帝国データバンクが8月14日に公表した企業アンケートで、7月28日の令和8年熊本地震による自社の企業活動への影響が「ある(見込み含む)」とした企業は15.7%だった。既に影響が出ているが8.2%、影響が見込まれるが7.5%で、現時点で影響はないが74.1%、有無を確認中が6.9%。全国938社が8月7日から12日に回答した。影響の中身は、設備や建物の損傷という直接の被害に、販売機会の減少と仕入れや出荷の遅れが重なる形になっている。

被災地から離れた企業でも影響が出ている。回答に添えられた声には「熊本県八代市で製作しているサッシなどの建築資材に納期の遅れが出ている」(建設、福岡県)、「顧客への配達が一部遅れている」(建築材料卸売、東京都)が入った。熊本県の一般電気工事業者は「工場までの道路損傷で渋滞が激しい。材料が入荷しないため、復旧に時間がかかり、対応に苦慮する」と答えている。影響なしと答えた企業からも「取引先の工場被害が大きいため今後の供給が心配」(パルプ・紙・紙加工品製造、大阪府)という懸念が出た。

区分 影響あり(見込み含む)
全体 15.7%
大企業 19.8%
中小企業 15.1%
九州 53.9%

大企業が中小企業を上回った背景を、帝国データバンクはサプライチェーンの頂点として広い取引ネットワークを持つためと説明している。地域別では被災地の九州が53.9%と突出して高い。

八代の建材拠点の状況

八代市には、住宅とビル用の窓、エクステリア商品、産業用形材を供給するYKK APの九州製造所がある。同社の告知(8月7日更新)によれば、九州製造所は敷地内の液状化と建屋、生産設備、倉庫の被害に加えて断水が続き、熊本甲佐工場とあわせて8月19日からの生産再開に向けて準備を進めている段階にある。7月29日以降の商品出荷は停止しており、再開後も当面は通常納期より時間がかかる見込みとしている。各社の出荷再開の動きはYKK APが熊本2工場の生産を8月19日に再開へ 大阪製鐵は17日から出荷再開にまとめている。

見直したい防災対策

地震を受けて何らかの防災対策を新たに導入または見直したいと答えた企業は84.6%。中身は運用面の整備が上位を占めた。

新たに導入・見直したい対策(複数回答) 割合
社内連絡網の整備・確認 45.0%
災害時の避難行動マニュアルの整備 38.5%
社内対応体制の整備・ルール化 37.8%
飲料水・非常食・防災用品の用意 37.3%
安否確認体制・システムの整備 33.0%
データのバックアップやシステムの冗長化 28.9%
自家発電設備の導入 11.5%

費用のかかる設備側は動きが鈍く、自家発電設備の導入は11.5%。今回の地震では停電の解消が比較的早かったことを帝国データバンクは理由に挙げている。断水が続いた地域からは「井戸水の利用を検討する」(機械・器具卸売、静岡県)という回答もあった。

確認先: 令和8年熊本地震の影響と防災に関する企業アンケート(帝国データバンク)