工務店が数社で同じサッシや石膏ボードをまとめて買うとき、最初に決まるのは値段ではなく器だ。任意のグループで見積りを合わせるだけなら手続きは要らないが、独占禁止法の適用除外も付かない。器を事業協同組合にすると適用除外が付き、代わりに議決権の平等と員外利用の上限、脱退の予告期間という縛りが同時に付いてくる。
事業協同組合:中小企業等協同組合法(以下、協組法)に基づく法人で、生産、加工、販売、購買、保管、運送、検査その他組合員の事業に関する共同事業を行える(協組法9条の2第1項1号)。
共同購買事業:組合員が必要な資材等を組合がまとめて購入し、組合員に供給する事業。
員外利用:組合員以外の者に組合の事業を利用させること。
適用除外がどこまで効くか
独占禁止法22条は、4つの要件を備え、かつ法律の規定に基づいて設立された組合の行為には同法を適用しないと定める。要件は小規模の事業者または消費者の相互扶助を目的とすること、任意に設立され組合員が任意に加入脱退できること、各組合員が平等の議決権を有すること、組合員に対して利益分配を行う場合にはその限度が法令または定款に定められていること。
事業協同組合は、このうち1号を法律で通してある。協組法7条1項が、組合員たる事業者が一定の規模以下である事業協同組合と信用協同組合、事業協同小組合、これらで組織する協同組合連合会を、独占禁止法22条1号の要件を備える組合とみなす。残りの3要件は協組法5条1項2号から4号が組合そのものの要件として定めている。
| 独占禁止法22条の要件 | 事業協同組合で満たす根拠 |
|---|---|
| 小規模の事業者または消費者の相互扶助を目的とすること | 協組法7条1項のみなし規定。組合員の規模基準は同項1号イとロ |
| 任意に設立され、組合員が任意に加入脱退できること | 協組法5条1項2号 |
| 各組合員が平等の議決権を有すること | 協組法5条1項3号、11条1項 |
| 利益分配の限度が法令または定款に定められていること | 協組法5条1項4号、59条2項 |
ただし書が2つの場合を除外の外に置く。不公正な取引方法を用いる場合と、一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより不当に対価を引き上げることとなる場合。仕入れを共同にするだけなら後者は遠いが、組合を通じて卸へ取引を絞らせる、参加しない工務店に流させないといった動きは前者に入る。
もう一つ、除外の外に落ちる型がある。2015年1月14日に公正取引委員会(以下、公取委)が網走管内コンクリート製品協同組合へ出した排除措置命令は、組合がオホーツク地区の特定コンクリート二次製品について、需要者ごとに見積価格を提示し契約すべき者として組合員のうち1社を割り当て、その販売価格に係る設計価格からの値引き率を10%以内とすることを決定した行為を、独占禁止法8条1号違反とした。公取委は、この行為が「組合の実施する販売ではなく、組合員等の需要者に対する販売について定めたもの」であるため22条の「組合の行為」に該当しないと判断している。組合員6社への課徴金納付命令は総額5,859万円、行為は2012年7月1日からとされた。
組合が自分で買う値段を決めるのは組合の行為だが、組合員が自分で売る値段を組合で決めるのは組合の行為ではない。 共同購入の器を作っても、そこで販売側の話に踏み込めば適用除外は届かない。
任意のグループで回す場合の見方
法人にしない共同購入は、独占禁止法22条の対象外なので除外はない。事業者団体を作れば8条、団体を作らず当事者間で申し合わせれば3条と2条6項の不当な取引制限(他の事業者と共同して対価を決定し、維持し、若しくは引き上げ、又は数量、技術、製品、設備若しくは取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し、又は遂行することにより、公共の利益に反して一定の取引分野における競争を実質的に制限すること)で見られる。
公取委の指針は共同購買を、価格、数量や取引先等の重要な競争手段について決定されることとなるため問題となる可能性が高い類型に置く。判断は共同事業の内容、共同事業参加事業者の市場シェアの合計等、共同事業の態様の3つを総合して行われ、態様では参加もしくは利用を強制すること、参加もしくは利用について事業者間で差別的な取扱いをすることが問題となるおそれのある行為として挙げられている。
