大建工業が8月19日、床材「アーティオ」を8月21日に発売すると発表した。天然木突板や化粧シートを基材に貼る従来の作り方をやめ、デジタル制御で基材の表面に直接塗装して柄を出す。これまで量産と施工の手間がネックだったヘリンボーン調やパーケット調が、一般のフローリングと同じ1×6尺、同じ施工方法でおさまる。

価格と仕様

項目 内容
発売日 2026-08-21
価格(税抜) 2P:50,500円/梱、その他柄:54,900円/梱(いずれも6枚入り、3.3平方メートル)
サイズ 12mm厚、303mm×1,818mm
基材 Eハードベース(2.7mm特殊MDF+エコ合板)
表面 オリジナル多彩塗装+UVマットコート仕上げ
ラインアップ 全26種
販売目標 30万平方メートル/年(2029年度)

梱包の3.3平方メートルで割ると、平米単価は2P柄が税抜約15,300円、その他柄が税抜約16,600円になる。

突板でもシートでもない作り方

これまでの複合フローリングは、天然木を薄く削いだ突板を貼るか、印刷した化粧シートを貼るかの二択だった。突板は木そのものの表情が出る代わりに、色柄の個体差とコスト、安定供給に制約が出る。シートは意匠と価格の釣り合いがよい一方、柄が一定のピッチで繰り返されるため、大きな柄や不規則な柄には向かない。

アーティオはデザインデータをもとに基材の表面へ直接塗装するので、繰り返しピッチの縛りがない。柄と連動したエンボス加工で凹凸をつけ、板の四周にあたる面部と溝部まで塗装を回している。木目や石目のパターン構成、継ぎ目部分の見え方、柄の位置を細かく設計して、施工後に1枚ごとの継ぎ目が目立ちにくいようにしたという。柄によって板をまたいで連続させるか、1枚ずつ独立させるかを設計で作り分けている。

開発では、床材特有の基材の反りを抑えたまま安定して生産すること、狙った色を再現して製品ごとのばらつきを抑えることが壁になった。同社は約4年かけて多彩塗装技術としてまとめたとしている。

ヘリンボーン調でも施工の手間が増えない

発注する側に効くのはサイズと施工方法。ヘリンボーンやパーケットを天然木でやると、細かいパーツを1枚ずつ張り込む手間がかかり、床の施工費がふくらむ。アーティオは一般のフローリングと同じ1×6尺で、施工方法も通常と変わらない。柄の見え方だけを高意匠デザインに寄せて、手間の側は普通のフローリングに置いたかたちになる。

デザインデータを自社で持つため、新しい柄の立ち上げや特注にも動きやすいとしている。天然木のような素材由来の個体差が出ないので、追加発注や補修で色柄をそろえやすい点も同社は挙げる。

全26種の内訳

デザイン 色柄 点数
フレンチヘリンボーン2P オーク、ウォールナット、オーク(ホワイト色) 3
フレンチヘリンボーンL オーク、ウォールナット、オーク(ホワイト色) 3
フレンチヘリンボーンR オーク、ウォールナット、オーク(ホワイト色) 3
デザインパーケット01 ウォールナット 1
デザインパーケット02 オーク、オーク(ホワイト色) 2
デザインパーケット03 ウォールナット 1
デザインパーケット04 オーク 1
2P メープル、オーク、チェリー、ウォールナット 4
2Pストライプ メープル、オーク、チェリー、ウォールナット 4
シンプルタイル01、02 なし(各1柄) 2
デザインタイル01、02 なし(各1柄) 2

専用ラインに約8億円

発売にあたって、大建工業は約8億円を投じて専用の生産ラインを新設した。販売目標は2029年度に年30万平方メートル。同社は木質系床材市場でトップシェアを持つとしており、アーティオを床材の新カテゴリーと位置づけて提案を進めるとしている。2026年4月に始動した長期ビジョン「TryAngle2035」で掲げる「新スタンダードの創出」に、この製品を当てている。

今後は非住宅分野への応用と、床まわりの造作材への展開も視野に入れる。個別案件ごとの意匠提案や、空間に合わせたオリジナルデザイン対応にも広げる考え。

業界初としているのは、国内市場でデジタル制御により基材表面に直接高精細な塗装を施す複合フローリングとして、2026年8月時点の同社調べによる。

確認先: 大建工業 ニュースリリース