JFEスチールが10月5日、建築構造用の角形鋼管にマイナス25℃での靭性を保証した品種を開発したと発表した。既存の「BCR295」「JBCR295」に低温靭性の保証を加えた「BCR295-LT25」「JBCR295-LT25」で、マイナス25℃でのシャルピー吸収エネルギーは27J以上。製造できる最大サイズは外径550mm、板厚28mmで、同社はこれを国内最大としている。

シャルピー吸収エネルギー:材料が衝撃をどれだけ粘り強く受け止められるかを表す指標。値が小さいと、低温で脆く割れやすくなる。

低温用の柱材にロールコラムが入る

これまで低温用の鋼材は、厚板と、その厚板を原板にしたプレスコラムが中心だった。プレスコラムはJFEスチールの原板を使い、セイケイが製造と販売を担っている。今回ロールコラムでも低温靭性を保証できるようになり、低温環境の建物で柱材の選択肢が増えた。同社は設計の自由度が向上したとしている。

ロールコラム:鋼板を常温でロール成形してつくる建築構造用の角形鋼管。厚板をプレスで曲げてつくるプレスコラムと区別して呼ぶ。

冷凍冷蔵倉庫の建設需要

開発の背景にあるのは冷凍冷蔵倉庫の建設需要。冷凍食品の需要が伸び、冷媒の切り替えも進んでいる。従来のフロン系冷媒を使った冷凍冷蔵設備から、CO₂やアンモニアといった自然冷媒を使う設備への転換が求められており、倉庫を建て替える動きにつながる。庫内が低温になる建物では、構造部材が低温下で十分な靭性を保てるかが課題になる。

板厚28mmはJFE独自の大臣認定材

JBCR295は、BCR295と同等の性能を持ちながら、BCR295の規定範囲外である板厚28mmに対応したJFEスチール独自の大臣認定材。今回の低温靭性保証品も、この板厚までカバーする。なお「BCR」は日本鉄鋼連盟の登録商標。

供給開始の時期と価格は公表されていない。

確認先: JFEスチール ニュースリリース(2026年10月5日)。