経済産業省資源エネルギー庁は2026年10月16日、建材トップランナー制度のサッシの基準を改める省令案と告示案の意見募集を始めた。締切は11月16日17時。木造の共同住宅以外の共同住宅(中高層マンションなど)向けのサッシに、熱貫流率(窓の熱の逃げやすさを表す値。小さいほど断熱性が高い)の目標基準値を新設する内容になる。

建材トップランナー制度:断熱材やサッシなどの製造・輸入事業者に、出荷する製品の断熱性能を目標年度までに目標基準値へ近づけることを求める制度。対象は年間の生産量・輸入量のシェアがおおむね1%以上の事業者で、カタログ等への性能値の表示も求める。

新設される基準値

サッシの基準は、これまで一戸建て住宅と木造の共同住宅向けだけが対象だった。告示案は、ここに木造の共同住宅以外の共同住宅向けの区分を足し、基準熱損失防止性能を2.97(W/㎡K)とする。一戸建て・木造共同住宅向けでは上げ下げ窓2.30、引違い窓2.16、固定窓1.87のように開閉形式ごとに値が分かれるが、新しい区分は窓の面積や開閉形式を問わず一つの値になる。

性能値の算出に使う窓の熱貫流率は、サッシの材質とガラスの種類で決まる値を案の表で定めている。

サッシの種類 ガラス 熱貫流率(W/㎡K)
木製・樹脂製 複層 2.16
木または樹脂とアルミの複合 複層(中空層6mm超) 2.51
木または樹脂とアルミの複合 複層(中空層6mm以下) 3.23
アルミ製 複層(中空層6mm超) 3.95
アルミ製 複層(中空層6mm以下) 4.19
アルミ製 単板 6.26

基準値の算出根拠

意見募集に添えられた建築材料等判断基準ワーキンググループのとりまとめによると、2.97はZEH-M(集合住宅のZEH)の外皮性能を持つモデル建物の窓(アルミ樹脂複合サッシ、Low-E複層ガラスで2.51)と、外皮性能をさらに強めたモデル建物の窓(樹脂サッシで2.16)を地域別の着工割合で加重平均し、そこへ二重窓の外窓用や超高層用に残るアルミサッシの出荷割合を織り込んで求めた値。出荷の前提は、アルミ樹脂複合・樹脂サッシが全国加重平均で83.5%、単板ガラス用アルミサッシが10.8%、複層ガラス用アルミサッシが5.8%。この前提では、中高層共同住宅向けの出荷の大半が樹脂サッシかアルミ樹脂複合サッシになる。

対象外になるのは、防耐火サッシ、シャッター付き、雨戸付き、面格子付きのサッシ、フロントサッシ、防衛省指定規格の防音サッシ。内窓は外窓の付属設備として評価の対象外で、外窓のサッシの性能だけで見る。

目標年度はとりまとめで2030年度とされ、あわせて2027年度を目途に達成状況を確認し、住宅の省エネ基準の引き上げ状況を見て新たな目標基準値を検討するとしている。性能値は、この区分に限り建築研究所公表の計算方法で算出する。

非住宅用サッシと複層ガラスは後回し

サッシの製造事業者の建物用途別の出荷データが未整備のため、中高層共同住宅を除く非住宅用サッシの目標基準値は設定されていない。データの整備は2026年度末を目途に完了する見込みとされる。

複層ガラスは、総板厚10mm超で両側のガラス厚が4mm超の二層ガラスを新たに制度の対象に加える。目標基準値と表示事項は、サッシの出荷データがそろった時点で決める。

日程

手続き 日付
案の公示・意見募集開始 2026年10月16日
意見募集の締切 2026年11月16日17時
施行 案では日付が空欄

意見は電子政府の総合窓口 e-Gov、郵送、メール(bzl-kenzai-tr@meti.go.jp)で出せる。問合せ先は経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー課 建材トップランナー制度担当。

確認先: e-Gov パブリック・コメント 案件番号620340009