11月第1週も、電炉メーカーが11月契約分の値上げを打ち出した。JFE条鋼と新関西製鉄が形鋼・平鋼などをトン3000円上げ、日本製鉄は土木用鋼材の輸送にかかる割増を改定した。東京では平鋼・角鋼と角形鋼管が高値寄りで、流通は先高とみている。
JFE条鋼と新関西製鉄が11月契約からトン3000円上げ
JFE条鋼は11月4日、店売り向けの形鋼全品種(山形鋼、溝形鋼、H形鋼、平鋼、不等辺山形鋼)を11月契約分(12月ロール分)からトン3000円上げると発表した。値上げは4月契約分以来7カ月ぶりで、理由は電力を中心とした諸コストの上昇。昨年10月契約分からの累計の上げ幅は、公表していない分も含めトン2万円前後になる。主原料の鉄スクラップの値上がり分は今回の価格に入れておらず、スクラップ市況を見ながら追加の値上げも検討する。
新関西製鉄は10月29日、平鋼、角鋼、丸鋼、異形鋼の全製品を、店売り・ひも付きとも11月契約分からトン3000円上げると発表した。7月契約分以来4カ月ぶりの値上げで、鉄スクラップの高止まりと、電力料金、資機材の調達費、物流費、外注費の上昇を理由に挙げている。
| メーカー | 品目 | 値上げ幅(トン当たり) | 対象 |
|---|---|---|---|
| JFE条鋼 | 店売り向け形鋼全品種(山形鋼・溝形鋼・H形鋼・平鋼・不等辺山形鋼) | 3000円 | 11月契約分(12月ロール分)から |
| 新関西製鉄 | 平鋼・角鋼・丸鋼・異形鋼の全製品(店売り・ひも付き) | 3000円 | 11月契約分から |
同じ11月契約分では、先週までに大阪製鉄が一般形鋼、王子製鉄が平鋼・角鋼を3000円、共英製鋼が異形棒鋼、中部鋼鈑が厚板を5000円上げると発表している(先週の建材相場)。
日本製鉄が鋼矢板・鋼管杭の輸送割増を改定
日本製鉄は11月4日、鋼矢板と鋼管杭の輸送関連(地域)エキストラ(輸送先の地域ごとに価格に上乗せする割増)を11月契約分から引き上げると発表した。理由は運転手の労務費や燃料などの値上がり。地域エキストラの改定は2024年3月以来、約2年半ぶりになる。4月と7月に打ち出したベース価格の値上げと合わせ、本年度の値上げはトン1万2000〜1万7000円になり、年度内の浸透を目指す。
東京の平鋼・角鋼、角形鋼管は高値寄り
東京の平鋼・角鋼は高値寄りで、置き場・ベースで平鋼がトン15万7000〜15万8000円、角鋼が18万2000〜18万3000円どころ。流通は実需の弱さから仕入れ値の上昇分を売値に転嫁しきれていなかったが、王子製鉄と新関西製鉄の11月契約の値上げで先高観が強まった。
中径角形鋼管も高値寄りで、カラー(2.3×100×100)はトン20万9000〜21万1000円。全国鉄鋼建材流通連合会の10月の需給指数は前月から横ばいで、在庫の過剰感は薄れている。母材の鋼板が上がっており、メーカーは売り腰を強める見込み。大径角形鋼管は一次加工込みの置き場・ベースでBCRが18万6000〜18万7000円、STKRが19万6000〜19万7000円どころ。日鉄建材が12月分の建材3品の5000円上げを打ち出しており(記事)、ここでも先高観が強い。
異形棒鋼は横ばいから弱含みの「辛もち合い」の見通し。RC造の着工が鈍く、ゼネコンは調達に慎重で需給が締まっていない。H形鋼・一般形鋼は上値を試す展開で、前月の高炉・電炉の3000円上げを受けて流通は唱え値を上げる見込み。東京製鐵の販売価格は11月販売価格表(10月19日付)が最新で、12月分はまだ出ていない。
日刊鉄鋼新聞サイトの市況表(11月2日掲載)は次のとおり。
| 品種 | 東京(円/トン) | 大阪(円/トン) |
|---|---|---|
| 異形棒鋼 SD295 直送 16〜25ミリ | 117,000 | 105,000 |
| 冷延薄板 1.0×(3×6) | 133,000 | 128,000 |
| 厚板 16〜25×(5×10) 無規格 | 137,000 | 137,000 |
| 黒ガス管 高炉品 50A | 257,000 | 245,000 |
大阪の鉄スクラップ買値は一部で500円上げ
電炉の主原料の鉄スクラップは、大阪地区でじりじり上がっている。一部の地場電炉メーカーが買値をトン500円上げ、H2の実勢買値は5万1500〜5万2500円どころ。JFE条鋼はスクラップ高の分を今回の値上げに入れておらず、スクラップ市況を見て追加の値上げを検討する。
確認先: JFE条鋼の値上げ(日刊産業新聞)、新関西製鉄の値上げ(日刊鉄鋼新聞)、日本製鉄の輸送エキストラ改定(日刊産業新聞)



