災害で建材が手に入らなくなったとき、型式適合認定を使っていた住宅の建築確認がやり直しになる。この詰まりを外す政令案の意見募集が7月31日に始まった。締切は8月30日0時。国土交通省住宅局が出した案は4項目すべてが規制の緩和で、公布は2026年9月、施行は11月1日を予定している。

建材の調達難で審査省略が止まる問題

型式適合認定:同じ設計仕様の建築物を量産する場合などに、建築物やその部分が施行令の定める一連の規定に適合することを、あらかじめ国土交通大臣か指定認定機関が認定する制度。認定を受けた型式を使う建築物は、認定型式に適合する部分について建築確認の審査を省略できる。

国交省の資料によると、ハウスメーカーが供給する住宅の約9割でこの認定が使われている。ところが認定を受けた建材が入手できなくなると、審査省略の前提が崩れる。型式の仕様を変えようとすれば型式全体で認定を取り直す必要があり、それまで住宅の供給が止まりかねない。災害によるサプライチェーンの混乱や機能不全で建材の調達が困難になる事象が現に起きているとして、資料はこの懸念を挙げている。

改正案は、施行令136条の2の11第1号に型式適合認定の新しい類型を足す。構造耐力に関する規定(法20条の一部と法37条、施行令第3章の大部分)だけを取り出し、それに適合する型式として認定できるようにするもの。認定を受けておけば、建材が調達できなくなっても構造耐力の審査は省略したまま、調達が難しくなった建材の部分だけ個別に建築確認の審査を受ければよくなる。資料は、確認審査で申請者の負担が最も大きいのが構造関係規定への適合性審査で、構造耐力に関わる部分は商品開発や機能向上が頻繁でないことを理由に挙げている。

採光、防火区画、危険物の3項目

残る3項目も、規制の対象範囲を絞る内容になっている。

改正項目 変わる内容 関係条文
採光規制の対象 児童福祉施設等のうち、利用者の滞在時間が短いことなどで衛生上支障がないものとして国土交通大臣が定める建築物を、採光のための窓等を設ける義務から外す 施行令19条1項
防火上および避難上の規制の対象 延焼防止建築物等のうち、大臣が定める建築物を、層間変形角と面積区画、竪穴区画の規制から外す 施行令109条の2の2、112条1項・4項・5項・11項
用途地域の危険物総量規制 燃料として使う圧縮ガスと可燃性ガスのうち、大臣の定める基準に適合する設備で貯蔵または処理されるものを、用途規制上の危険物から外す 施行令130条の9第1項

採光規制の見直しは、通所型サービスだけを提供する施設のように利用者の滞在時間が短く、自宅などで自然光を十分に浴びられる施設が想定されている。現行では児童福祉施設等として一律に窓等の設置が求められ、施設整備の支障になっているという要望が寄せられていた。

防火の見直しは、主要構造部を準耐火構造とした建築物の層間変形角、大規模建築物の面積区画、吹き抜けなど上下階を貫通する空間の竪穴区画が対象。延焼防止建築物等のうち一定の用途と構造方法のものは、これらの規制から外しても安全上問題ないとする技術的知見が得られたとしている。

危険物の総量規制は、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域の7地域が関係する。現行は敷地内に十分な量の圧縮ガス等を貯蔵できず、貯蔵所から頻繁に輸送する必要が生じていた。

この3項目はいずれも「国土交通大臣が定めるもの」を除外する形で、具体の中身は告示で規定する予定。どの施設や建築物が対象に入るかは、政令の公布後に出る告示で決まる。

日程

手続き 日付
案の公示・意見募集開始 2026年7月31日
意見の受付締切 2026年8月30日0時
公布 2026年9月(予定)
施行 2026年11月1日(予定)

意見の提出先は国土交通省住宅局建築指導課と参事官(建築企画担当)付。

確認先: 建築基準法施行令の一部を改正する政令案に関する意見募集について(e-Gov)