栃木県の国産スギ柱材が、ウッドショック以来の高値になった。日本木材総合情報センターが9月14日に公表した9月の木材価格・需給動向による。3メートル柱材は1万6,000円台半ば、4メートル中目材は1万4,000円台半ばで推移し、材不足を背景に引き合いが強まっている。

長雨で丸太の搬出が滞る

栃木県では長雨や大雨で作業路が崩れ、丸太の搬出や生産が滞っている。市場への入荷や集荷は細り、スギ材は品不足から引き取りが良く、土場には空きが出ている。ヒノキ材は3メートル材が値下がり傾向で全般に弱含み、3メートル柱材は1万8,000円台前半、4メートル中目材は1万8,000円台後半で推移する。

群馬県では虫害を避けて原木の集荷を控え、在庫を消化する動きが続く。原木在庫はスギ、ヒノキともに100%の水準、原木消費も100%程度。製品はスギ柱、間柱が値上がり傾向で、ヒノキ土台、柱は引き続き弱い。乾燥用の灯油とトラック用軽油の値上がりも重なり、現場は遅れ気味になっている。

外材は燃料費の転嫁で産地価格が上昇

米材は、カナダ東部と米国東部がエルニーニョ現象とみられる猛暑に見舞われる一方、BC州や米国北西部の沿岸部は本格的な山火事警戒には至っていない。産地港頭の在庫はカナダが乏しい状態が続き、米国は船積みに必要な分の出材にとどまる。トラックや重機の燃料費上昇分の転嫁で、産地価格は上昇基調にある。米マツIS級並の対日輸出価格(推定)は$990/千SCで前月とほぼ同水準。ランダムレングス紙発表の15種平均価格は9月1日時点で$505/Mとなり、8月初めから5.43%下がった。6月の原木入荷は128千立方メートルで、米国産の累計は486千立方メートル(前年同期比13.4%減)、カナダ産の累計は170千立方メートル(同36.6%減)。在庫率は1.26カ月と、前月の1.06カ月から積み上がった。国内では為替の影響もあり国産材への樹種変更が進み、米加材離れが加速。大手製材メーカーは米マツ平角を9月1日納品分から値上げした。

欧州材は夏季休暇と交渉の狭間で動きが静かで、まもなく第3四半期(10〜12月)積みの交渉が始まる。産地価格はまず横ばい提示の見込みで、日本側の引き合いも落ち着いている。国内では欧州産間柱類の荷動きがコスト高で鈍く、第2四半期契約玉の入荷増で一時的に荷余りする可能性もある。集成柱、集成梁は一部メーカーの値上げ発表に各社が追随を予定するが、値上げには慎重な構えを崩していない。

北洋材はロシアの夏季伐採が始まったものの、林産業の不況や燃料不足の再燃、天候不順で造材数量は減る見込み。日本向け生産は大きく減っており、ルーブル安(86ルーブル/ドル)でロシアの林産企業は一息つくが苦境を脱するには至っていない。アカマツ原板のオファーはごく少なく、$420/立方メートル以下では購入が難しい。完成品は$500〜540/立方メートルで推移し、値上げの動きが強まっている。7月の製品入荷(東京と川崎)は14.0千立方メートル、出荷は10.3千立方メートルと低水準が続き、在庫は39.2千立方メートル。価格面からスギ、LVL、軽天(鋼製野縁)への置き換えも広がるが、一定の需要は底堅い。

合板は横ばいでも値上げ姿勢は継続

8月の国産合板は、ルート系を中心に荷動きが低調で納期を急ぐ先はない。メーカーは在庫を積み増しても売り急がず、相場は高値で張り付いたまま。直需系は好調を維持している。輸入合板は現地のコスト高と日本の港湾満床で出荷や新規契約の滞りが続く。7月の国内合板生産量は23.2万立方メートル(前月比100%)、出荷は21.3万立方メートル(同87.8%)、在庫は20.6万立方メートル(同111.8%)と増えた。輸入合板の7月入荷量は19.4万立方メートルで、関東主要港の在庫増から横浜では入荷制限や港湾受け入れ制限が起きている。8月相場は7月と横ばいだったが、メーカーの基本姿勢として値上げは継続している。

プレカット稼働は今年最高水準

構造用集成材は、8月のラミナ入荷量が7月比175%に増えた。在庫は必要量を確保できているが、突発的な需要が続けば不足感が出る可能性もある。第3四半期契約は1立方メートルあたり265ユーロ前後で決着し、185円/ユーロ前後の円安継続とスウェーデン北部の記録的豪雨による欧州産地の原木不足で、単価の高値継続が見込まれる。7月の輸入量は小断面が19.1千立方メートル(前年同月比28.4%減)、中断面が15.1千立方メートル(同8.5%減)だった。プレカット工場の稼働は全国平均で85%を超え、大型工場では100%を超えるなど今年最高レベルにある。ただし短期的な受注増加とみられ、今後の推移を注視する必要があるという。

木材チップは、製紙用、バイオマス発電用ともに小径材の引き合いが強く、原木入荷は順調。原料価格はパルプ材、未利用材とも不足感から高値で高止まりし、7月のC材価格(チップ工場着)は全国平均で7,900円/立方メートルだった。

市売問屋では、国産材構造材のムク製品は荷動きが鈍く、コスト高の価格転嫁も進んでいない。外材構造材は米マツなどの引き合いがほとんどなく、ホワイトウッド集成管柱、レッドウッド平角が中心で地場工務店の引き合いは弱い。国産造作材は学校関係の改修工事でスギ、ヒノキの羽目板など木質内装材の出荷が目立つ一方、床板用パーチクルボードは引き合いが弱まり在庫がだぶつき始めている。

確認先: 2026年9月の木材価格・需給動向(日本木材総合情報センター)