の伐採の準備に入ったが、日本向けの生産は大きく減っている。アカマツ原板はオファーがごくわずかで、$420/立方メートル以下では買えない。アカマツ完成品は$500〜540/立方メートルで、一部に高値の買いもある。8月の製品入荷(東京と川崎)は12.8千立方メートル、出荷は9.1千立方メートル、在庫は42.9千立方メートル。アカマツからスギ、LVL、鋼製野縁への置き換えが進む一方、一定の需要は底堅い。低質材が日本向けに出てこないため、野縁のDグレードや桟木の品不足が続いている。
合板は生産と出荷が減り、相場は横ばい
9月の国産合板は、長雨による現場の遅れなどでルート(問屋経由の流通)を中心に荷動きが低調で、当用買いが中心になった。プレカット工場を含む直需系は好調を保っている。国内合板の8月の数量は次の表のとおり。
| 国内合板(8月) | 数量 | 前月比 |
|---|---|---|
| 生産量 | 19.5万立方メートル | 84% |
| 出荷量 | 17.1万立方メートル | 80.4% |
| 在庫量 | 22.8万立方メートル | 110.7% |
9月の合板価格は8月から横ばいで、10月の再値上げの発表後も横ばいが続く。国産、輸入とも流通在庫は薄いが、出荷が鈍いうえに当用買いが中心のため、在庫は増えにくい。輸入合板も荷動きが鈍く、通常流通品の12ミリ系も振るわない。新規契約が進まず、今後の入荷はさらに減る見込み。インドネシアのカリマンタン島中部の渇水で丸太の運搬に影響が出ているうえ、全国の主要港が満床気味で入荷を調整しており、現地の出荷と今後の入荷に響いている。
集成材の受注は前年比106%、10〜11月に段階的な値上げの見込み
構造用集成材は、9月のラミナ入荷が前月比98%。台風で入港が遅れ、在庫は減った。第3四半期の契約は1立方メートルあたり265ユーロ前後で、ユーロ建ての単価も上がっているため、ラミナの仕入れ価格は高止まりする見通し。欧州の産地では豪雨による原木不足でラミナ生産が制限され、第3四半期契約分の出荷遅れが心配されている。
国内集成材メーカーの受注は前年同月比約106%、前月比111%だった。石油製品の不足が解消し、秋の需要に向けた資材手配や上棟数の増加で需要が底上げされ、10月までは販売の好調が続くとみられる。原料高と製造コスト高から、10〜11月に段階的な値上げが見込まれている。8月の構造用集成材の輸入量は、小断面が12.0千立方メートル(前年同月比44.3%減)、中断面が13.5千立方メートル(同34.5%減)。
翌月の見通しは国産合板が上昇
参考資料の矢印表(今月に対する翌月の動向)では、国産合板の4品目の価格が上昇とされた。合板の供給量は国内製造、輸入とも減少の見通し。
| 区分 | 翌月の見通し |
|---|---|
| 国産合板(タイプ2 2.3ミリ、同4.0ミリ、型枠12ミリ、針葉樹構造用12ミリ)の価格 | 上昇 |
| 合板供給量(国内製造、インドネシアとマレーシアからの輸入) | 減少 |
| 米マツISタイプ丸太の産地価格と国内卸売価格 | 上昇 |
| スギ中丸太(3.65メートル)の卸売価格 | 上昇 |
| 米材丸太の入荷と出荷 | 増加(在庫は減少) |
| スギとヒノキの柱角、間柱、土台角などの製材品、構造用集成材の価格 | 横ばい |
プレカットは大手と中小で差
市売問屋では、資材高と円安による価格差もあり、大手ビルダーを中心に外材から国産材への切り替えが進んでいる。国産造作材は学校の補修工事でスギ羽目板や枠材の出荷が伸びた。米材造作材は供給が戻らず価格も高止まりで、数量がまとまらない。建材では合板の荷動きが止まっており、床板とフロアは置床用を中心に動きが鈍く、価格は横ばい。
プレカット工場は、大手が分譲ビルダーや集合住宅向けの堅調な受注で11月まで高い稼働を見込む一方、中小は地場工務店や木建ルートの需要不振で低調。地場工務店では見積もり依頼や10〜11月の受注に上向きがみられるが、住宅会社の間の受注の差は広がっている。ナフサショックに伴う資材の納入遅れは解消したが、建材の値上げが本格化し、住宅価格の上昇につながっている。
木材チップは製紙用、バイオマス発電用とも小径材(C材)の引き合いが強く、8月のC材価格(チップ工場着)は全国平均で1立方メートル7,900円。燃料用の建設廃材の入荷は前年より減っており、冬に向けて慢性的な不足感が出るとみられている。