シェアの水準感は、公取委が公表した相談事例の数値で読める。
| 相談事例 | 販売市場のシェア | 共同購入の対象と比率 | 回答 |
|---|---|---|---|
| 一般酒類小売店の有志による酒類の共同購入 | 購入市場のシェアは最も高い場合でも数% | 地域の卸売業者に仕入予定数量を示して見積りを取り、最も安い価格を提示した卸売業者から共同で仕入れる | 問題ない。参加が会員の任意の判断にゆだねられ、参加者の販売面における事業活動の自主性が確保されている限り |
| 自動車部品メーカー5社が共同出資会社を通じて行う原材料の共同購入 | a部品の出荷シェア約50% | 製造コストに占める共同購入原材料の割合は1%以下、原材料需要全体に占めるシェアは1%以下 | 問題ない |
| 輸送用機械メーカー4社の資材及び部品の共同購入 | 4社合計約4割。ほかに約4割の有力メーカー1社 | 専門メーカーが汎用品またはそれに準ずるものとして製造する普及品のうち30品目。購入額に占める割合は7〜8%、資材部品メーカーの依存度は最大約12%で大半は1%以下 | 問題ない。その他の生産活動、販売活動等は各社独自に実施する |
出荷シェア約50%の5社が組んでも通っているのは、共同購入の対象が製造コストの1%以下にとどまり、原材料の需要全体に占めるシェアも1%以下だったからだ。建材の共同購入に当てはめると、汎用品を対象にして販売活動を各社独自に残す形は、同じ理由で競争への影響が小さいと見られやすい。逆に、地域で数社しか扱わない特注品を買い手側でまとめると、売り手の依存度が跳ね上がって判断が変わる。
参加の条件と抜ける条件
事業協同組合に入るときと抜けるときの条件は、定款より前に法律で決まっている部分が広い。
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 組合員資格 | 組合の地区内で商業、工業、鉱業、運送業、サービス業その他の事業を行う小規模の事業者または事業協同小組合で、定款で定めるもの | 協組法8条1項 |
| 規模の基準 | 資本金の額または出資の総額が3億円を超えない法人、または常時使用する従業員の数が300人を超えない事業者。卸売業を主たる事業とする事業者は1億円と100人、小売業は5,000万円と50人、サービス業は5,000万円と100人 | 協組法7条1項1号イ、ロ |
| 出資 | 1口以上を持つ。出資一口の金額は均一。一組合員の出資口数は出資総口数の25%まで。持分の譲受け、合併、共同新設分割、脱退後1年以内の引受けは総会の議決に基づく組合の承諾を得て35%まで | 協組法10条1項から4項 |
| 責任 | 出資額を限度とする。出資の払込みに相殺を対抗できない | 協組法10条5項、6項 |
| 議決権 | 出資口数にかかわらず各1個。代理人は組合員の親族、使用人、他の組合員に限られ、5人以上を代理できない | 協組法11条1項、2項、5項 |
| 加入 | 資格を有する者の加入を正当な理由がないのに拒めず、現在の組合員が加入の際に付されたよりも困難な条件を付せない。加入は組合の承諾を得て、引受出資口数に応ずる金額の払込みと、加入金を徴収すると定めた場合はその支払いを了した時 | 協組法14条、15条 |
| 経費 | 定款の定めるところにより組合員に賦課できる。賦課と徴収の方法は総会の議決事項 | 協組法12条1項、51条5号 |
| 持分の譲渡 | 組合の承諾が要る。組合員以外が譲り受けるときは加入の例による。持分の共有は不可 | 協組法17条 |
| 自由脱退 | 90日前までに予告し、事業年度の終わりに脱退する。予告期間は定款で1年まで延長できる | 協組法18条 |
| 法定脱退 | 資格の喪失、死亡または解散、除名、公取委の確定した排除措置命令 | 協組法19条1項 |
| 除名 | 長期間にわたって組合の事業を利用しない組合員、出資の払込みや経費の支払その他の義務を怠った組合員などを総会の議決で。総会の会日の10日前までの通知と弁明の機会が要る | 協組法19条2項 |
| 持分の払戻し | 定款の定めるところにより全部または一部を請求できる。持分は脱退した事業年度末の組合財産で定める。組合財産で債務を完済できないときは損失額の払込みを請求されうる | 協組法20条 |
