確認済証が出たあとに柱を105角から120角へ替えると、計画変更の確認申請に戻るのか。壁量計算で構造安全性を確かめた木造なら、2025年4月1日から軽微な変更で収まる。建築基準法施行規則3条の2に10号が新設され、構造耐力上主要な部分の材料と構造、位置の変更が枠に入った。

計画変更の確認を求めるのは法6条1項の後段で、確認を受けた計画を変更して工事に着手する前に、もう一度確認を受けて確認済証の交付を受ける、という建て付けになっている。そこから「国土交通省令で定める軽微な変更」だけが除かれ、その中身が規則3条の2になる。

判定の単位と「明らかなもの」の線

3条の2第1項は、17号まで並ぶ項目のいずれかに当たり、かつ「変更後も建築物の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなもの」を軽微な変更とする。両方を満たして初めて軽微になる。

判定の単位は、一体性のある「一の変更」ごと。間仕切壁の位置を動かし、それに付いた建築設備の位置も動く場合は、二つ合わせて一の変更として見る。2010年6月1日の規則改正までは、変更内容が複数の事項に該当するときは全てで危険の度が高くならないことを求めていた。

「適合することが明らかなもの」の線は、高度な計算や検討に戻るかどうかで引かれる。鳥取県の取扱いは、次の再計算や再検討を要するものは軽微にならないと整理している。

分野 軽微から外れる検討
構造耐力 全体架構モデルの再計算
防火と避難 避難安全検証法、耐火性能検証法の再検討
集団規定 日影図の再検討、天空率の再検討

建築面積や床面積、高さ、階数の減少、室の用途や材料の変更のように号には当たる変更でも、構造計算への影響を全体架構モデルの再計算で確かめて適合を示した場合は軽微な変更にならない。再計算によらず適合を明らかにしたうえで、設計者が自らの判断で全体架構モデルの計算を行い確認するのは差し支えない、というのが同県の書き方になっている。

壁量計算で通した木造に付いた10号

特定木造建築物:構造計算以外の方法で構造安全性を確かめた木造建築物。壁量計算で確かめたものが該当し、仕様規定のただし書等に基づく基礎、柱の小径、木造の継手と仕口に関する部分的な構造計算を行うものも含む。規則1条の3第1項1号イ(2)に定義が置かれた。

10号が軽微な変更に加えたのは二つ。構造耐力上主要な部分である部材の材料または構造の変更と、その位置の変更。

異なる建築材料への変更は10号から外れる。ただし令46条3項の床組や小屋ばり組に用いる火打材と、同条4項の壁や筋かいに用いる材料は、この除外の対象から外れていて、別の建築材料に替えても軽微に収まる。国土交通省の説明資料が挙げる適用事例は次の通り。

変更する部材 例
柱の材料 すぎの無等級材とヒノキの集成材の間
耐力壁の位置と量 増減、通りをまたぐ移動
耐力壁の材料 鉄筋筋かいと構造用合板(大壁)の間
柱やはりの断面寸法 柱の小径105と120の間
接合金物の材料 Zマークの金物とZ同等認定品の間

同じ資料が計画変更に該当する例として挙げるのは、構造耐力上主要な部分の部材で木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造といった構造の種別が変わるもの(柱を木造から鉄骨造にする場合)と、壁量計算から許容応力度計算への変更。

構造計算で安全性を確かめた建築物の構造材は9号のままで、変更後の建築材料が変更前と異なる変更と、強度または耐力が減少する変更が除かれる。10号には強度や耐力の減少を除く文言がない。壁量や柱の小径の仕様規定を満たすことが明らかであれば、耐力壁を減らす向きの変更も枠に入る。

開口部の位置と大きさ

サッシや玄関ドアの位置を動かす、寸法を変えるといった変更は15号にあたる。2022年4月1日施行の改正で枠が広がり、それまで対象外だった二つが軽微な変更の扱いになった。法28条の適用を受ける開口部で採光と換気に有効な面積が減るもの。もうひとつが、耐火建築物か準耐火建築物、または防火地域か準防火地域内にある建築物でそのどちらでもないものの開口部で、変更により延焼のおそれのある部分にある外壁の開口部に該当することとなるもの。いずれも変更後も計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなものに限る。

