BDIは毎営業日のロンドン時間13時に出る。主要6港の外国貿易貨物のコンテナ個数は、令和8年7月分が9月30日に公表された。同じ「海上輸送が乱れている」という話でも、どこを見るかで分かるのが当日か2か月前かに分かれる。

公表が早い順に並べた確認先

確認先 出典 更新 直近の公表 対象時点
BDI(外航ばら積み船の運賃指数) The Baltic Exchange(Clarksons経由で日本海事センターが掲載) 毎営業日ロンドン13:00 2026年9月29日 当日
SCFI(上海発の輸出コンテナ運賃指数) 上海航運交易所 毎週金曜15:00(北京時間) 週次 当週
CCFI(中国発の輸出コンテナ運賃指数) 上海航運交易所 毎週金曜 週次 当週
主要航路コンテナ運賃(日本向けを含む) Drewry(日本海事センターが編集) 月次 2026年9月29日 2026年8月
北米往航の運賃指数(CCFI) 上海航運交易所のCCFI(日本海事センターが月別に整理) 月次 2026年9月29日 2026年8月
輸入物価指数 日本銀行 月次 2026年9月11日 2026年8月
合板統計・製材統計の月末在庫 農林水産省 月次(翌月25日) 2026年9月25日 2026年8月
主要6港の外貿コンテナ個数(速報値) 国土交通省 月次 2026年9月30日 2026年7月

週次で出る2つは、測っている中身が違う。SCFIは上海発のポート間運賃で、基期は2009年10月16日の1000点。燃油(BAF・FAF・LSS)、緊急燃油(EBS・EBA)、通貨(CAF・YAS)、繁忙期(PSS)、戦争、港湾混雑、運河の各サーチャージを含み、分航線は単純算術平均、総合指数は航線の加重平均で計算される。対象15航路には上海発の日本関西・日本関東も入る。CCFIは基期が1998年1月1日の1000点で、市場シェアの大きい中外22船社が任意で提供した運賃をもとに14航路を組む。どちらも中国発の輸出側の指数で、日本に入ってくる運賃そのものではない。

CCFIを月別に整理した北米往航の指数は、2026年8月が東岸1,810、西岸1,530。前年同月比で東岸が81.8%高、西岸が86.5%高で、2025年8月の値は東岸995、西岸820だった。中国発の北米向けが8割高の月でも、日本向けの40ftは3割前後の上げにとどまる。両者は別の航路を測っているので、片方の伸び率をもう片方に当てられない。

BDIは系統が別だ。ドライバルク部門の傭船料と海上運賃の総合指数で、Capesize、Panamax、Supramaxの3船型の運賃指数を0.4、0.3、0.3で加重して0.10倍する。2018年3月1日以降この式で、基準は1985年1月4日の1,000。2026年は1月の1,777から5月に3,049まで上がり、8月は2,951。2025年8月は2,000だった。コンテナ船とは別の船型を見ているので、コンテナ運賃が落ち着いていてもこちらが動いていることがある。

日本向け40ftは8航路すべてが前年を超えた

日本に入ってくる運賃を航路別に見られるのは、Drewryの「Container Freight Rate Insight」をもとにした月次表になる。2026年8月の40ftと前年同月比、同じ年の1月の値を並べる。単位はUS$。

積地から向け地 2026年8月(40ft) 前年同月比 2026年1月(40ft)
ロサンゼルスから横浜 1,498 30.0%高 1,211
ニューヨークから横浜 2,332 28.0%高 1,734
ロッテルダムから横浜 1,672 48.9%高 1,102
ジェノアから横浜 1,230 30.4%高 849
香港から横浜 1,459 27.0%高 959
釜山から横浜 1,136 3.3%高 986
レムチャバンから横浜 1,282 18.0%高 1,050
ナバシェバから横浜 1,254 44.6%高 796

1月から8月の伸びが大きいのはジェノア発(849から1,230)とナバシェバ発(796から1,254)。逆に釜山発は986から1,136で、前年同月比も3.3%高にとどまる。8航路が同じ方向に動いていても、最小の3.3%高と最大の48.9%高で15倍近い差が付く。自社が使っている積地が表に無ければ、指数の総合値から仕入値の動きは読めない。

年の前半と後半で符号が変わった航路もある。ジェノア発の40ftは1月が前年同月比37.8%安、3月が20.7%安で、4月に20.5%高へ転じた。前年比だけを見ていると、同じ年の中で「下がっている」と「上がっている」が入れ替わる。