| 払戻請求権の時効 | 脱退の時から2年 | 協組法21条 |
長期間にわたって組合の事業を利用しないことが除名事由に挙がっている(19条2項1号)ので、口座だけ置いて発注を流さない参加は制度上続かない。脱退の側は予告から事業年度末までの待ちが入るため、期中に決めても年度内には抜けられない。共同購入の単価が他で取れる条件を下回った時点で即抜ける前提の設計はできない。
運営の側にも縛りがある。組合は、その行う事業によって組合員に直接の奉仕をすることを目的とし、特定の組合員の利益のみを目的として事業を行ってはならない(5条2項)。発注量の大きい組合員だけに供給条件を寄せる運用は、この条と、公取委が指針で挙げる事業者間の差別的取扱いの両方に当たる。
大企業を仲間に入れるときの扱いは別建てになる。規模基準を外れる事業者を組合員に含む組合が独占禁止法22条1号の要件を備えるかどうかの判断は、公正取引委員会の権限に属する(協組法7条2項)。その事業者が加入した日、または組合員が基準に該当しなくなった日から30日以内に、公取委への届出が要る(7条3項)。さらに、従業員300人ではなく100人が別の線として置かれている。常時使用する従業員の数が100人を超える組合員が実質的に小規模の事業者でないと公取委が認めるときは、同委員会はその事業者を組合から脱退させることができ(107条)、確定した排除措置命令は法定脱退の事由になる(19条1項4号)。
器の選び分け
建材をまとめて買う目的で使える法人格は事業協同組合だが、隣に協業組合が並ぶ。中身は別物で、協業組合は組合員の事業を組合へ統合する器だ。
| 項目 | 事業協同組合 | 協業組合 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 中小企業等協同組合法 | 中小企業団体の組織に関する法律(昭和32年法律第185号。以下、団体法) |
| 目的 | 組合員の事業に関する共同事業(協組法9条の2第1項1号)。国交省の整理では組合員の経営の近代化、合理化、経済活動機会の確保 | 組合員の生産、販売その他の事業活動についての協業を図り、企業規模の適正化による生産性の向上等を推進する(団体法5条の2) |
| 発起人 | 組合員になろうとする4人以上(協組法24条) | 組合員になろうとする4人以上(団体法5条の15) |
| 組合員資格 | 地区内の小規模事業者(協組法8条1項) | 中小企業者と、定款で定めたときは中小企業者以外の者。中小企業者以外は総組合員の4分の1を超えられない(団体法5条の5、5条の6) |
| 1組合員の出資限度 | 出資総口数の25%まで(一定の場合35%まで。協組法10条3項) | 出資総口数の50%未満(組合員が2人以下の場合を除く)。中小企業者以外の者の出資総口数も50%未満(団体法5条の9第3項、4項) |
| 議決権 | 出資口数にかかわらず各1個(協組法11条1項) | 平等が原則。定款で定めれば出資口数に比例した議決権を加算でき、比例分の総数は平等分の総数を超えられない(団体法5条の10) |
| 剰余金の配当 | 利用分量に応じ、または年1割を超えない範囲内で払込済出資額に応じて(協組法59条2項) | 定款に別段の定めがある場合のほか、出資口数に応じて(団体法5条の20第2項) |
| 加入 | 正当な理由がなければ拒めない(協組法14条) | 総会で議決権の総数の過半数の出席と3分の2以上の多数による承諾(団体法5条の19第1項4号) |
| 脱退 | 90日前の予告で事業年度末(協組法18条)。官公需適格組合は1年の予告期間 | 自由脱退の規定はなく、持分の譲渡しに総会の特別議決が要る(団体法5条の19第1項5号) |
| 員外利用 | 原則として組合員の利用分量の20%まで(協組法9条の2第3項) | 規定なし |
| 設立の認可 | 行政庁(協組法27条の2) | 主務大臣。認可要件に、協業計画と事業計画の内容が技術の向上、品質の改善、原価の引下げ、能率の増進その他生産性の向上に寄与すると認められることが入る(団体法5条の17第2項3号) |
| 独占禁止法22条 | 協組法7条1項が22条1号の要件を備える組合とみなす | 協組法7条1項の列挙に入っていない |
