中東情勢の緊迫とナフサ高が、石油由来の化学系建材の供給と納期に波及している。塗料や樹脂部材にとどまらず、合板や集成材、接着剤といった木質系の資材まで影響が及んでいる。
影響が出ている品目
塗料は入荷が遅れ、通常3日で入るものが2〜3週間かかる状況が出ている。ポリ塩化ビニル樹脂を原料とする雨樋は発注できなくなり、6月開始予定の工事が無期限延期になった事例もある。足場の不足も報告されている。合板や集成材、接着剤でも供給不安が生じている。
メーカー別の値上げ率
建築用塗料の大手3社が、2026年春から製品を値上げした。各社とも中東情勢による原油やナフサの価格高騰を理由に挙げている。改定率は溶剤系が水性より大きく、いずれも溶剤系で20%を超える。数値は各社の公式リリースによる。
| メーカー | 実施時期(出荷分) | 溶剤系 | 水性 | 粉体 |
|---|---|---|---|---|
| 日本ペイント | 2026年6月1日 | 25〜35% | 20〜30% | — |
| エスケー化研 | 2026年5月11日(溶剤主力は4/21) | 20〜30% | 15〜25% | 10〜15% |
| 関西ペイント | 2026年6月15日 | 20〜35% | 15〜30% | 15〜25% |
シンナー製品は塗料本体に先行して改定され、改定幅も大きい。日本ペイントが3月19日実施で75%、関西ペイントが4月2日実施で50%以上と発表している。エスケー化研も4月1日から改定した(率は非開示)。各社とも今後の原材料調達によって率を変える可能性があるとしており、一部製品は表の率と異なる。関西ペイントは受注上限を設ける出荷統制も併せて実施している。
事業者調査に見る価格と納期
エス・エム・エス(東京都港区)が運営するリフォーム見積比較サービス「ハピすむ」が、加盟する全国のリフォーム事業者159社を対象に実施した調査の結果が出ている。以下は確定した相場でなく、事業者の回答をまとめたもの。
| 調査項目 | 回答の割合 |
|---|---|
| 仕入価格が前年同時期比で20%以上上昇 | 42.8%(うち30%以上の上昇は10.7%) |
| 納期が1週間以上延びた | 94.3% |
| 納期が1カ月以上長期化 | 46.5% |
| 供給不足・納期への影響に改善の兆しなし | 62.9% |
仕入価格は事業者ごとに幅があり、確定した数値としての改定率は出ていない。



