集成材製造の菱秋木材(秋田県能代市)が7月14日、秋田地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債は2024年8月期末時点で約29億8000万円。同社はすでに2025年7月31日までに事業を停止しており、今回の決定で法的整理が確定した。破産管財人は田中伸一弁護士(田中法律事務所)で、債権届出期限は8月14日、財産状況報告集会は10月20日に予定される。
会社の歩みと主力製品
菱秋木材は1946年5月に秋田杉の製材業として始まり、1962年4月に法人化した。その後は構造用集成材へ軸足を移し、主力製品は柱材の構造用集成管柱「ちからもち」。原料のラミナは欧州材の直輸入に頼っていた。
売上はピークの2006年8月期に約51億7000万円あったが、直近の2024年8月期は約12億円まで落ちていた。
| 期 | 売上高 |
|---|---|
| ピーク(2006年8月期) | 約51億7000万円 |
| 直近(2024年8月期) | 約12億円 |
破産に至った経緯
帝国データバンクは、住宅着工と建築需要の伸び悩みで製材業者やメーカーからの受注が減ったところに、同業者間の激しい競合と資材価格の高騰が重なったと説明する。ウッドショックの局面でラミナを比較的高い価格で仕入れた分と、円安による資材費の膨張が採算を圧迫した。2024年8月期は当期純損失約17億円を計上し、債務超過に陥っていた。
仕入と与信への影響
菱秋木材の集成材は2025年7月末で供給が止まっており、「ちからもち」を扱ってきた商社や工務店の代替調達はこの1年で進んでいる。今回あらためて影響が出るのは、売掛金など債権の回収で、取引が残っていた業者の債権届出期限は8月14日となる。
構造用集成材は、国産材の製材から輸入ラミナへ原料を切り替えて規模を追ってきたメーカーほど、資材の値動きと円安の影響を受けやすい。仕入先の与信確認と調達先の分散が、集成材を扱う商社と工務店の当面の判断材料になる。
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 2025年7月31日 | 集成材製造事業を停止 |
| 2026年7月14日 | 秋田地裁が破産手続き開始決定 |
| 2026年8月14日 | 債権届出期限 |
| 2026年10月20日 | 財産状況報告集会 |