協業組合の創立総会で作る協業計画には、組合員になろうとする者の「協業に係る事業の廃止に関する計画」を記載しなければならない(団体法5条の16第3項4号)。自社でその事業をやめて組合に寄せる前提の器なので、仕入れだけを共同にしたい工務店の選択肢にはならない。
価格差はどこから出るか
組合員が受け取る条件は、組合が卸から取った仕入値そのままではない。賦課金が固定費として乗り、剰余金が利用分量に応じて戻る。実際の負担は仕入値に賦課金の按分を足し、事業分量配当を引いた後の額で決まる。
| 効き方 | 仕組み | 根拠 |
|---|---|---|
| 仕入値の引下げ | 仕入先との交渉力が強化される | 神奈川県中小企業団体中央会 |
| 交渉の器 | 組合員の経済的地位の改善のためにする団体協約を、組合として締結できる | 協組法9条の2第1項6号 |
| 取引条件の改善 | 交渉力が上がることで代金決済条件などが動く。組合は組合員のために事業資金を借り入れ、組合員へ貸し付けられる(手形の割引を含む) | 神奈川県中小企業団体中央会、協組法9条の2第1項2号 |
| 規格と品質の均一化 | 組合が同じ品番でまとめて買うため、組合員の間で購入品の規格と品質がそろう | 神奈川県中小企業団体中央会 |
| 賦課金の負担 | 定款の定めで組合員に経費を賦課できる。賦課と徴収の方法は総会の議決事項 | 協組法12条1項、51条5号 |
| 事業分量配当の戻り | 剰余金の配当は利用分量に応じ、または年1割を超えない範囲内で払込済出資額に応じて行う | 協組法59条2項 |
| 配当の前に積む準備金 | 定款で定める額に達するまで毎事業年度の剰余金の10分の1以上を積み立てる。定款で定める準備金の額は出資総額の2分の1を下れない | 協組法58条1項、2項 |
| 組合側の法人税 | 協同組合等の税率は19%。年800万円以下の所得は15%、所得が年10億円を超える事業年度は17%。2027年3月31日までに開始する事業年度に適用 | 法人税法66条3項、措法42条の3の2 |
| 配当の損金算入 | 組合員がその事業年度中に取り扱った物の数量、価額その他その組合の事業を利用した分量に応じて分配する金額は、組合の所得金額の計算上損金に算入する | 法人税法60条の2第1号、協組法9条 |
配当が利用分量で決まるため、発注量の多い組合員に多く戻る。出資額に応じた配当には年1割の上限がかかっていて、出資を厚くしても取り分は増えない(協組法59条2項)。設立初期は準備金の積立てが先に来るので、出資総額の2分の1に達するまでは剰余金の一部が配当に回らない。組合との取引で発生する割戻しをいつ、いくら見積もって帳簿に載せるかは仕入割戻しの計上時期側の論点になる。
卸の側から見ると、共同購入は請求先と与信先が1件に減る取引だ。組合が買主になれば、卸は個々の工務店ではなく組合の信用を見て枠を決める。新規の取引を開くときに卸が何を見るかは新規口座の開設にまとめた通りで、掛け率の根拠側は掛け率とリベートが扱う範囲になる。
組合員以外に流せる量の上限
組合員以外に供給できる分量には上限がある。組合員の利用に支障がない場合に限り員外利用させられるが、1事業年度における組合員以外の者の事業の利用分量の総額は、その事業年度における組合員の利用分量の総額の20%を超えてはならない(協組法9条の2第3項)。
上限が動く場面は3つ。
| 場面 | 上限 | 期間 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 組合の計画に基づき工場等を集団して設置する組合員が、設置に相当の期間を要して利用できない場合 | 組合員の利用分量に対する割合が100%を超えない範囲内で政令の定める割合まで | 計画に基づく工場等の設置が完了した日のうち最も早いものを含む事業年度末から3年を超えない範囲内で政令の定める期間 | 協組法9条の2第4項1号 |
| 組合員が脱退したため、その組合員の利用に係る事業の運営に支障が生ずる場合 | 同上 | 脱退した日を含む事業年度末から2年を超えない範囲内で政令の定める期間 | 協組法9条の2第4項2号 |