15号に残る除外は三つ。令117条により令5章2節の適用を受ける建築物の開口部で、令120条1項または令125条1項の歩行距離が長くなるもの。屋内に設ける避難階段、屋外に設ける避難階段、特別避難階段に係る開口部。令126条の6の非常用の進入口で、進入口の間隔、幅、高さ、下端の床面からの高さと、進入口に設けるバルコニーについて令126条の7の2号、3号、5号が定める値の範囲を超えることとなるもの。

仕上材と設備の差し替え

内装材(天井を除く)、外装材、屋根ふき材、帳壁、壁、手すりの材料と構造の変更は11号で、13号の表が定める上欄から下欄への向き(不燃材料は不燃材料へ、準不燃材料は不燃材料か準不燃材料へ)に収まることが条件になる。位置の変更は、間仕切壁のうち主要構造部であるものと防火上主要なものを除いて枠に入る。天井は12号が別に置かれ、特定天井にする変更は除かれる。

13号の表は防火設備とホルムアルデヒド発散建築材料も対象にする。第二種ホルムアルデヒド発散建築材料は第一種以外の建築材料へ、第三種は第一種と第二種以外の建築材料へ、という向き。発散区分が下がる差し替えは表から外れる。

建築設備の材料、位置、能力の変更は16号。性能が低下する材料の変更と能力が減少する変更が除かれる。給湯器や換気設備の機種を替えるときは、能力が同等以上かで判定が分かれる。

減る向きなら軽微になる項目

敷地や規模にかかる1号から8号は、増減の向きで枠が決まっている。

号 変更する項目 軽微に収まる向き
1号 敷地に接する道路の幅員、敷地が道路に接する部分の長さ 都市計画区域内等では、幅員が大きくなる場合(敷地境界線が変更されない場合に限る)と、変更後に接する長さが2m(条例で規定する場合はその長さ)以上である場合
2号 敷地面積、敷地境界線 敷地面積が増加する場合(境界線の変更で変更前の敷地の一部が除かれる場合を除く)
3号 建築物の高さ 減少する場合(高さの最低限度が定められた区域内の建築物を除く)
4号 階数 減少する場合
5号 建築面積 減少する場合(日影規制の区域内で外壁が隣地境界線や同一敷地内の他の建築物から後退しない場合と、建築面積の最低限度が定められた区域を除く)
6号 床面積 合計が減少する場合(延べ面積が増加するものと、容積率の最低限度が定められた区域の建築物を除く)
7号 用途 令137条の18が指定する類似の用途相互間
8号 基礎ぐい、間柱、床版、屋根版、横架材(小ばり等)の位置 変更に係る部材とそれに接する部材以外に応力度の変更がなく、その部材が令82条各号の構造計算で安全性を確かめられる場合

17号には、1号から16号までのほかに「安全上、防火上及び避難上の危険の度並びに衛生上及び市街地の環境の保全上の有害の度に著しい変更を及ぼさないもの」として国土交通大臣が定めるものを置く枠がある。

手続きと止まる工程

軽微な変更に収まれば、その場で出す申請はない。中間検査申請書には規則4条の8第1項3号、完了検査申請書には規則4条1項5号が、直前の確認または中間検査を受けた日以降に3条の2に該当する軽微な変更が生じたときは変更の内容を記載した書類を添えると定める。計画変更にあたるときは、法6条1項後段により、変更後の計画で工事に着手する前に確認済証の交付を受ける。

鳥取県は、軽微な変更に該当するかの相談を変更事項の工事着手前に「計画変更協議書」で行い、協議結果の副本の写しを中間検査申請書と完了検査申請書に添える運用をとる。相談のないまま検査の申請に協議書を付けると、該当するかどうかの判断に相当の時間を要し、中間検査合格証や検査済証の交付が保留になるか、交付できなくなる可能性があるとしている。合格証や検査済証が出なければ、特定工程後の工程に係る工事や建築物の使用ができない。

同県の取扱いでは、建築基準関係規定に関わらない変更と、令10条に基づき確認の特例を受ける条文に係る部分の変更は、変更の手続き自体が要らない。設計上や施工管理上許容される微少な施工誤差、測量誤差による変更も、計画変更に該当しないものとして別表で分けて整理されている。運用は特定行政庁ごとに違うため、確認を受けた窓口の取扱いが基準になる。