施工管理アプリ「ANDPAD」を運営するアンドパッド(東京都港区)が8月20日、東京ガス、ダイキン工業、カインズの3社とそれぞれ資本業務提携契約を結んだと発表した。カインズも同じ日に自社で公表しており、契約の締結日は2026年7月24日。出資額と出資比率は公表されていない。東京ガスとダイキンとの締結日も同じく公表されていない。
ANDPADは2016年に提供が始まり、利用社数は26.5万社、ユーザー数は69万人を超える。アンドパッドは2025年12月に建設業に特化したAIプロジェクト「ANDPAD Stellarc」を始めており、今回の提携もその流れにある。発表では、現場データを契約と同意に基づく目的と範囲で扱う「AIデータプラットフォーム」を基盤に置き、3社との取り組みで開発したAI製品と知見をサプライチェーンと業界へ広げるとしている。
カインズが挙げた課題
カインズの発表は、新築住宅価格の高騰などでリフォーム需要が広がる一方、資材費と人件費の高騰、施工人材の不足という課題が出ていると書く。そのうえで施工現場の課題として挙げたのが、見積り、資材調達、案件管理の最適化だ。今回の提携で、商品力と店舗接点、施工サービスの知見に、アンドパッドの現場データ基盤とAI技術を組み合わせる方針を示した。
両社の連携は2016年からで、アンドパッドの導入事例では、カインズの案件管理システム「C-REX」に登録した案件をANDPADのカインズ版「C-clamp」で現場と共有し、見積りと発注の依頼をスマートフォンからできるようにしたと紹介されている。連携前は見積りと発注がパソコンからしかできず、事務所に戻る必要があった分の時間差が出ていた。
カインズはリフォームの相談窓口も広げている。相談に特化した都市部の小型店は7月25日の新小岩店で8店舗になり、2026年度内に20店舗、2027年度に50店舗を目標に置く。店頭で受ける相談はトイレや給湯器の設備交換から、水漏れ、網戸の張り替え、サッシの不具合、外構や庭まわりの整備まで及ぶ。
東京ガスとダイキンの狙い
ダイキンは空調営業本部長のコメントで、空調機器の提供に加えて工事品質と施工体制の強化を重要なテーマに置いていると述べ、現場データとAIで工事力の強化を進め、安全と品質の向上、施工会社の成長支援に取り組むとした。同社は富士経済の調査(グローバル空調メーカーの空調機器事業売上ランキング2024年実績)で世界首位。
東京ガスはリビング戦略部長のコメントで、設備の施工と維持管理を担う現場で担い手不足が深刻になっており、生産性の向上と持続可能な施工体制の構築が自社にとっても課題だとしている。
現場データの扱い
アンドパッドは発表に注記を付け、提携各社が持つ顧客情報などのデータは各社と合意した目的と範囲でのみ取り扱うとした。当該企業の同意なくアンドパッドのAIモデルの学習に使うことも、他社や第三者に提供することもない。3社との取り組みは、それぞれの提携契約に基づいて個別に実施する。



