建設発生土を500立方メートル以上出す工事では、元請が搬出先の適正を着工前に確認し、結果を書面にして再生資源利用促進計画に添付する。根拠は資源有効利用促進法に基づく指定副産物省令8条3項と4項で、書面は工事現場の公衆の見やすい場所に掲げる。確認の中身は、搬出先が盛土規制法の許可地か届出地か、それとも許可が要らない土地かの判定になる。

土を出す工事と、再生砕石や改良土を入れる工事では、作る書類が別になる。入れる側は再生資源省令9条1項の再生資源利用計画で、土砂500立方メートル、砕石500トン、加熱アスファルト混合物200トンのいずれかが線。

2つの計画と作成の対象になる数量

計画 作るとき 数量の線 根拠
再生資源利用計画 建設資材を工事現場へ搬入する 土砂500m³以上、砕石500t以上、加熱アスファルト混合物200t以上 再生資源省令9条1項
再生資源利用促進計画 指定副産物を工事現場から搬出する 建設発生土500m³以上、またはコンクリート塊とアスファルト・コンクリート塊と建設発生木材の合計200t以上 指定副産物省令8条1項

建設発生土の線は、2023年1月1日施行の省令改正で1,000立方メートルから500立方メートルに下がった。計画と実施状況の記録の保存期間も、同じ改正で1年から5年に延びている。

搬出先の適正確認が付いてくるのは、建設発生土が500立方メートル以上になる場合だけ。コンクリート塊や木材の200トンで計画を作る工事には、搬出先の確認の規定はかからない。

搬出先の確認は盛土規制法と土砂条例の2本立て

確認は2つのフローをどちらもたどる。ひとつは盛土規制法の許可や届出の有無、もうひとつは都道府県や市町村が定める土砂の埋立て等の規制条例(土砂条例)の許可や届出の有無。片方でも不適正と出たら、その場所は搬出先として認められない。2つの判定が食い違ったときは、規制未指定を除いてフローの上位にくる区分を確認結果として書く。

確認結果票に入る区分は7つある。

区分 当てはまる場面 書く内容
規制未指定 盛土規制法の区域指定が行われていない 土砂条例も無ければ、他の区分を参考に適正の判断材料を書く
盛土許可等 盛土規制法や土砂条例の許可、届出がある 許可の種類と許可番号、届出なら届出日
公共施設用地等 道路や河川などの公共施設用地で盛土規制法の適用除外 公共施設用地の分類名称と管理機関名
他法令許可等 採石法の採取計画認可など他法令の許可があり盛土規制法の許可が不要 許可等の種類と許可番号、届出なら届出日
許可不要工事等 工事付随堆積など他法令等で許可が要らない 搬出先の工事分類、工事名、元請業者名
別途理由 許可等の対象規模に届かない 規模未満である理由と、土地所有者や管理者の同意を書面で確認したこと
規制区域外 宅造区域にも特盛区域にも当たらない 土地所有者や管理者の同意を書面で確認したこと

どの区分にも当てはまらない搬出先は不適正になる。登録ストックヤードへ出す場合は、区分の記載に加えて登録番号も書く。

盛土規制法で許可と届出が要る規模

規制区域は都道府県知事(指定都市と中核市の区域内はその長)が指定する。区域の種類で手続と規模が変わる。

区域 行為 規模 手続
宅地造成等工事規制区域 盛土、切土 盛土で高さ1m超の崖、切土で高さ2m超の崖、同時にして高さ2m超の崖、盛土の高さ2m超、面積500㎡超 着手前に知事の許可(法12条1項)
宅地造成等工事規制区域 土石の堆積 高さ2m超、面積500㎡超 着手前に知事の許可(法12条1項)
特定盛土等規制区域 盛土、切土、土石の堆積 上の宅造区域と同じ規模 着手日の30日前までに届出(法27条1項)
特定盛土等規制区域 盛土、切土 盛土で高さ2m超の崖、切土で高さ5m超の崖、同時にして高さ5m超の崖、盛土の高さ5m超、面積3,000㎡超 着手前に知事の許可(法30条1項)
特定盛土等規制区域 土石の堆積 高さ5m超かつ面積1,500㎡超、または面積3,000㎡超 着手前に知事の許可(法30条1項)

