トクヤマは10月1日、セメントと固化材の国内販売事業を太平洋セメントへ譲渡し終えた。吸収分割で販売事業を引き継いだ完全子会社の全株式を、太平洋セメントが取得した。この新会社は同日付で「トクヤマ太平洋株式会社」に社名を変える(旧称はトクヤマセメント)。

譲渡の範囲と条件

譲渡の対象は、トクヤマ本体のセメント・固化材の国内販売事業(営業権)と、子会社2社の株式。2社とも新会社の子会社として、太平洋セメントのグループに入る。

項目 内容
譲渡完了日 2026年10月1日
譲渡先 太平洋セメント株式会社
譲渡額 370億円(株式譲渡契約の調整前)
対象事業 セメント・固化材の国内販売
対象子会社 トクヤマ通商(セメント、生コン、その他建材の販売)、トクヤマエムテック(建材製品の製造販売、コンクリート補修・補強工事)
新会社 トクヤマ太平洋株式会社(山口県周南市、セメント・固化材の販売)

トクヤマは譲渡益として約305億円の特別利益、減損損失として約120億円の特別損失を、2027年3月期第3四半期に計上する見込みを示した。通期業績予想への影響は精査中。

製造はトクヤマに残り、2028年10月ごろの停止を検討

セメントの製造と輸出は今回の譲渡に含まれない。トクヤマは3月25日の発表時点で、2028年度を目途にセメント製造を止める方向で検討すると説明していた。同日の質疑応答では、停止時期を2028年10月ごろとしている。

譲渡後から停止までは、トクヤマの南陽工場でつくったセメントを、太平洋セメントがOEM価格で買い取って販売する。OEM価格にマークアップを乗せる形で基本合意しており、詳細はクロージングまでに決めるとしていた。

会社が挙げた理由

トクヤマは理由として、人口減少や公共投資の縮小、ストック型社会への移行でセメント国内需要が漸減しており、単独運営では安定供給体制の維持が難しいことを挙げた。売却で得た資金は、電子・健康・環境の成長事業と新規事業に投資する。

太平洋セメントは、中期経営計画で国内事業の再生を掲げており、トクヤマの販売事業が持つ顧客基盤を得て国内セメント事業の機会を広げるとしている。両社は以前からセメント製品の物流で提携している。

開示にない点

開示には、販売店や特約店との取引条件、営業窓口、受注から出荷までの手順の扱いは書かれていない。

確認先: (開示事項の経過)セメント・固化材の国内販売事業等の譲渡完了に関するお知らせ(トクヤマ)