今週は木材の需給を示す新しい統計と、輸入木材の産地情報がまとまって出た。米材の上半期入荷は米国産・カナダ産のいずれも前年を下回り、産地の価格は上昇の側に振れている。合板は7月にもう一段の値上げがあり、9月にも再値上げがアナウンスされた。構造用集成材の第3四半期契約は円安を映して1立方メートルあたり10ユーロ前後の値上げで着地している。鋼材の側では東京製鉄が9月契約分の全品種を据え置き、建材の単価は7月契約分から3か月動いていない。熊本地震で被災した八代港は、外港地区の岸壁が段階的に貨物船利用の再開を広げている。

米材は上半期の入荷が2割減、産地価格は上昇の側

日本木材総合情報センター(jawic)が2026年8月18日に公表した「木材価格・需給動向」の8月号によると、米材原木の入荷は上半期(1〜6月)の合計で米国産が486千㎥、カナダ産が170千㎥にとどまり、それぞれ前年同期比で13.4%減、36.6%減となった。日刊木材新聞は同じ動きを「26年上半期米材丸太入荷 前年同期比2割減」と報じており、統計の絶対量と方向は一致している。6月単月の原木入荷は128千㎥(うち合板用は11千㎥)で、上半期を通じて低調な水準が続いた。

産地の側では、カナダ東部州と米国東部州で猛暑が続き、カナダBC州のVarnon北部とWilliams Lake付近では大規模火災も発生している。トラックや伐採現場の重機の燃料が石油価格の上昇で値上がりし、コスト上昇分の転嫁で産地価格は上昇の側にある。ただし米マツIS級並の対日輸出価格(推定)は1千スーパーコードあたり990ドルで前月とほぼ同額。日本向けは短期的には保合が続く。米国産の指標であるランダムレングス紙の15種平均価格は、8月5日時点で1000ボードフィートあたり534ドルで、7月初めの水準から1.52%上がった。

日本国内の在庫は緩んでいる。東京木材埠頭の7月米材製品は入荷が6.5千㎥(前月比8.9%減)、出荷が7.9千㎥(同6.9%減)、在庫が18.8千㎥(同7.0%減)。全国ベースで見ても6月の米材原木は出荷が112千㎥(前月比2%増)にとどまり、入荷出超で在庫が積み上がる形になった。在庫率は1.26カ月と、前月の1.06カ月から増えている。

欧州材の集成材、第3四半期契約は€10/㎥前後の値上げで着地

構造用集成材の第3四半期(7〜9月積み)契約は、1立方メートルあたり10ユーロ前後の値上げで着地する見通し。為替は185円/ユーロ前後の円安が続いており、欧州材単価は今後も高値が続く見込みだと日本木材総合情報センターの需給動向はまとめている。7月のラミナ入荷量は6月と比べて26%減った一方、前月に予定超過の入港があったためラミナ在庫は必要量を確保できている。

6月の構造用集成材輸入量は、小断面が19.4千㎥(前年同月比29.2%減)、中断面が15.0千㎥(同10.3%減)と、前年をはっきり下回った。7月のプレカット稼働は拡大しており、大型プレカット工場の受注は稼働日ベースでウッドショック前の90%程度まで戻ってきている。集成材の値上がりは、この需要拡大局面の中で起きている。

合板は7月にもう一段値上げ、9月に再値上げアナウンス

6月の国内合板は、生産量が23.2万㎥(前月比113.6%)、出荷量が24.3万㎥(同112.4%)、在庫量が18.4万㎥(同97.2%)。生産と出荷はそろって前月を上回った。7月に入ってからは、ルート系を中心に荷動きが急速に鈍化し、一部のメーカーを除いて国内のほとんどのメーカーで納期遅延が収まりつつあると需給動向は伝えている。

その一方で価格は上がった。合板価格は7月も6月からもう一段の値上げがあり、8月に工場停止をはさんで9月に再値上げが東西大手メーカーからアナウンスされた。輸入合板の6月入荷は21万㎥(前月比119.3%)で、内訳ではインドネシアからの入荷が7.1万㎥と目立って増えた。インドネシアは受注制限も解除されており、仮需的なオーダーはないという。

鋼材は東京製鉄の9月契約が全品種据え置き

鋼材の建材相場は今週、大きな変化がなかった。東京製鉄が8月18日付で公表した2026年9月契約分の販売価格表は、建材と鋼板の全品種で8月契約からの据え置き。H形鋼中巾148×100〜294×200が1トン116,000円、異形棒鋼D13〜D25が93,000円で、7月契約分(6月15日付)から3か月同じ単価が続く。詳細は東京製鉄の9月契約は全品種据え置きにまとめた。

八代港は水深14m岸壁が大型貨物船対応で拡大

7月28日の令和8年熊本地震で被災した八代港では、外港地区の岸壁が段階的に貨物船利用の再開を広げている。国土交通省九州地方整備局は8月12日に、外港地区の水深14m岸壁(C-1-11)で当日8時から穀物運搬船が着岸・荷役を再開したと発表した。国が管理を受けた係留施設で、支援船の受け入れを優先しつつ物流拠点としての港湾利用を戻す動きが本格化した。

続く8月17日には、応急復旧工事と国土技術政策総合研究所・港湾空港技術研究所を中心とした専門的検討の結果を受けて、貨物船利用がさらに拡大した。今回加わったのは、水深10mの岸壁2本(C-1-6・C-1-8、合計延長150m)で貨物船が利用可能に、水深14mの岸壁(C-1-11、延長280m)で大型貨物船が利用可能になった。八代港は原木運搬船と穀物運搬船を扱う港で、大型貨物船の受け入れ再開は木材輸入の物流にも関わる。

熊本地震そのものの被害と工場側の状況は、YKK APが熊本2工場の生産を8月19日に再開へ 大阪製鐵は17日から出荷再開熊本県で震度7、九州道など4路線が上下線で通行止め建材関連の熊本地震影響調査、TDBが103社に聞き取りにまとめている。

一部の断熱材はまだ調達遅れ

木材から離れるが、需給動向の市売問屋のパートには、8月に入って解消しつつある供給不安と、まだ残る調達遅れの区別が書かれている。中東情勢の緊迫化で供給が不安視されていた塩ビ管、透湿防水シート、塗料はおおむね解消した。一方で一部の断熱材はいまだに資材調達が遅れており、上棟後の工程に遅れが出ているという。フェノールフォームのネオマフォーム(旭化成建材)は8月中旬からの受注再開が別記事でまとめてある通りだが、他の品目の断熱材の供給状況は個別に確認する必要がある。

確認先: 木材価格・需給動向 一覧(日本木材総合情報センター)令和8年熊本地震の対応状況(国土交通省九州地方整備局)東京製鐵 販売情報