国土交通省は2026年8月7日、建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律施行令の改正案について、意見募集を始めた。2026年7月に成立して公布された改正建築物省エネ法(令和8年法律第75号)が新しく置く上位住宅トップランナー制度について、国土交通大臣が事業者を指定する基準の戸数を政令で決める。締切は9月6日17時。
指定の基準になる戸数
前年度に供給した住宅の戸数が下の数以上なら、指定の対象になる。区分は住宅の売り方で4つに分かれる。
| 住宅の区分 | 基準となる前年度の供給戸数 | 政令の条項 |
|---|---|---|
| 建売戸建て住宅(特別特定一戸建て住宅建築主) | 2,000戸 | 新第6条第1項 |
| 分譲マンション(特別特定共同住宅等建築主) | 2,000戸 | 同条第2項 |
| 注文戸建て住宅(特別特定一戸建て住宅建設工事業者) | 2,000戸 | 新第8条第1項 |
| 賃貸アパート(特別特定共同住宅等建設工事業者) | 1万5,000戸 | 同条第2項 |
賃貸アパートだけ桁が一つ違う。国交省が同時に公表した規制の事前評価書によると、2021年度から2024年度までの4年間の住宅トップランナー事業者の供給実績をもとに、住宅市場全体の累積供給量の上位4分の1を占める事業者が指定されるように置いた戸数だという。
いまの住宅トップランナー制度との関係
現行の住宅トップランナー制度は、自社の規格に基づく住宅を一定数以上供給する事業者に、省エネ基準より高い住宅トップランナー基準へ適合させる努力義務を課す仕組み。数え方は1年間の新築戸数で、対象になる数は施行令の第5条と第6条にある。建売戸建てが150戸、分譲マンションが住戸1,000戸、注文戸建てが300戸、賃貸アパートが住戸1,000戸。
上位住宅トップランナー:住宅の供給量が特に多い事業者として国土交通大臣の指定を受けた事業者。改正法では、指定を受けると中長期的な計画をつくり、その計画の取組状況を報告することが義務になる。現行制度の努力義務との違いはここで、指定された事業者は計画と報告という手続きを負う。
住宅トップランナー事業者の側にも新しい手続きが増える。前年度に供給した住宅の戸数が基準の戸数以上になった場合は、供給した戸数を国土交通大臣に届け出なければならない。
日程
| 手続き | 時期 |
|---|---|
| 意見募集の締切 | 2026年9月6日17時 |
| 公布 | 2026年9月(予定) |
| 施行 | 2027年4月1日(予定) |
| 事後評価 | 施行から5年を経過した時点 |
施行日は、改正法の附則第1条第2号に掲げる規定の施行日にそろえてある。
政令案に入っていないもの
今回の政令案が決めるのは指定の基準となる戸数だけで、指定された事業者がつくる中長期的な計画の記載事項や、取組状況の報告の様式は含まれていない。国交省は事前評価書で、この政令案による新たな遵守費用は想定されないとしている。
制度の検討は社会資本整備審議会の建築環境部会で2024年11月11日、12月12日、2025年1月20日に行われ、2025年1月29日の第四次答申にまとまった。事前評価書に載った意見聴取では、今後の住宅の省エネ性能の向上には市場への影響力が大きい大手事業者が牽引すべきという意見が出ている。
改正法そのものの中身は改正建築物省エネ法が成立 資材製造から解体までのCO2を評価する制度ができるにまとめている。



