梁幅0.3m、梁せい0.6m、内法長さ5.0mの梁の型枠は、側面と底面を足すと7.5㎡になる。両側に厚さ0.15mの床板が取り付くなら、計上するのは6.0㎡。床板との接続部1.5㎡を、床板ではなく梁の側から差し引く決まりがある。公共建築数量積算基準(令和5年改定)が、接続部を計測の順序で先に来る部分に寄せているためだ。

躯体の区分と計測の順序

躯体は、積算上一般に基礎、柱、梁、床板、壁、階段、その他の各部分に区分する。壁式構造は基礎、壁(壁梁を含む)、小梁、床板、階段、その他の区分になる。この順序に従い、接続はさきの部分(順序が先に来る部分)にあとの部分が接続するものとして計測する。

各部分の範囲は内法で切られる。基準は部分ごとに始点と終点を書いている。

部分 範囲
独立基礎 基礎底面から柱または基礎梁との接続面まで
布基礎 基礎底面から柱または壁との接続面まで
基礎梁 基礎間、基礎梁間、柱間をつなぐ横架材の内法部分
底盤(基礎スラブ) 独立基礎、布基礎、基礎梁等に囲まれた内法部分
基礎柱 独立基礎上面から基礎梁上面まで
各階柱 各階床板上面間。最下階は基礎梁上面から直上階床板上面まで
最上階柱 最上階床板上面から屋上床板上面まで
大梁 柱に接する横架材の内法部分。片持梁も準ずる
小梁 大梁に接する横架材の内法部分。壁式構造では壁または壁梁に接する横架材の内法部分
床板(スラブ) 柱、梁等に接する水平材の内法部分。壁式構造では壁、壁梁等に接する水平材の内法部分
壁 柱、梁、床板等に接する垂直材の内法部分で、開口部を除く。袖壁、下り壁、腰壁も準ずる
階段 段スラブとこれに付随する部分で、踊場と手すり壁を含む
その他 庇、パラペット、ドライエリアなど上記の各部分に接続する部分

壁式構造の壁高さは、基礎上面から最下階直上の床板上面まで、各階床板上面間、最上階床板上面から屋上床板上面までの寸法で取る。壁長さは原則として内法長さで、互いに接続する壁の部分は先に計測した部分に属する。同一の厚さの壁が連続しているときだけ、全体を通した内法長さになる。布基礎と基礎梁も同じ扱い。

コンクリートの欠除の線引き

コンクリートの数量は、種類、調合、強度、スランプなどで区分し、各部分ごとに設計寸法による体積とする。断面寸法は総則の定め(小数点以下第2位)にかかわらず、小数点以下第3位まで計測する。断面の小さい部材を多く拾うほど、この1桁の差が体積に効く。

欠除の線引きは四つある。

対象 扱い
鉄筋、小口径管類 欠除はない
鉄骨 鉄骨の設計数量を7.85tを1.0m³として換算した体積を差し引く
窓、出入口等の開口部 建具類等の開口部の内法寸法とコンクリート厚さによる体積。内法の見付面積が1か所0.5㎡以下なら欠除はない
柱との取合部分 床板と底盤の欠除はない

壁は、梁や床板のハンチ等との取合部分の欠除も見ない。床板は梁等に接する内法面積に板厚を掛けた体積で、壁式構造では壁または壁梁に接する内法面積で取る。

型枠の計上面と接続部の扱い

型枠の数量は、普通合板型枠、打放し合板型枠、曲面型枠といった材料と工法、コンクリート打設面で区分する。各部分ごとに側面と底面の面積を計測し、接続部の面積を差し引いた面積が数量になる。

接続部のうち、さきの部分の型枠を差し引くのは次の四つ。梁と床板、基礎梁等と底盤、同一幅の柱と梁等、壁式構造における壁と床板。これ以外の接続部は、面積が1.0㎡以下の箇所なら欠除を見ない。

開口部による欠除は建具類等の内法寸法で、内法の見付面積が1か所0.5㎡以下なら欠除はない。開口部の見込部分の型枠は計測の対象外。階段スラブによる壁の型枠の欠除も見ない。

上面の処理は勾配で分かれる。斜面の勾配が3/10を超える部分は、上面型枠またはコンクリート上面の処理を計測の対象とする。3/10以下なら、施工の実際と関係なく対象にしない。階段の踏面と、階の中間にある壁付きの梁の上面は、上面型枠を計測する。

