キッチン・浴室・洗面化粧台メーカーのタカラスタンダードが10月29日、2027年3月期の中間決算(2026年4〜9月)を発表した。売上高は1,253億円で前年同期比1.8%増え、中間期として過去最高になった。営業利益は80億円で7.2%減った。中東情勢を受けた原材料高と、新築マンションの工期遅れが利益と売上の両方に響いた。

項目 2026年4〜9月 前年同期比
売上高 1,253億3,000万円 +1.8%
営業利益 80億8,900万円 △7.2%
経常利益 85億700万円 △5.6%
純利益(親会社株主帰属) 64億1,800万円 △7.6%

市場別では新築集合だけが減収

新築戸建向けは390億円で3.0%増えた。前年の上期は2025年4月の建築基準法改正前の駆け込み需要で売上の水準が高かったが、浴室と洗面化粧台でシェアを広げて上回った。リフォーム向けは393億円で4.9%増え、売上全体の31.4%を占めた。商品の仕様強化と提案の見直しで販売台数が増えたと会社は説明している。

新築集合(マンションなど)向けは409億円で4.1%減った。前年上期は竣工が重なって売上の水準が高かったうえ、今期は中東情勢と各地の豪雨で一部の現場の工期が遅れた。同社は新築分譲マンション向けでキッチンの出荷台数シェア80%、洗面化粧台73%(2024年度、同社調べ)を持つため、新築集合の落ち込みがキッチンと洗面化粧台の出荷に直接出た。新築集合の受注残は堅調で、会社は通期では回復すると見ている。

市場 売上高 前年同期比
新築戸建 390億円 +3.0%
新築集合 409億円 △4.1%
リフォーム 393億円 +4.9%

浴室が8.9%増、システムバスは業界で供給制限

製品別では、キッチンが749億円で前年並み(0.1%減)、浴室が317億円で8.9%増、洗面化粧台が149億円で1.8%増だった。浴室は戸建とリフォーム向けの中高級品が伸び、シェアを取りにいっている新築集合向けも増えた。7〜9月だけで見ると浴室は13.5%増だった。

システムバスについて会社は、業界全体では中東問題による供給制限が一部あって出荷台数が大きく落ち込んだ一方、同社は安定供給と拡販で台数を増やしたと説明している。

減益要因は物流費と原材料、うち中東分が11億円

営業利益の増減を要因別に見ると、増収とリフォーム比率の上昇による粗利の増加が15億円の増益要因になった。一方、インフレに伴う物流費と原材料価格の高騰が23億円の減益要因で、このうち11億円が中東問題に起因する。販管費は継続的なベースアップ、IT投資、減価償却費を中心に360億円と4.6%増えた。

通期予想は据え置き、下期は増益を見込む

2027年3月期の通期予想は売上高2,590億円(前期比2.5%増)、営業利益191億円(0.1%増)、純利益143億円(5.1%減)で、直近の公表値から変えていない。上期の営業利益は減益だったが、下期は中東情勢の影響が落ち着き、売上が堅調に推移すると見込む。新築集合は受注残をもとに下期に増収へ転じ、リフォームは中東情勢による供給への懸念やインフレによる需要の冷え込みを懸念材料に挙げつつ、数量の増加を見込む。

住宅市場について会社は、新設住宅着工は住宅価格の高騰と住宅ローン金利の上昇で弱含み、リフォーム市場は微増と想定しつつ、資材価格の上昇と職人不足による需要減を懸念材料に挙げている。原材料価格は中東情勢の緊迫化による一時的な高値が落ち着いたものの、高止まりしているとの認識を示した。

福岡工場の新棟に今期143億円

設備投資は2027年3月期に256億円を計画する。最大はホーロー浴室パネルの生産能力を増やす福岡工場の新棟で、前期の113億円に続き今期143億円を投じる。同工場への投資総額は400億円で、支払いの前倒しはあるものの総額は変えていない。ほかに自動化・省人化による生産効率化と増産対応に54億円、IT関連に20億円を充てる。鹿島工場では安川電機の技術を使った次世代生産ラインを構築したとしている。

同社の国内の生産・物流網は工場15カ所、物流拠点12カ所。リフォーム市場では商社・代理店・販売店・工務店に、新築集合ではデベロッパーとゼネコンに、新築戸建ではハウスメーカーとビルダーに、それぞれ専門の営業組織で販売している。

確認先: 2027年3月期 第2四半期 決算説明資料(タカラスタンダード)