住宅省エネ2026キャンペーンの3事業は、事務局に登録された製品を使った工事だけが補助の対象になる。この「登録された製品」を申請で特定するのは型番だが、先進的窓リノベ2026事業の交付申請の手引きは、性能証明書に載る型番について「製品カタログや納品書に記載された型番と異なることがあります」と書いている。発注書の型番をそのまま申請に流用できるとは限らない。

型番を証明する書類と発行元

型番を証明する書類は事業と工事の種類で分かれる。書類を出すのは工務店ではなく、メーカーか、施工業者に納品した販売店だ。発注先が決まった時点で、証明書の手配先も決まる。

事業と工事 型番を証明する書類 発行する側
先進的窓リノベ2026(ガラス、内窓、外窓、ドア) 性能証明書 建材メーカー
みらいエコ住宅2026(開口部の改修) 性能証明書 建材メーカー
みらいエコ住宅2026(躯体の断熱、ボード系とマット系) 納品証明書(事業指定様式) 施工業者に納品した販売店等(メーカー、卸を含む)
みらいエコ住宅2026(躯体の断熱、吹込みと吹付け) 施工証明書(事業指定様式) 実際に施工した専門業者等
給湯省エネ2026(エコキュート) メーカー発行の保証書 メーカー
給湯省エネ2026(ハイブリッド給湯機、エネファーム) 銘板ラベルの写真 施工業者が撮影

窓とドアの性能証明書に載るのは、キャンペーン名、製品区分(ガラス、内窓、外窓、ドアのいずれか)、機能区分、製品型番、面積、性能区分、メーカー名、書類番号の8項目。発行の手続きはメーカーごとに違い、入手方法の問い合わせ先はメーカー窓口になる。リフォーム専用ガラスだけは例外で、ガラスに同梱されたラベルをメーカー指定の専用台紙に貼ったものが性能証明書として扱われる。ラベルは現場で捨てると復元できない。

断熱材の納品証明書は事業の指定様式で、記載するのは事業名、製品区分、納品事業者名、施工邸名(納品先)、メーカー名、登録型番、出荷量。手引きは納品事業者が作成するものと定めていて、施工業者が自分で書いて済ませる書類ではない。

給湯省エネのエコキュートは保証書の要件が細かい。メーカー発行のものに限られ、販売店発行の保証書は対象外。型番と製造番号は印字箇所で、そこが手書きやシール加工された保証書は受け付けられない。補助対象になる型番が記載されないもの、複数の型番が併記されて納品された製品を特定できないものも同じく対象外になる。

補助額を決める性能区分とサイズ区分

窓とドアの補助額は、性能区分とサイズ区分の組み合わせで1製品あたりの定額が決まる。このサイズは現場で測った寸法ではなく、対象製品として登録され性能証明書に記載されたサイズに従う。内窓の補助額は下表のとおり。

性能区分 特大(G) 4.0㎡以上 大(L) 2.8㎡以上4.0㎡未満 中(M) 1.6㎡以上2.8㎡未満 小(S) 0.2㎡以上1.6㎡未満
P(SS) 戸建・低層集合 140,000円 89,000円 58,000円 36,000円
S 戸建・低層集合 76,000円 52,000円 34,000円 22,000円
P(SS) 中高層集合(4階建以上) 152,000円 98,000円 64,000円 40,000円
S 中高層集合(4階建以上) 83,000円 57,000円 37,000円 24,000円

性能区分Aの内窓は窓リノベの補助対象にならず、みらいエコ住宅2026事業では対象になる。同じ製品でも、どちらの事業に申請するかで採否が変わる。

断熱材は熱伝導率で性能区分が決まり、部位ごとの単価に使用量を掛けて補助額を出す。使用量の単位は立米で、納品証明書に平米で書くと不備になる。

部位 F 0.022以下 E 0.028以下 D 0.034以下 C 0.040以下 B 0.045以下 A-2 0.050以下 A-1 0.052以下
外壁 44,000円/㎥ 30,000円/㎥ 15,000円/㎥ 14,000円/㎥ 14,000円/㎥ 14,000円/㎥ 14,000円/㎥
屋根・天井 44,000円/㎥ 30,000円/㎥ 15,000円/㎥ 14,000円/㎥ 13,000円/㎥ 13,000円/㎥ 13,000円/㎥
床(基礎の断熱改修を含む) 62,000円/㎥ 48,000円/㎥ 27,000円/㎥ 25,000円/㎥ 25,000円/㎥ 25,000円/㎥ 25,000円/㎥