目地と面木は、大面木、化粧目地、打継ぎ目地、誘発目地を計測の対象とし、打放し型枠の通常の面取りは対象にしない。この線引きは単価の側と裏表になっている(後述)。

部分ごとに計上する面は基準が指定している。

部分 型枠に計上する面
独立基礎、布基礎 側面と斜面
基礎梁 側面。必要があるときは底面
底盤(基礎スラブ) コンクリートの傾斜部分
柱 側面
梁 側面と底面。ハンチがある場合の面積の伸びはない
床板(スラブ) 底面。ハンチの伸びと、梁の水平ハンチによる底面の欠除はない
壁 側面と壁梁底面
階段 底面、他の部分に接続しない側面、踏面、蹴上げ

独立基礎と布基礎は、通則の「側面及び底面」ではなく「側面及び斜面」とされ、斜面の上面型枠が対象に入る。

鉄筋の長さと継手の箇所数

鉄筋の数量は、規格、形状、寸法ごとに、原則としてコンクリートの設計寸法に基づいて計測した長さを設計長さとし、JISに定める単位質量を乗じた質量とする。各部分のコンクリート中の鉄筋に、定着等に必要な長さを加えたものがその部分の鉄筋になる。

フックの扱いは三通りに分かれる。部材の先端で止まる鉄筋はコンクリートの設計寸法を長さとし、設計図書等で指定された場合にフックの長さを加える。ただし径13mm以下の鉄筋のフックはないものとする。フープとスタラップは、柱、基礎梁、梁、壁梁のコンクリート断面の設計寸法による周長を長さとし、フックは加えない。幅止筋は基礎梁、梁、壁梁、壁の設計幅または厚さで、フックは加えない。

定着長さの加え方は、主筋が隣の部材を通るかどうかで変わる。梁、基礎梁、床板、底盤の全長にわたる主筋は、部材の長さに定着長さを加える。ただし同一の径の主筋が柱や梁を通して連続する場合は、定着長さにかえて接続する柱または梁の幅の2分の1を加える。径が異なる主筋が連続する場合は、それぞれ定着するものとして計測する。柱の主筋は柱の長さに定着長さと余長を加え、壁式構造以外の壁の縦筋と横筋は、接続する他の部分に定着するものとして壁の高さまたは長さに定着長さを加える。

継手の箇所数は、実際の配筋ではなく部材の長さから出す。

対象 継手箇所数
一般(別に定めがない場合) 径13mm以下は6.0mごと、径16mm以上は7.0mごとに継手があるものとする
連続する梁、基礎梁の全長にわたる主筋 5.0m未満0.5か所、5.0m以上10.0m未満1か所、10.0m以上2か所
連続する床板の全長にわたる主筋 4.5m未満0.5か所、4.5m以上9.0m未満1か所、9.0m以上13.5m未満1.5か所
基礎柱の主筋 基礎柱部分の主筋の長さが3.0m以上で1か所
各階柱の全長にわたる主筋 各階ごとに1か所
径の異なる柱の主筋 各階1か所。位置は床板上面から1.0m
壁(壁式構造以外)の縦筋 原則として各階に1か所。開口部腰壁と手すり壁の継手はない
壁(壁式構造以外)の横筋 一般の定めによる
単独梁、片持梁、単独床板、片持床板、単独基礎梁、片持基礎梁、壁式構造の基礎梁 一般の定めによる

内法8.0mの連続梁なら主筋の継手は1か所。一般の定めで径16mm以上を7.0mごとに置くと1.14か所になるが、連続する梁は部材長さの区分が優先する。同じ梁が単独梁や片持梁なら一般の定めに戻る。径の異なる鉄筋の重ね継手は、小径による継手として扱う。ガス圧接継手の加工による鉄筋の長さの変化は見ない。

フック、定着、余長、重ね継手の長さが設計図書に記載されていないときは、日本建築学会の建築工事標準仕様書JASS5鉄筋コンクリート工事の規定を準用し、小数点以下第3位を四捨五入して第2位とする。

割付本数が設計図書に書かれていない場合は、その部分の長さを鉄筋の間隔で除し、小数点以下第1位を切り上げた整数(同一の部分で間隔が異なるならその整数の和)に1を加える。間隔1,000mmで内法5.0mの壁なら、5を切り上げて1を加えた6本。

開口部による鉄筋の欠除は建具類等開口部の内法寸法によるが、1か所当たり内法面積0.5㎡以下の開口部では欠除を見ない。開口補強筋は設計図書により計測する。同一配筋の床板と壁は、適切な計算法による統計値とできる。

