木造住宅1棟あたりの建築費が、2026年調査で約2,521万円になった。延床坪単価は83.9万円。前年から約128万円、率にして5.3%増えている。2009年を100とする木造住宅建築費指数は147.5で、過去最高を更新した。経済調査会が7月1日に公開した2026年版で分かった。
上げ幅は、上昇が続く直近5年間でも最大になる。2009年から2021年までの12年間は、建築費が約1,708万円から約1,996万円へ288万円の増加、指数の伸びは16.8ポイント、年平均1.3%にとどまっていた。2022年からの5年間では525万円増え、指数は30.7ポイント上がり、年平均の上昇率は約4.7%に広がった。
指数が見ている家の仕様
指数は、経済調査会が『積算資料ポケット版 住宅建築編』に載せている資材の単価から、木造住宅1棟の建築費を試算して数値化したもの。今回の数値は2026年2月調査にあたる。試算プランは延床約30坪の総二階で、断熱等性能等級4(省エネ基準)を満たす仕様。屋根は化粧スレート葺き、外壁は窯業系サイディング、外部建具はアルミ樹脂複合サッシとLow-Eガラス、設備機器は汎用グレードで組んでいる(外部建具は2017年までアルミサッシと複層ガラスで試算していた)。対象地区は東京近郊エリア。
金額は工務店(元請)の諸経費を含んだ施主への提示価格で、付帯工事と土地取得費用は入っていない。つまり、見積書の本体工事費に近い数字が並ぶ。
費目別の指数
| 費目 | 2026年の指数 | 前年からの上げ幅 | 1棟あたりの工事費 |
|---|---|---|---|
| 躯体工事 | 147.1 | 7.9ポイント | 約1,076万円 |
| 外皮工事 | 168.3 | 10.4ポイント | 約450万円 |
| 内装工事 | 140.5 | 2.9ポイント | 約184万円 |
| 設備工事 | 137.8 | 6.2ポイント | 約445万円 |
| 諸経費等 | 143.1 | 7.1ポイント | 約365万円 |
| 建築費(総計) | 147.5 | 7.4ポイント | 約2,521万円 |
屋根から外壁、サッシまでを含む外皮工事の指数が168.3で、4つの大区分で最も高い。躯体工事の147.1、内装工事の140.5、設備工事の137.8と比べて、外皮まわりの上がり方が突出している。
内訳の16費目を並べると、上げ幅の大きさは基礎工事から金属製建具工事に集まる。
| 内訳費目 | 2026年の指数 | 前年からの上げ幅 | 1棟あたりの工事費 |
|---|---|---|---|
| 仮設工事 | 135.3 | 9.6ポイント | 約145万円 |
| 基礎工事 | 219.3 | 26.9ポイント | 約229万円 |
| 木工事 | 133.3 | 3.9ポイント | 約648万円 |
| 断熱・気密工事 | 159.7 | 1.6ポイント | 約54万円 |
| 屋根工事 | 231.2 | 16.7ポイント | 約72万円 |
| 板金・樋工事 | 149.6 | 5.4ポイント | 約15万円 |
| 外装工事 | 155.7 | 7.3ポイント | 約210万円 |
| 左官・タイル工事 | 146.0 | 12.9ポイント | 約9万円 |
| 金属製建具工事 | 169.1 | 13.5ポイント | 約144万円 |
| 内装仕上工事 | 151.2 | 4.0ポイント | 約131万円 |
| 木製建具工事 | 118.7 | 0.8ポイント | 約47万円 |
| 家具工事 | 125.8 | 増減なし | 約6万円 |
| 住宅設備機器 | 147.1 | 4.2ポイント | 約174万円 |
| 給排水衛生工事 | 130.2 | 5.1ポイント | 約122万円 |
| 電気設備工事 | 134.3 | 9.5ポイント | 約138万円 |
| 換気設備工事 | 134.1 | 6.3ポイント | 約12万円 |
10ポイント以上の上昇は、基礎工事、屋根工事、左官・タイル工事、金属製建具工事の4費目。経済調査会はいずれも資材価格と施工費の両方が上がったためと説明している。基礎工事は資材(主に生コンクリート)と施工費(鉄筋と型枠の組立)のどちらも変動が大きく、指数は219.3まで上がった。左官・タイル工事の変動は施工費の上昇が主な要因になる。この4費目以外の動きも施工費の上昇が主因で、前年と同じ傾向ながら上げ幅は広がっている。
金額の絶対値で見ると、木工事の約648万円が最大で、基礎工事の約229万円、外装工事の約210万円が続く。指数の伸びが最も高い屋根工事は231.2だが、金額では約72万円と全体に占める比率は小さい。
先行きの見方
経済調査会は、足元では人手不足を背景とした施工費の上昇が建築費を押し上げているとした上で、先行きを2つの向きで見ている。建築費全体の高騰で住宅需要が下押しされ、建築費の上昇に一定の歯止めがかかる可能性がある一方、不安定な中東情勢を背景とした資材価格の上昇リスクも残る。大幅な下落は想定しにくく、指数は当面、高い水準で推移すると見込んでいる。
価格改定と供給の一覧も同時に公開
同じ「積算資料ポケット版WEB 住宅指数ナビ」で、7月1日から「住宅関連資機材等 価格改定および供給情報」の公開が始まった。建築資材と設備機器を扱うメーカーなどが公表した情報を集めたもので、価格が改定された製品、改定時期、改定率を企業別に一覧化している。生産調整、受注制限、納期の変更といった供給側の情報も載せる。内容は定期的に更新される。
確認先: 木造住宅建築費指数(積算資料ポケット版WEB 住宅指数ナビ)。費目別の指数は2009年からの全年分が同ページに掲載されている。