崖:地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす土地で、硬岩盤以外のもの(施行令1条1項)。風化の著しい岩盤は硬岩盤に入らない。

無許可で工事をすると3年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金、法人には3億円以下の罰金(法55条1項、60条1号)。特定盛土等規制区域で届出をせずに工事をした場合は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(法57条)。

受領書と最終搬出先の記録

搬出したら、搬出先の管理者に受領書の交付を求める。搬出先が他の工事現場なら、求める相手はその現場の元請。受領書に書く事項は5つで、搬出先の名称と所在地、搬出先の管理者の商号や名称、搬出元の名称と所在地、搬出量、搬出が完了した日(指定副産物省令6条1項)。運用では、土砂の利用種別(盛土利用等か一時堆積か)と、土質区分に地山量や締固め量を併記することも求めている。

受け取った受領書は、搬出先の名称が計画の記載と一致するかを確かめたうえで、写しを工事完成日から5年保存する(同条2項)。搬出先が受領書を出してくれない場合の備えとして、搬出先の所在地と搬出量、搬出完了日の記録や、運搬を委託したときのダンプの管理券、運行記録の保存が運用上示されている。

計画に書いた搬出先からさらに別の場所へ土が動いたときは、その搬出についても同じ事項を書いた書面を作り、5年保存する。動くたびに同じことを繰り返して最終搬出先まで追う(同条3項)。この追跡は2024年6月1日以後に新しく請負契約を結ぶ工事に適用される。

追跡が要らない搬出先は3つ。国または地方公共団体が管理する場所(受入れ後に受領書を出すもの)、土を利用する他の工事現場とその近くの一時堆積場所、国土交通大臣の登録を受けたストックヤード。土砂処分場は、再び搬出されないことを明確にすれば最終搬出先として書面に記載でき、そこから先の確認は要らない。

土の搬出を運送会社に委託するときは、搬出量と搬出先、確認結果を運搬する者へ通知する(8条6項)。現場には再生資源の利用促進に関する責任者を置く(9条)。

土壌汚染対策法の手続確認

搬出先の確認と同時に、工事現場側の土壌汚染対策法の手続も確認する。対象になるのは、原則3,000平方メートル以上の土地の形質変更、工場等で土壌汚染の調査が猶予されている土地では900平方メートル以上の形質変更で、法4条1項や3条7項の届出が要るかどうかを見る。

確認結果票では、区域指定を受けた土地に当たる場合の結果区分が①になる。この場合の土は建設発生土ではなく汚染土として扱い、都道府県等への区域外搬出の手続に乗せる。手続が済んで搬出できる状態なら結果区分は②。

登録ストックヤードは1,133件

ストックヤード運営事業者の登録制度は令和5年国土交通省告示第157号で、国土交通大臣の登録を受ける。登録は5年ごとの更新で、更新の申請は有効期間の満了日の180日前から42日前までに出す。登録簿は一般の閲覧に供され、国土交通省のサイトで公開されている。

2026年6月30日現在の登録簿に載る登録番号は1,133件。本社の所在地でみると大阪府が121件、東京都が92件、愛知県が91件、埼玉県が59件、京都府が58件と続く。登録簿には有効期間と本社所在地のほか、ストックヤードの名称と所在地、最大堆積可能量、受け入れる土質区分(第1種から第4種の建設発生土、泥土、各種の改良土)、搬出の条件まで載っている。

登録事業者側の義務は、搬入元への受領書の交付、搬出先の適正確認と受領書による確認、最終搬出先までの書面の作成、搬出入の管理と記録の保存。毎事業年度の終了後3月以内に、土砂の管理状況を年報で国へ報告する(告示7条1項)。盛土規制法などで是正命令を受けた事業者は登録を拒否され、登録後でも取り消しの対象になる。