円ベースと契約通貨ベースの差が為替分

仕入値に効くのは、現地通貨建ての値動きと為替の両方だ。日本銀行の輸入物価指数は同じ月についてこの2つを分けて出す。2026年8月速報の指数は2020年平均を100とする。

品目 ウエイト 円ベース指数 前年同月比(円ベース) 前年同月比(契約通貨ベース)
総平均 1,000.0 193.7 24.8%高 16.7%高
木材・木製品・林産物 16.6 175.7 10.3%高 3.0%高
金属・同製品 101.6 237.8 34.4%高 25.4%高
化学製品 108.4 116.2 5.9%高 0.1%高
石油・石炭・天然ガス 213.6 297.6 42.2%高 32.8%高

契約通貨ベースは現地通貨建ての値動きだけを、円ベースはそれに為替を掛けた後を示す。木材・木製品・林産物は7.3ポイント、化学製品は5.8ポイントの差が付いている。現地の値段がほぼ動いていない化学製品でも、円ベースでは5.9%高になる。

前月比では木材・木製品・林産物が円ベース2.2%低下、契約通貨ベース0.2%低下。輸入物価の総平均は円ベース3.0%低下、契約通貨ベース1.0%低下だった。次回の企業物価指数の公表日は10月13日。

国内在庫は翌月25日に出る

輸入から国内在庫品に振り替えられるかを数量で見るなら、農林水産省の木材統計調査になる。令和8年8月分は9月25日公表。

区分 生産量・入荷量 出荷量 月末在庫量
普通合板 19万5,399立方メートル(3.0%増) 17万1,879立方メートル(7.1%減) 22万8,333立方メートル(0.6%減)
特殊合板 3万2,750立方メートル(2.1%減) 3万1,727立方メートル(6.2%減) 5万1,764立方メートル(6.1%増)
製材用素材 入荷103万9千立方メートル(5.2%減、うち国産材90万8千立方メートルで3.3%増) 公表なし 176万1千立方メートル(15.1%減)
製材品 公表なし 56万立方メートル(1.6%増) 113万9千立方メートル(7.2%減)

括弧内は前年同月比。普通合板は生産が増えて出荷が減り、在庫はほぼ前年並み。製材は素材の入荷が5.2%減るなかで国産材だけが3.3%増え、素材在庫は15.1%減った。

この数字には読み方の制約が2つ付く。合板統計の月末在庫量は令和7年1月から算出方法が変わっており、入荷量と消費量等から求めた増減量を前月末の在庫量に加える方法から、他の項目と同様の推定による方法になった。前年同月比はこの変更をまたいでいない令和8年分どうしの比較だが、令和6年以前と並べるときは方式が違う。もう1つは、公表値が概数値で、確定した詳細な数値の掲載が令和9年3月予定という点だ。

港の数量が出るのは2か月後

港に何本入ったかは、国土交通省の港湾統計速報で見る。令和8年7月分は9月30日公表で、主要6港(東京、川崎、横浜、名古屋、大阪、神戸)の外国貿易貨物のコンテナ個数は1,253,777TEU(前年同月比7.4%増)。うち輸出が622,691TEU(同7.7%増)、輸入が631,086TEU(同7.2%増)だった。

7月の荷動きが9月末に分かるという間隔は、発注の判断には使えない。運賃が動いてから数量が確認できるまでに2か月あり、その間に手配は済んでいる。数量の統計は、後から「あの月に何が起きていたか」を確かめる側に回る。

何を知りたいときにどこを見るか

知りたいこと 確認先 分かる時点
運賃が上がり始めたか SCFI、CCFI(週次) 当週
自社が使う積地の運賃が上がったか Drewryの航路別表(月次) 前月
ばら積みの傭船料が動いているか BDI(毎営業日) 当日
仕入値に為替がどれだけ乗ったか 輸入物価指数の円ベースと契約通貨ベースの差 前月
国内の合板・製材に在庫があるか 合板統計、製材統計の月末在庫量 前月(翌月25日)
港に荷が入っているか 港湾統計速報 約2か月前
個別の品番に在庫があるか どの統計にも載らない メーカー・商社への確認

統計で分かるのは品目の総量までで、品番や等級ごとの在庫は入っていない。普通合板の月末在庫が22万立方メートルあっても、必要な厚さと寸法の板が国内にあるかは別の話になる。

確認先は日本海事センターの主要航路コンテナ運賃動向、日本銀行の企業物価指数、農林水産省の合板統計と製材統計、国土交通省の港湾統計速報。