三菱商事は7月23日、クラウド型ミルシート電子管理システム「Mill-Box」が大成建設の東京都内の大型現場で使われている状況を公表した。
ミルシート:鋼材の品質を証明する書類。鉄鋼メーカーが発行し、商社、加工会社、問屋、ファブリケーターを経てゼネコンの現場まで受け渡される。紙で回るため、途中の各社に仕分けとスキャン、ファイル名の手入力、取引先ごとに違う捺印パターンへの対応、送付状況の問い合わせ対応が発生する。Mill-Boxは、この受け渡しをオンラインに移す仕組みで、導入は鉄鋼業界400社以上。
商社と問屋の側で変わるところ
料金は、ミルシートの受け取りと検索、ダウンロードが無料。開示とOCR登録を使うときに別途費用が発生する。開示先の取引先には費用がかからない。IT導入補助金の対象で、契約から運用開始までは約2〜3か月。
機能は、メタデータの取り込みとOCRによる登録、メーカー名や開示先企業、製造番号など複数条件での検索、複数ミルシートの一括ダウンロード。取引先ごとの押印パターンは事前に登録でき、裏書の準備が省ける。
三菱商事が公開している特約店の声では、捺印と郵送の作業、送付状況についての問い合わせ対応が減ったとしている。加工会社からは、OCRの読み取り精度のために毎回必要だった確認作業が、メタデータでの登録に変えたことで省けたという評価が出ている。公開されている導入事例は、ビルトH形鋼の桂スチール、カノークス、三重鋼材。
現場での使い方
鉄筋タグをスマートフォンで撮影して登録すると、ミルシートとの照合がシステム上で進む。不足している書類や未照合の書類は一覧で表示され、集計表は自動で作られる。大成建設の現場では、鉄筋タグは登録済みで対応するミルシートが届いていない状態を画面上で把握し、取り寄せにつなげた例がある。検査の場でMill-Boxの画面を示して説明した実績もある。
ゼネコン向けの導入は、2026年4月3日時点で全国31社、153現場以上。三菱商事は業務量を80〜90%削減したとしており、これは同社の公表値。野村建設工業では検査資料の作成が2日に短縮されたと紹介されている。
広がる対象書類
鉄骨はファブリケーターとの連携機能が提供済みで、加工場が発行する検査証明書がシステムに直接届く。生コンの判定報告書の自動作成は開発中。フープ筋などの加工品のミルシートも対象に加わっている。
確認先: Mill-Box(三菱商事 公式サイト)