| 所有する施設を用いて行う事業で、脱退その他やむを得ない事由により組合員の利用が減少し、事業の運営に著しい支障が生ずる場合 | 200%を超えない範囲内 | 期間を定めた行政庁の認可による | 協組法9条の2の3第1項 |
共同購入で員外利用の枠が効くのは、参加していない工務店や工事会社に組合経由で建材を回す場合だ。20%の判定は1事業年度の利用分量の総額で行うので、期中の一時的な超過では判定されない。
設立と運営の段取り
| # | 項目 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 | 組合員になろうとする4人以上が発起人になる | 協組法24条 |
| 2 | 発起人が定款を作り、会議の日時と場所とともに会日の2週間前までに公告して創立総会を開く。定款の承認と事業計画の設定は創立総会の議決による | 協組法27条1項から3項 |
| 3 | 創立総会の議事は、資格を有する者で会日までに発起人へ設立の同意を申し出たものの半数以上が出席し、その議決権の3分の2以上で決する | 協組法27条5項 |
| 4 | 創立総会終了後遅滞なく、定款、事業計画、役員の氏名と住所その他必要な事項を記載した書面を行政庁に提出して設立の認可を受ける | 協組法27条の2第1項 |
| 5 | 行政庁は、設立手続や定款、事業計画の内容が法令に違反するとき、事業を行うために必要な経営的基礎を欠く等その目的を達成することが著しく困難と認められるときを除き、認可しなければならない | 協組法27条の2第4項 |
| 6 | 行政庁は、地区が都道府県の区域を超えず組合員の資格事業が財務大臣の所管でなければ主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事。それ以外は資格事業の所管大臣 | 協組法111条1項1号 |
| 7 | 定款の変更、規約の設定変更廃止、毎事業年度の収支予算と事業計画の設定変更、経費の賦課と徴収の方法は総会の議決事項 | 協組法51条1項 |
| 8 | 定款の変更は行政庁の認可を受けなければ効力を生じない | 協組法51条2項 |
共同購入を始めてから扱い品目や供給先を広げるとき、事業計画の変更が総会の議決を通る必要がある(51条1項3号)。定款に書いた事業の範囲を超える場合は定款変更となり、行政庁の認可まで待つことになる(51条2項)。通常総会は毎事業年度1回の招集なので(46条)、品目追加の決定から実行までの時間は商社との取引を切り替えるときより長い。
公共工事を受ける組合には別の効き目がある。官公需適格組合として証明を受けた事業協同組合は、国土交通省直轄工事の総合点数の算定方法に関して特例措置を受けられる。評価項目には年間完成工事高、技術職員数、自己資本額が入る。
参加を決める前の確認表
| # | 確認項目 |
|---|---|
| 1 | 自社が協組法7条1項1号イ、ロの規模基準の内側にあるかを、資本金の額と常時使用する従業員の数の両方で確認した |
| 2 | 参加する事業者の合計が、買い手側の市場と自社の販売市場のどちらでどの程度のシェアになるかを見積もった |
| 3 | 共同購入の対象を汎用品に絞り、自社設計品や特注品を外したか決めた |
| 4 | 参加しない事業者への供給を断る、取引先を絞らせるといった取り決めが案に入っていないか確かめた |
| 5 | 組合員の販売価格、値引き率、受注先の割り当てに触れる取り決めが案に入っていないか確かめた |
| 6 | 定款案の自由脱退の予告期間が90日か、1年まで延長されているかを確認した |
| 7 | 賦課金の算定方法と、脱退時の持分の払戻しの計算方法を定款案で確認した |
| 8 | 事業分量配当の配分方法と、準備金を積み終えるまでの見通しを確認した |
| 9 | 規模基準を外れる事業者を組合員に入れる予定があるなら、公取委への30日以内の届出の担当を決めた |
| 10 | 参加しない工務店へ組合経由で供給する予定量が、組合員の利用分量の20%の内側に収まるか試算した |
組合経由と直接仕入れを比べるなら、単価表だけでは足りない。賦課金は使った量に関係なく乗り、事業分量配当は決算の確定時に支出すべき旨を決議して後から戻る(法人税法60条の2)。1年を通算した実質負担が出るのは決算後なので、初年度の比較は準備金を積み終えるまでの見通しとセットでしか作れない。