表中の数値は熱伝導率(W/(m·K))の上限で、補助額の算出結果は下2桁を切り捨てる。断熱材の見積と発注を平米や坪で回している現場では、納品数量を立米に換算できる記録が要る。

工事写真の時期と撮り方

工事写真は撮る時期が決まっていて、時期を過ぎると後から補えない。先進的窓リノベ2026事業では工事前写真の提出免除の仕組みがなく、撮り忘れると補助金は交付されない。給湯省エネ2026事業には免除依頼書があるが、1事業者1申請に限られる。躯体の断熱改修は工事中の写真が必要で、工事後に撮ったものは受け付けられない。

工事 必要な写真 撮り方
内窓の設置 工事前と工事後 屋内から、窓1箇所につき1枚、工事前後で同じ画角
外窓交換とドア交換 工事前と工事後 屋外から(難しい場合は屋内から可)、1箇所につき1枚
躯体の断熱改修 工事中 断熱材を敷設する作業状況が写ること、施工部位ごとに1枚以上
給湯器の設置 工事前と工事後 従前の給湯器の全体、設置後の全体を同じ画角と距離で
予約を使う場合 着工写真1枚 契約工事のいずれかで、工事箇所に不可逆的な変化が確認できること

窓の写真で追加提出を求められやすいのは、開口部が隠れている場合と、外気に面することが写真から判断できない場合。カーテンやレースカーテン、雨戸、シャッターで窓全体が見えないもの、すりガラスや夜間の撮影で外の風景が確認できないものが該当する。車庫や倉庫、土間に面した窓は住宅の外観写真を追加で求められ、断熱ラインがその外側の壁だと判断されると補助対象から外れる。集合住宅の玄関ドアも、内廊下に面していれば対象にならない。

着工写真として認められないものも手引きが例示している。クレセントなどの部品の調整や一時的な取り外し、工事前と同じ状態の写真、工具や脚立といった容易に動かせる物品を置いた写真、資材搬入や足場の設置、現場の下見調査は、いずれも工事着手として扱われない。

給湯省エネは性能加算を取ると写真と書類が増える。エコキュートやハイブリッド給湯機が性能要件を満たすために台所リモコンか無線LANアダプターを要する場合、施工業者が発行した共同事業者宛の納品書に加えて、型番が読める工事後写真の提出が必要になる。無線LANアダプターがリモコンの組み込み型なら、接続後の工事中写真を撮る。従前の給湯器と同じメーカーの機器に入れ替えると外見の判別がつかず、従前機の銘板ラベルの追加写真を求められることがある。

予約の時期と、後から変えられる範囲

交付申請の予約ができるのは、リフォームに使う対象製品の型番が決まり、契約工事のうち最初の工事に着手した以降。現場の調査や採寸、見積もり、足場の設置、資材の搬入、仮囲い、現場事務所の建設は工事着手にあたらない。

予約後の変更には制限がある。工事内容を追加して交付申請することはできない。一部工事の取りやめと、設置する製品の型番の変更はできる。ただし変更後も事業の要件を満たし、交付申請額が予約時の補助金額を超えないことが条件になる。納期が読めない製品を先に予約へ載せると、代替品への差し替えで補助額が下がる側にしか動かない。

工事後に残す書類

窓リノベ事業者である施工業者は、交付を受けた年度の終了後5年間、書類を保管する。対象は交付申請書、交付決定通知書、実績報告書、交付額確定通知書と、交付申請で出した共同事業実施規約、工事請負契約書、性能証明書、工事前後の写真、予約を使った場合の着工写真、工事発注者の本人確認書類。会計検査院の検査対象になる場合があり、データで保管していても検査時に出力を求められる。建物の所有者側は取得財産等管理台帳を備え、財産名、規格として製品型番、数量、単価、金額、取得年月日、処分制限期間10年、保管場所を記載する。補助対象製品は工事完了から10年間、事務局の承認なく処分できない。

確認先: 先進的窓リノベ2026事業の交付申請の手引きみらいエコ住宅2026事業の交付申請の手引き給湯省エネ2026事業の交付申請の手引き。登録済みの対象製品と型番は補助対象製品の検索で引ける。3事業の補助上限と締切はいま使える建材補助金まとめに、予算の消化状況は補助金の進捗にある。