「月額1万円」と書かれた見積ソフトを横に並べても比較にならない。アイピアは5ユーザーまで月10,000円(税抜)だが、見積作成が付くのは月20,000円のベーシックから。サクミルは月9,800円(税別)に30アカウントが含まれ、機能の追加料金はない。建築みつも郎17は本体80,000円+消費税の買切で、同じ事業所の2台目以降は1台35,000円+消費税。課金の単位が製品ごとに違う。

金額を公式サイトに載せているのは、この3製品と楽王シリーズ。AnyONEとANDPAD、どっと原価シリーズは料金ページに金額がなく、個別見積になる。

価格を公開している製品

製品(提供会社) 初期費用 月額・本体価格 含まれる人数 追加分
アイピア(株式会社アイピア) ライト120,000円(税抜)、ベーシックとプロフェッショナルは問い合わせ ライト10,000円、ベーシック20,000円、プロフェッショナル30,000円(税抜) 5ユーザーまで 1ユーザーにつき2,000円(税抜)
サクミル(株式会社プレックス) 0円 9,800円(税別) 30アカウントまで 31アカウント目から1アカウント100円(税別)
楽王Crew(アークシステム) 記載なし 8,800円(税込) 1ライセンス 楽王Linkは2ライセンスで14,800円(税込)
建築みつも郎17(コベック株式会社) 買切80,000円+消費税 1台 サイトライセンス1台35,000円+消費税

アイピアで見積作成と見積書印刷、原価管理、発注管理、工程表作成、経営分析が使えるのはベーシック以上。ライトは顧客管理、案件管理、商談進捗、工事進捗、入金管理と請求書印刷、集計帳票、写真と資料の共有まで。権限機能と申告承認機能はプロフェッショナルだけに入る。オプションはオリジナル帳票作成30,000円から、データ移行50,000円から(いずれも税抜)で、リモート研修は無料。

サクミルは2か月の無料トライアル付きで、顧客管理から案件管理、写真管理、スケジュール、請求管理まで12の機能を追加料金なしで使える。楽王Crewは担当者1人向けのエントリーモデル、楽王Linkはデータ共有を足した2〜5人規模向け、楽王3は規模に応じたカスタマイズで要相談。いずれも年間契約で割安になる。建築みつも郎17はWindows 11対応のDVD-ROM版で、サイトライセンスは同一事業所内の複数PCにスタンドアロン版を入れるための商品。

金額を出していない製品の規模感

AnyONEは個別ヒアリングをもとにした提案で、導入費用に初期設定と講習、データ移行が入る。バージョンアップとメールと電話のヘルプデスクは無料で、オプション講習はオンラインが2時間5万円、訪問が5時間20万円。導入企業4,300社超、ユーザー16,000超。

ANDPADは利用社数26万社、ユーザー69万人。引合粗利管理が見積から実行予算、受発注、請求支払までを受け持つ。

どっと原価シリーズは6,500社以上の導入で、クラウドのどっと原価3とオンプレミスのNEO LT(小規模)、NEO ST(小・中規模)、NEO EX(中規模)に分かれる。同時利用はLTとSTが20人まで、EXが200人まで。受発注や日報入力、工程管理、勤怠打刻を足す+Bizシリーズはどっと原価3のみに入れられる。同時に触る人数が製品ラインの分かれ目になる。

見積機能で仕様が分かれるところ

見るところ 製品ごとの実装
階層数 建築みつも郎17は6段階層。どっと原価は見積6階層、実行予算4階層
名称マスタと材料マスタ 建築みつも郎17は名称マスタ60,000件、建築用や電気用、土木用の用途別マスタを切り替え。楽王Crewは材料マスタから選択入力
外部の単価データ 建築みつも郎17は名称マスタのテキスト入出力で経済調査会と建設物価調査会の単価データベースを変換。楽王Crewは全日出版社の電気設備と機械設備の単価データを標準搭載
仕入見積の取り込み 楽王は書式の違う仕入先のExcel見積をインポート機能で自動認識。ANDPAD引合粗利管理はテンプレートと外部ファイル取込に対応し、外部サービスの積算結果を実行予算に取り込む
金額の詰め 建築みつも郎17は自動調整による端数処理とまるめ、階層ごとの金額指定、歩掛率登録、発注書の分割作成、押印(最大4文字)。見積数量と単価に対して実行数量と単価を入れると粗利金額がその場で出る
編集できる規模 建築みつも郎17は60,000行、単価99億円、総金額9,999億円まで
出力 建築みつも郎17はExcel出力で隠れ階層の有無や見積金額と実行予算の形式を選べる(Excel 2013以降)。PDF作成ソフトを標準搭載し、パスワード設定と印刷不可の指定に対応。インボイス対応書式30種を収録
他ソフトとの受け渡し 建築みつも郎17は3DマイホームデザイナーPRO(メガソフト)と連携し、別売の建設原価ビルダー5へデータ移行

