今月の要点は3つ。6月の新設住宅着工は66,344戸で前年同月比18.6%増と3か月連続で増え、5月に5.8万戸まで下がった戸数が6万台に戻った。増えたのは貸家と分譲一戸建てで、分譲マンションは1.7%増と横ばいに近い。長期固定のフラット35は8月の最も多い金利が3.290%で、7月の3.14%から0.15ポイント上がった。
着工は3か月連続増、6万戸台に戻る
国土交通省の建築着工統計によると、2026年6月の新設住宅着工は66,344戸で前年同月比18.6%増となった。増加は3か月連続で、利用関係別では持家18,553戸(同15.7%増)、貸家30,253戸(同24.6%増)、分譲住宅17,211戸(同14.2%増)と全区分がそろって増えた。季節調整済みの年率換算値は78.6万戸で前月比3.9%増、2か月連続の増加になった。戸数の水準も、3月から5月にかけて6.3万戸台から5.8万戸台へ下がった後、6月は6.6万戸まで戻している。
| 月 | 総戸数 | 前年同月比 | 持家 | 貸家 | 分譲 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年4月 | 62,569戸 | 11.4%増 | 16,296戸 | 29,265戸 | 16,702戸 |
| 2026年5月 | 57,877戸 | 33.9%増 | 15,708戸 | 25,175戸 | 16,600戸 |
| 2026年6月 | 66,344戸 | 18.6%増 | 18,553戸 | 30,253戸 | 17,211戸 |
分譲の中身は動きが割れた。一戸建住宅が10,861戸で前年同月比21.7%増と伸びた一方、マンションは6,048戸で同1.7%増にとどまった。5月はマンションが37.6%増だったため、6月は一戸建て主導に振れている。地域別でも同じ傾向が出ており、首都圏は総戸数が前年同月比19.9%増だが、分譲マンションに限ると14.5%減、一戸建ては21.6%増。中部圏もマンション21.1%減、一戸建て22.7%増と分かれた。近畿圏はマンションも19.9%増と伸びている。
品目の動きに置き換えると、伸びているのは木造の一戸建てと貸家で、構造用合板・石膏ボード・サッシなど量で動く下地・外装材の出荷を支える。実際、工法別ではプレハブが8,509戸(同13.7%増)、木造系のツーバイフォーは7,181戸(同7.4%減)と3か月ぶりに減った。分譲マンションの弱さは、鉄筋コンクリート向けの生コン・鉄筋・高層用サッシの需要が首都圏と中部で戻りにくいことを指す。1年前の2025年4〜6月が着工の落ち込んだ時期にあたるため、前年比の大きさには反動増が含まれる。戸数の水準と季節調整値の伸びで需要の地力をみる方が実態に近い。
大手50社の建設工事受注は、6月分が8月10日の公表予定で、直近は5月の総額1兆101億円(前年同月比6.7%減、3か月連続の減少)。民間工事7,514億円(同5.7%減)が減り、公共工事2,067億円(同24.3%増)が増えていた。前月比較は6月分の公表後に更新する。大手ハウスメーカーの受注速報では、住友林業の6月新築受注が金額ベースで前年同月比7%増、リフォームが24%増、積水化学工業の6月住宅受注が5%増。いずれも速報値で、確定値は決算で変わることがある。7月分の各社受注は8月中旬に公表される。
金利・職人需給
フラット35(借入期間21〜35年・融資率9割以下)で最も多い金利は、住宅金融支援機構が公表する2026年8月分で年3.290%。7月の3.14%から0.15ポイント上がった。取扱金融機関が出す金利の範囲は年3.290%から年5.570%で、下限が最頻値と一致している。長期固定の金利は持家・分譲の資金計画に効くため、着工の持ち直しが続くかは金利の方向とあわせて見ることになる。
職人の需給は不足幅が縮んだ。国土交通省の建設労働需給調査で、6月の8職種計の過不足率は1.0%の不足となり、5月の1.2%の不足から0.2ポイント縮小した。ただし内訳は職種で割れており、型わく工(建築)が2.1%の不足へ、配管工が2.7%の不足へと動く一方、鉄筋工(建築)は1.9%の過剰が続く。職種別の詳しい数字と8月・9月の確保見通しは建設8職種の不足率は6月1.0%にまとめている。着工が3か月連続で増えても、躯体まわりの型枠や仕上げの配管で人が締まると、建材の納入は施工の段取りに引きずられて後ろにずれる。発注担当者にとっては、着工増の局面でも納材のリードタイムを職人の確保状況とあわせて確認する場面が続く。
前号の5月着工・大手50社受注・フラット35の動きは建材需要・調達見通し 2026年7月にある。建設資材そのものの需給は建設資材13品目の需給が全国で「均衡」を参照。



