今月の要点は3つ。9月の新設住宅着工は61,826戸で前年同月比2.7%減となり、6か月ぶりに前年を下回った。季節調整済みの年率換算値は71.4万戸で、3か月連続の減少。大手50社の建設工事受注は9月が1兆9,791億円(11.1%減)で、民間が7か月連続で減った。日銀は10月30日の会合で政策金利を1.25%程度のまま据え置いた。

着工は6か月ぶりの減少、年率は3か月連続で縮む

国土交通省の建築着工統計によると、2026年9月の新設住宅着工は61,826戸で前年同月比2.7%減となった。減少は6か月ぶり。床面積は4,729千㎡で3.2%減。利用関係別では持家17,648戸(同3.4%減)、貸家28,046戸(同1.6%減)、分譲住宅15,688戸(同4.5%減)で、3区分そろって6か月ぶりに減った。季節調整済みの年率換算値は71.4万戸で前月比5.2%減となり、6月78.6万戸、7月77.4万戸、8月75.3万戸から3か月続けて縮んでいる。

月 総戸数 前年同月比 持家 貸家 分譲 年率換算
2026年7月 66,439戸 8.2%増 17,730戸 30,164戸 18,208戸 77.4万戸
2026年8月 63,974戸 6.1%増 17,713戸 28,309戸 16,838戸 75.3万戸
2026年9月 61,826戸 2.7%減 17,648戸 28,046戸 15,688戸 71.4万戸

総戸数は8月から3.4%減った。7〜9月の月平均は64,080戸で、4〜6月の62,263戸より2.9%多いものの、6〜8月の65,586戸を下回った。2026年4〜9月の累計は379,029戸で前年同期比11.3%増。前年の4〜9月は17.4%減っており、その反動で続いた前年比の増加が9月で途切れた。

持家は民間資金分が16,051戸(3.6%減)、公的資金分が1,597戸(1.8%減)。貸家は民間資金分が26,085戸(1.4%増)と6か月連続で増えたが、公的資金分が1,961戸(29.1%減)と落ち込み、全体を押し下げた。分譲はマンションが4,825戸(21.2%減)と5か月ぶりに減り、一戸建ては10,687戸(6.1%増)で6か月連続の増加。

地域別の総戸数は首都圏0.3%減、中部圏3.4%減、近畿圏8.1%減、その他地域2.5%減で、全地域が前年を下回った。分譲マンションは首都圏1.8%減、中部圏27.3%減、近畿圏32.5%減、その他地域38.4%減と、首都圏以外で大きく減った。分譲一戸建ては首都圏7.3%増、近畿圏8.9%増、その他地域6.6%増で、中部圏だけ2.0%減。8月に分譲マンションが61.9%増えた近畿圏は、9月に32.5%減へ反転している。

構造・工法別では、プレハブが7,196戸(同6.2%減)と再び減り、ツーバイフォーは8,998戸(同0.4%減)で4か月連続の減少。分譲マンションの前年比の減少幅21.2%は、持家の3.4%、貸家の1.6%を大きく上回った。

大手50社の受注は民間が7か月連続減

大手50社の建設工事受注は、7月が1兆1,383億円(前年同月比13.4%減)、8月が1兆4,388億円(同3.6%減)、9月が1兆9,791億円(同11.1%減)で、3か月連続の減少。7〜9月の月平均は1兆5,187億円。国内計は9月が1兆9,568億円(11.2%減)。

月 受注総額 前年同月比 民間工事 前年同月比 公共工事 前年同月比
2026年8月 1兆4,388億円 3.6%減 1兆1,072億円 10.6%減 2,747億円 46.3%増
2026年9月 1兆9,791億円 11.1%減 1兆5,062億円 14.6%減 3,887億円 1.5%減

9月の民間工事は1兆5,062億円で前年同月比14.6%減、7か月連続の減少。製造業が60.7%増えた一方、非製造業は31.6%減った。発注者別ではサービス業、鉱業・採石業・砂利採取業・建設業、電気・ガス・熱供給・水道業が減り、製造業、金融業・保険業、卸売業・小売業が増えた。工事種類別では土木その他、店舗、宿泊施設が減り、工場・発電所、住宅、倉庫・流通施設が増えている。8月に減っていた倉庫・流通施設は9月に増加へ戻った。

公共工事は3,887億円で1.5%減と、8月の増加から再び減った。国の機関が14.8%減、地方の機関が38.9%増。工事種類別では建築が増え、土木が減った。海外工事は224億円(1.9%増)。

大手ハウスメーカーの受注速報(金額ベース・前年同月比)では、住友林業の9月は戸建注文住宅が15%減、賃貸住宅が2%増、リフォームが9%増、合計が11%減。8月の戸建注文住宅0%、合計6%増から下がった。期初からの累計は戸建注文住宅5%増、合計6%増。積水化学工業の9月の住宅受注は金額2%増、棟数1%減で、8月の金額4%減・棟数6%減から持ち直した。4〜9月の累計は金額2%増、棟数2%減。いずれも速報値で、決算で変わることがある。

金利・職人需給

日銀は10月30日の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.25%程度で推移するよう促す方針を賛成8反対1で決め、9月の利上げ後の水準を据え置いた。同じ会合で、保有するETFの年間の売却ペースを3,300億円程度から8,600億円程度(簿価ベース)に引き上げている。9月の利上げと住宅ローン金利への波及は日銀、政策金利1.25%に追加利上げ、フラット35の10月分の金利は前号にある。

国土交通省の建設労働需給調査で、9月の8職種計の過不足率は1.3%の不足と8月から変わらず、前年同月の1.1%から0.2ポイント広がった。6職種計は1.1%の不足。不足幅が大きいのは型わく工(土木)2.4%、配管工1.9%、左官1.6%で、鉄筋工(土木)だけが0.4%の過剰だった。地域別では東北が0.5%の過剰に転じ、北海道が2.9%、関東が1.7%の不足。職種別・地域別の詳しい数字は建設8職種の不足率は9月も1.3%にまとめている。

住団連の経営者の住宅景況感調査は、10月調査(令和8年度第3回)の結果がまだ出ておらず、7月調査の内容は前号に載せている。