木材・建材商社のナイス(横浜市鶴見区、東証スタンダード)は8月4日、宮城県石巻市の山大に対する株式公開買付け(TOB)が成立したと発表した。8月3日に終了したTOBには365,834株が応募し、買付予定数の下限261,700株を上回った。ナイスはこれに加え、山大の創業家が持つ株式338,000株を、TOBと同じ条件で決済に合わせて取得する。合わせて703,834株、議決権にして63.36%を8月10日付で握り、山大はナイスの連結子会社になった。

TOBの買付価格は1株601円で、取得価額は合計3億2100万円(TOB分2億1900万円、創業家からの買付け分1億0100万円)。ナイスは今後、残る株式もすべて取得し、山大を完全子会社にする手続きを予定している。具体的な進め方は山大と協議のうえ、決まり次第公表するとしている。

買付けは下限を下げ、期間を延ばして成立させた

このTOBは6月2日に始まった。当初は7月13日までの予定で、買付予定数の下限を402,600株(所有割合36.24%)に置いていた。ナイスは途中で買付条件を変え、下限を261,700株(同23.56%)へ引き下げ、期間を8月3日まで延ばした。最終的な応募は365,834株で、TOB分だけの所有割合は32.93%にとどまる。創業家2社(有限会社エステートヤマダイン、株式会社山友殖林)からの338,000株を合わせて過半を確保した形になる。

山大は国産材の製材とプレカットが柱

山大は1964年設立、資本金は約11億円。山林の伐採と植林から、国産材の製材、構造材・羽柄材・合板・サイディングのプレカット加工、住宅資材(木材・建材・住宅設備機器・合板など)の販売、木造住宅や大型木造建築の設計施工まで手がける。ナイスは木材の調達から加工、住宅資材の流通までを持つ会社で、山大を取り込むことで国産材の供給と東北のプレカット拠点を確保する。山大の従業員は、ナイスの完全子会社ナイスプレカットへの汎用プレカット加工の委託などで両社の連携を進めるとしている。

2期連続の営業赤字、上場維持基準にも届かず

山大の連結業績は、直近2期とも営業段階から赤字が続いていた。

決算期 連結売上高 連結営業損益 連結経常損益 親会社株主に帰属する当期純損益 連結純資産
2025年3月期 41億3855万円 ▲3億7554万円 ▲3億6105万円 ▲14億3696万円 21億5672万円
2026年3月期 41億0214万円 ▲2億8688万円 ▲2億6356万円 ▲2億8077万円 18億6583万円

純資産は18億円台を保ち、貸借対照表の上では債務超過ではない。一方で上場の維持には別の壁があった。東京証券取引所は4月22日、山大が流通株式時価総額の上場維持基準を満たせなかったとして、10月1日付での上場廃止を決め、整理銘柄に指定した。改善期間の最終日である2026年3月31日時点で基準に届かず、4月1日から監理銘柄に置かれていた。上場廃止の予定と今回のTOBが重なり、山大は市場から退いてナイスの傘下に入る。

確認先: ナイス公式の適時開示(2026年8月4日)