注文住宅を全国展開するアエラホーム(東京都千代田区)は7月16日、東京地方裁判所に民事再生手続開始を申し立てた。負債総額は約61.6億円で、うち再生債権(申立て前の取引などで生じ、再生計画に基づく弁済の対象になる債権)の見込み額は約41.7億円。債権者は金融機関4社と取引業者など約560社にのぼる。注文住宅事業は、東証グロース上場のロゴスホールディングスが承継のために設立した子会社が、10月1日付(予定)の吸収分割で引き継ぐ。アエラホームは、受注済みの建築工事の中止や施主との契約終了は「一切ない」と告知している。

同社は1963年に山梨県の工務店として創業し、1984年に法人化。外張W断熱の注文住宅を主力に、支社や営業所など21拠点を置き、従業員は203人(7月1日時点)。フランチャイズ加盟店を通じた販売も手がけていた。

業績の推移

ピークの2013年3月期は売上高約210億2300万円、引渡し1050棟だった。その後は復興特需の収束や住宅市場の縮小で減少が続き、2021年5月期には約103億円とピークの半分以下になった。直近3期は次の通り(ロゴスホールディングス開示資料。2026年5月期は株主総会の決算承認前の数値)。

決算期 売上高 営業損益 純資産
2024年5月期 91億1400万円 ▲4億9600万円 ▲2億6800万円
2025年5月期 85億5900万円 4900万円 ▲3億6500万円
2026年5月期 55億5800万円 ▲10億3000万円 ▲14億3400万円

2024年5月期の期中に代表を交代し、不採算拠点の撤退や販管費削減で2025年5月期に営業黒字へ転換したが、2026年5月期は売上高が前期から3割超減り、営業損失10億3000万円に沈んだ。帝国データバンクによると最終赤字は5期連続で、資金繰りが悪化していた。

資金繰り悪化の要因

会社の説明では、転機は2025年4月施行の改正建築基準法だった。建築確認の審査対象が広がった結果、確認済証の交付までの期間が想定外に長引き、着工から完成引渡し、入金までが遅れた。時期を同じくして主力営業員の離脱が相次ぎ、受注も減った。

追い打ちになったのがナフサ供給不足だ。2026年2月末以降、防水シートや樹脂サッシ、断熱材、トイレなど石油由来の建材や住宅設備で納品停止や納期遅延が相次ぎ、工期が長期化。4月末以降は仕入先や施工業者への支払いを遅らせる事態に陥った。破産による清算では全国の施工中物件が止まるため、スポンサー探索を続け、ロゴスホールディングスの支援表明を受けて民事再生を選んだとしている。

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承継の枠組み

ロゴスホールディングスが100%出資で7月3日に設立した承継会社LHD-1(資本金1000万円)が、吸収分割で注文住宅事業と関連事業を引き継ぐ。リフォーム事業とフランチャイズ事業は承継対象に含まれない。施主との請負契約、協力業者との関係、従業員、許認可、営業拠点、アエラホームのブランドは維持する予定で、効力発生日の10月1日(予定)に承継会社の商号をアエラホーム株式会社へ変える。承継対象事業の2025年5月期売上高は79億8000万円。

承継までの当面の運転資金として、ロゴスホールディングスは3億円のDIPファイナンス(再生手続中の企業への融資)を実行する予定。承継対価は、再生手続の中で裁判所や監督委員との協議を経て決まる再生債権者への分配額に、670万円を加えた額とする。同社は2027年5月期連結業績への影響を「現在精査中」としている。

与信と資材納入への影響

アエラホームの主要取引先には、建材商社の双日建材とSMB建材が挙げられている(ロゴスホールディングス開示資料)。債権者約560社の多くは取引業者や施工業者で、申立て前の取引で生じた債権のうち約41.7億円が再生債権となる見込み。承継会社が引き継ぐ負債は事業の商取引債務などに限られ、再生債権となるものは含まれないため、売掛金を持つ商社や協力業者にとっては、自社の債権が再生債権に当たるかどうかが回収の分かれ目になる。

一方、施工中や契約済み未着工の物件は、DIPファイナンスを運転資金に工事を続け、承継会社が完工まで引き継ぐ枠組みが組まれている。申立て後の取引で生じる商取引債務は承継の対象で、物件への資材納入は継続する前提だ。中堅住宅メーカーの経営破綻は建設業全体の倒産増の流れの中にあり、物価高を要因とする建設業の倒産は2026年上半期に151件と半期で過去最多を更新している。

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確認先: 当社民事再生手続開始の申し立てについて(アエラホーム公式告知PDF)