中東情勢による原油とナフサの高騰で、建材や資材の仕入値が上がり、塗料用シンナーの供給にも目詰まりが出ている。国はこれを受けて、資金繰りと塗料供給の両面で手を打った。信用保証の枠を広げるセーフティネット保証5号の業種追加と、塗料用シンナーの供給拡大、直販ルートの新設である。
対象に加わった業種
経済産業省は2026年7月1日、セーフティネット保証5号の指定業種を583業種にした。前回(4月1日)指定の520業種から63業種増え、中東情勢の影響に関する臨時の業況調査を踏まえた追加になる。指定期間は7月1日から9月30日まで。
新しい一覧には、工務店と建材商社の主力業種が並ぶ。工事側は一般土木建築工事業、建築工事業(木造建築工事業を除く)、木造建築工事業、大工工事業、とび工事業、内装工事業、金属製建具工事業、屋根工事業、給排水・衛生設備工事業など。卸側は木材・竹材卸売業、セメント卸売業、金物卸売業、家具・建具卸売業、鉄鋼一次製品卸売業が入る。製造側では塗料製造業、セメント製造業、生コンクリート製造業、金属製サッシ・ドア製造業も対象になった。
保証の枠と受け方
保証枠は、通常の限度額2.8億円とは別に、2.8億円の別枠が付く。利用には市区町村長の認定が要る。主な基準は、直近3か月の売上高が前年同期より5%以上減っていること。売上高営業利益率が前年同期比で20%以上落ちた場合など、ほかの基準でも認定を受けられる。手続きは、本店所在地の市区町村の商工担当窓口に認定申請書を出し、認定書を持って金融機関か信用保証協会で保証付き融資を申し込む流れになる。事前相談は6月11日から、全国の信用保証協会の特別相談窓口で始まっている。
仕入コストと資金繰りへの効き方
サッシ、断熱材、石膏ボード、塗料、木質建材と、建材の値上げは春以降どの分野でも重なった。仕入コストが膨らみ、受注や売上が落ちて採算が悪化した工務店や建材商社にとって、別枠の信用保証は運転資金を借りる余地が一つ増える話になる。通常枠を使い切っていても、認定を受ければ別枠の2.8億円で保証付き融資を申し込める。
塗料用シンナーの供給拡大と直販
塗料の側では、供給の目詰まりに国が直接動いた。塗装業者から「メーカー側の製造停止でシンナーの出荷が止まり、塗料が届かない」という声が出ていた。原料の溶剤であるトルエンやキシレンは石油化学メーカーが国内供給を続けており、詰まりは流通の途中で起きている。経済産業省は6月3日から、原料トルエン等の供給を最大で例年の1.8倍まで広げた。さらに6月23日から、シンナーメーカーが工務店などの需要家へ直接売る仕組みを始めた。