見積の次の工程へのつなぎ方

見積書を作るところまでは各製品ができる。差が出るのは、その数字が実行予算と発注、請求、会計へどう渡るか。

製品 実行予算 発注 請求・入金 会計への渡し方
アイピア ベーシック以上で原価管理 ベーシック以上で発注管理 入金管理と請求書印刷はライトから 会計連携プランあり
AnyONE 見積と実行予算、発注をエクセルのような操作感の帳票で作成 同じ帳票群で発注 請求と入出金の状況から現場ごとの原価と利益を集計 公式に記載なし。電子契約(施主向け)はオプション
ANDPAD引合粗利管理 作成と編集、外部の積算結果の取り込み 実行予算から受発注まで一貫 請求支払まで一貫、ダッシュボードで粗利と原価 会計サービスへの情報連携
どっと原価 予算管理は4階層 発注管理と注文請書管理 支払伝票、売上と入金伝票、出来高請求、売掛金管理 財務会計ソフトと仕訳伝票データを双方向で連携
サクミル 原価管理 公式に記載なし 請求書作成 案件管理から見積、原価、請求、スケジュール、日報までのデータが自動連動
建築みつも郎17 実行数量と実行単価の入力 発注書の分割作成 別売の建設原価ビルダー5へデータ移行

どっと原価はJV管理、工事進行基準、仮設資材管理、出来高査定、在庫管理、労災保険料計算、給与連動まで持つ。守備範囲は総合工事業の経理まで届く。ANDPAD引合粗利管理の対応業種には注文住宅、分譲住宅、リフォーム、設備工事、太陽光、塗装と屋根と外装、外構、大規模修繕、ゼネコンが並ぶ。

電子帳簿保存法の機能要件の確認先

JIIMA(日本文書情報マネジメント協会)の電子帳簿ソフト法的要件認証は、電子帳簿保存法の優良な電子帳簿の機能要件を満たすかを確認するもの。確認されるのは機能要件だけで、事務手続関係書類の備付けなど他の要件は別途満たす必要がある。

認証製品一覧には認証番号、ソフト名、バージョン、メーカー名、主製品か派生製品かの別、審査基準の法令年度、認証有効期限、仕訳帳や総勘定元帳、売上、仕入、賃金といった帳簿ごとの対応状況が載る。建設業向けでは建設クラウド(日本電気、認証番号102500-01)と建設・工事業ERPシステム PROCES.S(内田洋行ITソリューションズ、認証番号102800-01)が掲載されている。製品側の「電帳法対応」の表記と、この一覧の掲載は別物。

デジタル化・AI導入補助金2026の対象になる範囲

旧IT導入補助金にあたる制度で、通常枠の補助対象はソフトウェア購入費とクラウド利用料(最大2年分)。あわせて機能拡張、データ連携ツール、セキュリティのオプションと、導入コンサルティング、導入設定、マニュアル設定、導入研修、保守サポートの役務も対象になる。

区分 補助額 補助率
1プロセス以上 5万円以上150万円未満 1/2以内
4プロセス以上 150万円以上450万円以下 1/2以内

令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上であることを示した場合は、補助率が2/3以内に上がる。汎用プロセスだけのソフトウェアは対象外。

申請はIT導入支援事業者と導入するITツールを選び、事業計画を作って共同で進める形。GビズIDプライムが要件で、取得におおむね2週間かかる。SECURITY ACTIONの一つ星か二つ星の宣言も必要。

確認項目の一覧

確認項目 製品間で分かれた点
課金の単位 5ユーザーまでの定額(アイピア)、30アカウント込み(サクミル)、1ライセンス(楽王Crew)、1台買切(建築みつも郎17)
見積機能が入るプラン アイピアは月20,000円のベーシック以上。ライトには見積作成が入らない
見積の階層数 6階層(建築みつも郎17、どっと原価)
外部単価データの持ち込み 経済調査会と建設物価調査会のデータ変換(建築みつも郎17)、全日出版社の設備単価を標準搭載(楽王Crew)
仕入見積の取り込み 書式の違うExcelを自動認識(楽王)、外部の積算結果を実行予算へ(ANDPAD引合粗利管理)
同時利用人数の上限 20人(どっと原価NEO LT・ST)、200人(NEO EX)
会計への渡し方 仕訳伝票データの双方向連携(どっと原価)、会計サービスへの情報連携(ANDPAD引合粗利管理)
電帳法の機能要件 JIIMA認証製品一覧の掲載有無
補助金 デジタル化・AI導入補助金2026はIT導入支援事業者との共同申請、GビズIDプライムとSECURITY ACTIONの宣言が前提

確認先: アイピア料金プランサクミル料金楽王価格建築みつも郎17AnyONE料金JIIMA認証製品一覧デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