搬入する側の計画と再生資材の用途

土砂500立方メートル以上、砕石500トン以上、加熱アスファルト混合物200トン以上のいずれかを搬入する工事は、着工前に再生資源利用計画を作る。書く事項は、資材ごとの利用量、そのうち再生資源の種類ごとの利用量、再生資源の種類ごとの搬入元の名称と所在地、資材ごとの再生資源利用率など(再生資源省令9条2項)。搬入したら搬入元へ受領書を交付する(同5条)。計画の作成対象に届かない工事でも、搬入元から求められたら受領書を出す運用になっている。

建設発生土を利用するときの用途は、土質の区分ごとに省令の別表が定めている。

区分 中身 主な用途
第1種建設発生土 砂、礫、これらに準ずるもの 工作物の埋め戻し材料、土木構造物の裏込材、道路盛土材料、宅地造成用材料
第2種建設発生土 砂質土、礫質土、これらに準ずるもの 土木構造物の裏込材、道路盛土材料、河川築堤材料、宅地造成用材料
第3種建設発生土 通常の施工性が確保される粘性土など 土木構造物の裏込材、道路路体用盛土材料、河川築堤材料、宅地造成用材料、水面埋立て用材料
第4種建設発生土 第3種以外の粘性土など 水面埋立て用材料

コンクリート塊から作った再生骨材等にも、同じ形で用途が割り振られている。再生クラッシャーランは舗装の下層路盤材料と土木構造物の裏込材、基礎材、建築物の基礎材。再生コンクリート砂は工作物の埋め戻し材料と基礎材。再生粒度調整砕石は駐車場や敷地内舗装の上層路盤材料。再生セメント安定処理路盤材料と再生石灰安定処理路盤材料は路盤材料に充てる。アスファルト・コンクリート塊から作る再生加熱アスファルト混合物は、上層路盤材料と基層や表層の材料になる。道路舗装に使う再生骨材等は、強度と耐久性の品質を確かめたうえで使うと備考に付いている。

掲示、発注者への説明、勧告

計画を作った後は、発注者から直接請け負った事業者が計画を発注者へ提出して内容を説明する。計画は工事現場の公衆の見やすい場所に掲示し、インターネットでの公表は努力義務。工事の完成後は実施状況を記録し、発注者から請求があれば報告する。計画と実施状況の記録には虚偽記載の禁止がかかり、保存は工事完成日から5年(8条5項、8項、9項、10項、11項)。

発注者の側にも、2022年に入った約款と指針の改正が効いている。公共工事標準請負契約約款は、工事現場から建設発生土を搬出する予定なら「建設発生土の搬出先については仕様書に定めるとおり」と記入し、仕様書に搬出先の名称と所在地を定めるという注記を置いた。民間建設工事標準請負契約約款(甲)では同じ扱いが「定めることが望ましい」で、名称と所在地を定めるのが難しい場合でも、受注者が適正処理をすることを発注者が確認する形になっている。再生資源利用促進計画を作る工事では、受注者が施工前に計画を発注者へ提出して説明し、完成後に請求があれば実施状況を報告する。公共工事の入札契約適正化指針も同じ年の閣議決定で、設計図書等で共有すべき情報の例示に搬出先の情報を、予定価格の積算の例示に建設発生土の運搬と処分の費用を書き加えている。

省令は判断の基準で、守らない場合の直接の罰則はない。効くのは法62条の系列で、事業年度の建設工事の施工金額が25億円以上の事業者は、取り組みが判断の基準に照らして著しく不十分なとき、勧告を受け、従わなければ公表され、なお措置をとらなければ中央建設業審議会の意見を聴いたうえで命令を受ける。命令違反は50万円以下の罰金(法70条)。報告の徴収や立入検査を拒み、または虚偽の報告をしたときは20万円以下の罰金(法72条3号)。この25億円の線は2023年1月1日の政令改正で50億円から下がった。

確認結果票の様式と解説は令和7年3月版が最新で、盛土規制法と土砂条例の確認区分、判定が分かれたときの書き方、土壌汚染対策法の確認フローがそこにまとまっている。

確認先: 建設発生土の搬出先計画制度、ストックヤード運営事業者登録制度