鉄筋と型枠の単価に入った労務費の内訳

国土交通省は令和7年12月10日、鉄筋(ガス圧接を含む)と型枠について、労務費等の内訳を把握できる積算単価「単位施工単価:代表的な規格と仕様のベース単価と、その他の規格と仕様のシフト単価からなる単価」を公共建築工事標準単価積算基準に導入した。内訳書標準書式と見積標準書式にも労務費等の記載欄を追加している。適用は令和8年1月以降に入札手続きを開始する官庁営繕工事から。

ベース単価は複合単価の手法で算定する。公共工事設計労務単価に労務歩掛を掛けた労務費、材料単価に材料歩掛を掛けた材料費、機械損料に運転日数を掛けた機械器具費を積み上げ、下請経費等をこの三つの合計に率を掛けて乗せる。シフト単価は、元請業者と下請の専門工事業者間の取引の調査結果を使い、細目工種ごとの単位施工当たりの価格の比でベース単価を調整して出す。シフト単価は物価資料の掲載価格によることを基本とし、物価資料にはベース単価の価格も載る。

歩掛りと構成比は別紙に出ている。構成比は令和7年10月時点の東京の単価で算出した参考値。

細目工種 ベース単価の規格と仕様 主な歩掛り 労務費等の構成比
鉄筋加工組立 RCラーメン構造 階高3.5〜4.0m程度 形状単純(1t当たり) 鉄筋工1.88人(うち工場加工相当0.5人)、普通作業員0.38人(うち0.21人)、結束線#21が3.6kg 労務費70%、その他30%
ガス圧接 D25-D25(1か所当たり) 溶接工0.013人、普通作業員0.004人、酸素0.04m³、アセチレン0.06kg 労務費63%、材料費16%、その他21%
普通合板型枠 ラーメン構造 地上軸部 階高3.5〜4.0m程度(1㎡当たり) 型枠用合板(表面加工品900×1,800×12t)1.08㎡、型わく工0.15人、普通作業員0.02人 労務費64.0%、材料費17.0%、その他19.0%

鉄筋の主材は単位施工単価の外で別途計上する。鉄筋加工組立の「工場管理費」は、鉄筋工と普通作業員の工場加工相当分に30〜50%の率を掛ける形で入る。型枠の合板1.08㎡に付く備考の25%は1現場当たり損料率。

型枠の補助材(構成材)は労務費と材料費の合計に20%を掛けて単価に含まれ、せき板、緊張材、支保材、はく離剤、簡易な目地棒、打放しの面木がここに入る。化粧目地と打継目地と誘発目地の目地棒、大面木は補助材に含まない。数量積算基準がこの四つを計測の対象とし、打放し型枠の通常の面取りを対象外としているのと表裏になっている。単価に含む部材と数量で拾う部材が重ならないように切り分けられている。

型枠の細目工種は、基礎部、地下軸部(階高5.0m程度)、ラーメン構造の地上軸部(階高2.8m程度、3.5〜4.0m程度)、壁式構造の地上軸部(階高2.8m程度)に分かれ、打放し合板型枠はさらにB種とC種で分かれる。総則は数量を標準単価積算基準における単価に対応したものと定めているため、型枠の数量もこの区分で集計することになる。

改定の背景は、第三次の担い手3法に基づいて適正な水準の労務費(賃金の原資)を確保する目的で、中央建設業審議会が令和7年12月に「労務費に関する基準」を勧告したこと。市場単価は労務費と材料費と機械器具費と下請経費等が一式になっているため、公共工事の発注者にその内訳の把握が求められていた。単位施工単価の対象は鉄筋と型枠が先行で、他の市場単価の工種も順次調査と分析が進んでいる。

躯体改修で単位が変わる数量

躯体改修の各部分の区分は新築と同じだが、数量の単位が変わるものがある。型枠は、第4編の定めにかかわらず長さまたは箇所数とできる。設計図書に数量が明示してある場合はその数量による。

対象 数量
型枠 長さまたは箇所数とすることができる
カッター入れ 設計寸法による長さ
あと施工アンカー、スタッドボルト 種別ごとに区分した本数
割裂補強筋 種別ごとに区分した設計寸法による長さまたは質量
グラウト材 設計寸法による断面積とその長さによる体積、または長さ
柱補強 部位と断面寸法ごとに区分した箇所数
開口部の新設、閉塞 開口部の内法寸法による躯体の数量
既存部分の取り合い面の処理 工法ごとの躯体の寸法で計測

躯体の新設と撤去そのものの数量は、新築と同じ第4編による。